【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第14回「第48期棋聖戦七番勝負第2局を眺めてみよう!!」
こんにちは。
IGOcompany【U】です。
財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、囲碁をビジネスに起業。
もうすぐ10周年になる「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、
「新百合囲碁学園」の学園長を任されたりしながら、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。
本日のnoteは、
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第14回「第48期棋聖戦七番勝負第2局を眺めてみよう!!」
です。
実際の教室でも、たまにタイトル戦や、棋士の先生の碁を取り上げるんですが、僕の教室は級位者の方から有段者の方まで通って下さっているので、このようにタイトル戦を解説する時は「眺めてみましょう」って言ったりします。
やはりタイトル戦は、お互いが創意工夫している棋譜なので、難しい部分もあるんですよね。なので、全部の意図を理解しなくてもいいので、今、この時代にこういう風に打たれてるんだなぁって感じてもらえるだけで良いですよ~と、前置きしてから解説したりもします。
「何かひとつだけでも新しいことを知ってもらえば十分です」と伝えたりもしますね。
色んな棋譜解説を訊いて、地層が積み重なるように段々と囲碁の知識も厚くなっていくものですから。
さて、
というワケで、
全100回を目指す上達に役立つ棋譜解説シリーズの第14回目になります。
前回の棋譜解説はこちら。
※必ず前回のnoteを載せていますので、もし興味があれば遡ってみて下さい。
いつも書いてるんですが、
囲碁の棋力向上の為には、沢山の囲碁の知識に触れることが必要です。囲碁は、これだけを覚えれば大丈夫!ってことが(ナカナカ)ないんですね。
応用の連続と言いますか、難しい言葉で表現すると「棋理(囲碁の理屈)」の理解が重要です。
色々な局面に対応するために、それぞれの知識が必要になるので、たくさんの棋譜解説を読んで、囲碁の知識の引き出しを増やしていかないといけません。
身も蓋もない言い方をすれば、兎に角、数をこなさないことには強くならないんですよね(笑。
なので、拙いnoteですが、コツコツせっせと色んなことを書きますので、良かったら眺めてみて頂けると嬉しいです。
今回の碁に関して言えば、
左下隅の定石について、
僕なりの結論を載せてみますので、
良かったら参考にして頂けると。。。
それから有料noteは、下のマガジンにまとめています。全部読みたい人は下のバナーをクリックしてみて下さい。
購入してもらわなくても(半分以上は無料で読めますし)、
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それでは、
始めていきます。
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第14回「第48期棋聖戦七番勝負第2局を眺めてみよう!!」
参考教材は、こちら。
【解説した部分までの総譜 1手目~85手目まで】
いつもは封じ手まで解説しているんですが、この碁は初日でだいぶ進んでしまったので85手までにしました。
第48期棋聖戦七番勝負第2局
黒 一力遼棋聖 白 井山裕太王座
良かったら、棋譜を並べながら解説を読んでみて下さい。
【黒1手目~13手目まで】
タスキの布石から始まり、黒5のカカリに、白6とカカリ返し。
黒7とケイマにかけて白10まで。
白10は、前に解説した上野先生の碁ではケイマに打ったりしていますね。
この碁のように白10と一間トビする方が多いような気もしますが、黒からのオシが利かないようにケイマで打つ場合もあります(どちらも一局です)。
で、
黒11とハサミを打ってから左下隅の形が、最初のテーマ図です。
この碁のように、黒11のハサミに対して、白12のトビ、そして黒13のケイマの形は、
実は自分の中で結論が出ていなくて、僕はほとんど打たない形です。
結構昔に、師匠(筋)と言いますか、お世話になっている棋士の先生に質問したんですが、その時もちゃんとした答えが無かったんで、僕の中では、あまり打ちたくない形となっています。。。
