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Q位認定メソッド 囲碁入門から初級を駆け抜けるための「小さな目標達成」の連続

はじめに

囲碁きっずで生まれて人気を博したQ位認定
その考え方や方法を、囲碁きっずとは関係なくいろいろな囲碁教室・囲碁サークルで利用いただくための汎用的なQ位認定メソッドとしてまとめてみました。
また、囲碁をネットやアプリで独学している方が、無料スマホアプリを相手に1人でQ位認定を楽しんでいただく方法も考えてみました。

オセロ5分/囲碁半年!?

「囲碁半年、将棋3ヶ月、麻雀2週間、オセロ5分」
これは、日本オセロ連盟のキャッチフレーズのようです。ゲームのルールを覚えてから、自分でゲームを楽しめる(自力燃焼)ようになるまでの平均時間とのこと。

実際、囲碁のルールは覚えたけど、何をどう争うのか、どんなのがいい手でどんなのが悪い手なのか、何を考えて打てば勝てるのか...などがイマイチわからず、楽しめもしないままやめていった人は、たぶんこれまで何千万(!?)といたと思われます。

これは 2012年にNHK囲碁フォーカスで私のことを特集いただいたときの画面キャプチャ。まさにこれ。

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囲碁きっず Q位認定とは

この状況を抜本的に変えようとして2001年、ヒカルの碁のアニメ放映開始直後に始めたのが、同番組で紹介されましたが、囲碁きっずというサイトでのQ位認定です。
たとえば、私がお相手をするとして、こういう小さな碁盤にものごいハンデをおいて真剣勝負をする。勝てばQ位認定合格。

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40Q合格!→35Q合格!→30Q不合格→不合格→合格!!

このよう、一喜一憂しながらの小さな目標設定と達成
こういうストーリーを作り出すことによって先述の「ゲームそのものの面白みがわかるまで時間がかかる」問題をカバーしていったのでした。

これが大当たりで、最盛期にはボランティアの認定員が100人以上、殺到する認定希望に対処するために、さまざまな細かなルール作りも必要になりました。
2012年時点でQ位認定対局数 8万局、Q位取得者、延べ1万4000人に達していました。

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Q位認定は棋力認定ではない

大切なことはQ位認定は一喜一憂のストーリー作りであって、必ずしも棋力認定である必要はないということでした。
実際、囲碁きっずでのQ位認定の運営において、ボランティアの認定員の棋力のばらつきであったり、認定対局の内容の出来不出来であったり、クレームになるようなことも少なくありませんでしたし、棋力基準の厳格化の問題提起も何度もありましたが、私の基本的なスタンスは、Q位認定は棋力認定ではない、ということでした。そういうことは棋院なり棋士なり専門家にお任せすればいいのだと。

汎用メソッドとしてのQ位認定

ここからは囲碁指導をされている方、教室やサークルを運営されている方への提案となります。Q位認定をメソッドとして取り入れてみませんか?

Q位認定は囲碁きっずというサイト内で生まれ、認定員の採用・任命であったり受験回数であったりいろいろ細かなルールがあります。しかしそれは、いわば固有名詞としての「囲碁きっずQ位認定」です。
現在も囲碁きっず2というサイトで継続しています)

囲碁入門後に一喜一憂のストーリーをつくっていく、そんな汎用メソッドとしてQ位認定をあなたも使ってみませんか?

棋力認定である必要はないといことから以下は全く任意に決めていただいて構わないのですが、最初に仕組みをつくるときの叩き台として、囲碁きっずにおけるQ位認定のシステムを以下に説明します。

SA級認定員 碁会所7段以上
A級認定員 碁会所5〜6段
B級認定員 碁会所3〜4段
C級認定員 碁会所初〜2段
D級認定員 2〜1級

認定員の構成ははそのグループの実情によりますね。
囲碁きっずもスタート時点では自分の子供を囲碁教室に通わせている親を中心にしたSA級とA級だけでスタートしたのですが大勢の認定受験希望者に対応するため認定員の範囲をどんどん広げて、認定卒業の子どもたちに広げていったりしました。

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※偶数Qの認定は1つ前の奇数Qとは別の認定員と対戦すること)

囲碁きっずでは1勝すれば認定合格でしたが、ここも2連勝とかアレンジは自由です。
特に子供教室では印刷したQ位認定証をご用意いただくのがよいでしょう。

アプリを利用した1人Q位認定

「みんなの囲碁」という無料スマホアプリ(iOS、Android対応)があります。
これを認定員として使ってQ位認定を運用することができます。このやり方ならサークル・教室に属していない、独学中の個人もQ位認定にチャレンジしていくことができます。(9路は最大5子までしかありませんが)
コンピュータの強さ何段がどのクラスの認定員に相当するのか、囲碁きっずとの水準合わせということについては未検証ですが、もともと棋力指標ではないという考えですので、任意に決めていけばいいと思います。これについては「こういう設定がいい感じに思う」という皆さんのご意見を伺っていきたいです。

一例として、コンピュータは9路ではたぶん強いだろうから、ということで

A級 三段 B級 初段 C級 2級  D級 4級

などいかがでしょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
囲碁入門からしばらくの道筋つくりとして、小さな目標を設定して一喜一憂のストーリーを作っていくというQ位認定メソッド。
ぜひ活用を考えてみてください。
最後に実際のQ位認定対局の動画をご覧いただきましょう。


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