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【囲碁】級位者のための棋譜解説 第10回「打ち込んできた石を攻めて得をしよう!」

こんにちは。

IGOcompany【U】@毎日note継続中(317日目)です。

公益財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、文章を書いたり、「囲碁」の普及活動をしていたりします。

宇佐美囲碁教室」っていう教室や、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会、新百合囲碁学園の学園長を任されたりしながら、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。

また、棋士の先生と協力して、川崎で囲碁を打てる場所を「兎に角、たくさん」つくろうと川崎囲碁普及会」を立ち上げました。

先日、発売した本も好評発売中です.

(良かったら、サンプルだけでも眺めてみて下さい)。

Amazon.co.jp: 【囲碁】「ヨセ」を勉強しようと思った時に最初に手に取るヨセ図鑑①(上巻) eBook : 宇佐美 太郎: Kindleストア

さて、

本日のnoteは、

級位者のための棋譜解説シリーズ、

【囲碁】級位者のための棋譜解説 第10回「打ち込んできた石を攻めて得をしよう!」

です。

こちらは前回のnote。

※必ず前回のnoteを載せていますので、良かったら遡ってみて下さい。

級位者のための棋譜解説マガジンは、こちらです。

このシリーズも、少しずつnoteの本数が増えてきました。

読んでくれている方、本当にありがとうございます!!

棋力向上の為には、囲碁の棋譜解説に、兎に角、たくさん「触れる」ことが大切だと思うので、少しでも役に立つようにコツコツnoteに書いていこうと思います。

(僕のnoteは、有料でも半分以上は無料で読めますので、その部分だけでも眺めてみて下さい!もちろん、応援してくれると嬉しいです)。

それでは、

今回の棋譜解説を始めてきます!

【囲碁】級位者のための棋譜解説 第10回「打ち込んできた石を攻めて得をしよう!」


【今回のメインテーマ】

今回のメインテーマは「打ち込んできた石を攻めて得をしよう」です。

置き碁の時に、白が打ち込んでくる・入ってくると、嫌だなぁと思う人も多いと思いますが、それは逆に嬉しいことなのです。

「飛んで火にいる夏の虫」じゃないですが、自分の味方の沢山いる場所に相手が飛び込んでくるワケですから、そこで優位に戦うことが出来ます。

今回は、そんな入ってきた石にプレッシャーをかけながら、地を確保する(得をする)ような打ち方を紹介しようと思います。

また、

その前に序盤の「ツケノビ定石」「三々定石」についても触れていきます。

【黒1手目~白17手目までの局面 「ツケノビ定石」】

僕の教室の指導碁の中から7子局の対局を題材にしました。

左下隅、白が白5と隅にノビを打った場合のツケノビ定石。
右上隅、白が白13と三々に入った場合のツケノビ定石、です。

ツケノビ定石は、隅にノビを打った場合、隅にツケを打った場合、三々に入った場合と、大きく分けて3つに分類できます。

左上隅、右上隅とも「ツケノビ定石」

ここで、級位者の方が、よくやってしまう間違いが次の図の黒18です。

×印の石はカス石

もう「ツケノビ定石」はひと段落しているのに、つい心配で一手かけてしまっています。しかし、一手かけてしまうと、次は白の番。黒は後手を踏んでしまうのでNGな打ち方です。

ちなみに、

「ツケノビ定石」の基本については、こちらの本にまとめていますので、ちょっと宣伝させて下さい。

【白19手目~黒26までの局面 「三々定石」】

左上隅、白19のカカリに黒20のハサミ。

最初の頃は、(序盤は)ハサミを打たれたら三々と覚えるとわかりやすいかもしれません。

黒22のオサエの方向も大切。(真ん中くらいまでで)味方の石のいる広い方からオサエを打つのが基本です。左辺の星の位置に黒石があるので、黒22と左辺からオサエたいトコロ。

オサエの方向を意識することが大切!

黒20のハサミが一路低い場合は、ケイマで受けたりもするのですが、今回は黒20が四線にありますので、黒26としっかりと連絡していれば黒が厚い形です。

実戦は、次の図の黒26と打ったのですが、上の図の方がしっかりとしている意味があります(後々出るのですが、相手からの分断が狙い難いです)。

ちょっと宣伝ばっかりになってしまいますが、

「三々定石」についても、こちらの本にまとめていますので、良かったら読んでみて下さい。今、Amazonで「三々定石」の基本事項について(ほぼ)全てまとめている本はこれしかありません。

【今回のテーマ図 白27の打ち込み】

白27と打ち込まれた時に、どう打っていいのか、悩んでしまう方は多いと思います。ここからいくつかの考え方を紹介します。

白27に対してどう打ってみたいか

【参考図① ツケは辺で生きるのを「許す」打ち方】

「攻めたい石にツケるな」という格言があるのですが、囲碁においてツケると「お互いの石が強くなります」。

強くしたくなければ(攻めたければ)、ツケを選ばない方が良いでしょう。

次の図のように黒1のツケを選ぶのであれば、黒は辺で白が生きるのを「許し」、自分は連絡して中央が厚くなれば満足ですよという判断になります。

黒1のツケは、黒の連絡を意識した打ち方

だいたい、このような変化になります。

三連星の棋譜などで、よく登場した定石です。

辺で白を生かし、黒は中央を厚くします

7子局ですと、これで黒は十分なワカレだと思います。

実戦の黒28のボウシもほぼ同じ構想で、辺で白を生かし中央を厚くするという意図になります。

こういう着手の意味を捉えておくことが囲碁では大切です。

これも辺で白を生かして、自分は中央を連絡しておく着手

【打ち込みを「攻める」ような打ち方】

上で紹介したように白を許して厚くするのではなく、白の打ち込みを「攻める」発想もあります。囲碁用語では「咎める」と言ったりもしますね。

ちなみに、ここで覚えておいて欲しいことは、「攻める」ということは「取る(殺す)」ということではありません。

相手にプレッシャーをかけて、自分が得をするように打ち進めることです。

以下の有料部分で、

白の打ち込みに対する黒の考え方をまとめていきます。

※今回は「120円」に設定してみました!セブンイレブンカフェの珈琲代分くらいの「価値」はあると思いますので、是非ぜひご購入をご検討下さい。

※マガジンでご購入いただければ、10年間は書き続ける、数百本分の有料記事を全部読むことが出来ます。

以下、有料部分です。

まずは、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!!

【参考図② 相手の「根拠」を奪っていく打ち方】

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