【参考図①】
いや、知らないワケじゃないんですが、
白1のオシからハサミ返せば「戦い」。
これはこれで一局でしょう。
ただ、左上隅の黒△の石も働きそうなので、白は左辺では戦い難いなという印象は持っています。
【実戦白14手目】
なので、井山先生はどう打つのかなぁと興味深く見ていたんですが、
実戦は白14と「手抜き」。
そうだよな、分からなければ「手抜き」だよなと、ちょっと納得してしまいました(笑。
まだ形を決めたくないっていう意図もあるんだと思います。
とはいえ、有料noteですので、わからないですねって結論も何なので(いや、手抜きも立派な打ち方なのですが)、
僕の中でのオススメの形を紹介してみます。
【参考図②】
下の図のように、
サバキのツケフクラミがオススメの打ち方です。
この碁だけでなく、色んな形で応用ができる打ち方だと思うので、良かったら参考にしてみて下さい。
AIでも検討してみましたが、この打ち方でも評価値は下がりません。
しっかり白が落ち着くことが出来るので、是非ぜひ試して欲しいサバキの手筋ですね。
【参考図③】
黒4と黒がノビを打ってくれれば、白7までで白はしっかりと根拠を持って落ち着くことが出来ます。これは白満足でしょう。
【参考図④ 絶対に打ってはいけないツギ】
ちなみに、このツケフクラミのサバキの手筋でやってはいけないことは、黒4のアテに対してツギを打つことです。
このツギを打った白は「陣笠」の愚形。
石が重くなってしまっているので、とてもサバいたとは言えない形です。
【参考図⑤】
黒4のアテには、白5のアテ返しが筋の良い打ち方。
このアテ返しは、なかなか打てない有段者の手筋だと思いますので、是非ぜひ覚えておいて下さい。
AIによると、下の図、
白9のカケツギが高評価でしたが、
僕的にはAのノゾキがあるので、下の図でも良いかなと思います。
【参考図⑥】
やはりアテ返しからのサバキ形。
これで白はなかなか攻められない形に落ち着くことが出来ます。
【実戦 白14手目まで】
実戦のように白12とトビを打ってしまうと、その後の扱いに困る意味がありますので、特にアマチュアの碁は持ち時間がないですし、このような筋で落ち着いておくというのがオススメです。
とはいえ、
井山先生のように白14と手抜きをするのが悪いワケではありません。
【実戦 黒17手目まで】
白は、白16と上辺を盛り上げるように打ち、黒は左辺を大切に黒17と二間ビラキ。
黒17で上辺を制限したい場合などには、
黒はAにカケを打つのも好点になります。
【実戦の進行 白24手目まで】
実戦は、白は上辺を大切にし、黒は左辺を盛り上げていくような進行になりました。上辺は白、左辺は黒と、お互いの方針が見て取れますね。
さて、ここで黒25手目、
皆さんだったらどう打ってみたいでしょうか?
【実戦 黒25手目】
実戦は、黒25といっぱいに頑張ってきたんですが、
【参考図⑦】
このnoteを読んでくれている方のほとんどは、下の図のように黒1のカカエで打つのが良いかと思います。
(僕も悩んだ末に、こう打つような気がします)。
本手と言いますか、いちばん手厚い打ち方なので、教室の生徒さんにもまずはこう打ってみましょうと解説しました。
【実戦 黒27手目まで】
実戦は、
ここから戦いが開始したんですが、
カカエを打っておけば落ち着いた展開だったと思いますね。
白26が良い手に見えないと言っていた高段の方もいて、この後は、ホント難しい戦いになりました。
【実戦 白28手目】
白28のノビも(何てことない手かもしれませんが)、実戦的な打ち方ですよね。黒△の四子のダメを詰めている意味があります。
(僕だったら何も考えずにAとノビてしまいそうです)
また、
白27の手に対して、
眼から鱗と言いますか、こう打つ発想もあるんだなという驚きの発想もありましたので、この後の有料部分に載せてみたいと思います。
それでは、
以下、有料部分となります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!
これから全100回を目指し、定期的に皆さんに役立つ情報を発信していきますので、応援宜しくお願い致します。
【参考図⑧ AIがオススメしていた黒の変化】
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