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車に対して意識だけ高くなる俺

教習所で仮免までいきながら、期限失効すること3回、免許を取るためにと貯金をするたび、再婚に金が必要だ!弟の学費を出してやる気はないのか!とクソ親父に金をたかられ過ぎて虚無になってた21歳の8月になるまで免許を取れなかった俺の戯言です。

免許を取ることに消極的だった自分ですが、高校卒業とほぼ同時に初代日産キューブを買って乗せてくれてた親友のおかげで、免許を取得できました。
晴れの日も雨の日も、彼にいろんな場所に連れて行ってもらい、いろんなものを見ることができ、虚無感を乗り越えてなんとか免許を取ることができ、初めて乗る車を80スープラかMR2に悩んでいた自分が、彼の鶴の一声でMR2を決めることが出来た件は大変感謝しております。

でも、MR2に6速はなかったけどな。

MR2最終型は6速だって嘘ついたよね。

あれ?そうだったっけ?ってどういうこと。


80スープラ、GTO、R34GT-R、S15、111レビトレBZ-Rが6速なのは知ってましたが、MR2は5速だよなあと思いつつ、MR2のほうがいじりがいがありそうなので、公道仕様として面白そうな4型ターボに決めました。
リアスポの好みは5型なんですが、ABSは4チャンネルから3チャンネルと性能下がってるとの情報もありましたし、公道仕様として4型のほうがベストバイだと確信してたんですよね。

ちなみに、MR2の改造方針については、キューブの彼と、GT-Rもどきのスカイライン野郎が全てのベースとなったとお思いください。
それくらい、彼らの改造は個性的だったのです。

ちなみに、時代背景を語りますが、俺が免許を取った2001年はハイオクでリッター100円くらいの時代だったんです。
RX-7やGT-R、アストロといったリッター2〜3km走ればマシ系の車が年収200万代後半でも辛うじて維持できるぐらいの人権はありました。

で、そんなガソリン垂れ流しの改造車に乗ることに恵まれた時代で、車改造雑誌を読む仲間であり、80スープラフリークの俺に、キューブの親友が、900馬力、強化AT仕様のお買い物仕様80スープラがある!とメッセかなんかで激写された、どこぞのショップが作った80スープラをこれでもかと力説します。

ちなみに、AT限定はあまりいなかった時代、当然自分もMT免許の講習です。
MTを取るのは当たり前という時代。ATに乗る人はいても、仲間うちでAT限定免許は彼ただ1人。

けものはいても、のけものはいない。

ようこそ、ジャパリパークなど存在しませんでしたが、AT限定にコンプレックスを抱いていた彼でしたから、ATでハイパワーな仕様を力説するのはシコシコ当然、間違った、至極当然でした。

(……まあ、ATの時代がそう遠く無いうちに来るって言ったんだけどな。そのとおりになったんだけどな)

で、MTもATも乗れる自分からしたら彼の主張はフーンなわけです。
確かに900馬力は誰でも扱える馬力ではないけれど、あの当時クソ重てえトリプルクラッチをコキコキしながら近所のスーパーに行くなんて拷問でしかなかったので、ATならホイールスピンに注意しながら走ればいいし、楽勝じゃね?と言ったわけですね。

「○ちゃんはわかってない」
「どういうこと?」

わかってないと言われて、なにが飛び出てくるんだと期待しました。

「ATで900馬力だよ?凄いと思わない?」
「別に」

ATで900馬力は当時は確かに珍しかったです。

が、そもそも自分で金出して改造した車ではないですよね?
その80スープラは、ショップの技術力を示すデモカーでしたから、ユーザー目線のユーズドではないわけです。
どのメーカーかは知りませんが、他のショップでは使っていない、強化した謎のATを使っていることからも、トラブル満載だろうなと容易に想像つきますよね?
そう、新しいものにはトラブルが付き物なのです。
それを裏で地道にコソコソ直してるのだろうけど、900馬力と胸を張って公言しながら、パワーチェックグラフを載せて無いのもあり、信憑性に欠けると、眉に唾つけながら話半分で聞いてたんです。
で、実際にその80スープラはしばらくして姿を見なくなり、30%近く馬力のダウンした600〜500馬力クラスの強化ATのソアラやアリストが出てきて、2J強化AT仕様の実態は現実から考えてこっちだろうなあと、強化ATの強度を調べつつ、その記事を載せてた廃刊したチューニング雑誌をポイしました。

ちなみに、その900馬力の80スープラを見かけてから、キューブの彼はATでハイパワーにあらずんば車でない!的な謎を盛り上がりを見せ、彼はたびたび俺に力説するわけですが、あまりにも鬱陶しいので俺は伝家の宝刀を抜いてしまいます。

「ハイオクでリッター1切る車とか、買い物車として無駄の極みじゃん」

いくら、ハイオクがリッター100円で入れられた時代とはいえ、近所のスーパーへの往復で仮に2000円かかってたとしたら、それだけで結構な負担になるのはわかりますよね?

しかも、900馬力とハイパワーですから、強化ブロックなどふんだんに盛って作ったとして、耐久性的に保って1万kmでオーバーホールでしょうか?
まあ、その前にミッションかトルクコンバーターが逝きそうではありますが。

兎にも角にもお金がかかる、高給取りだけが維持できる浪漫仕様のお買い物車なわけですやね。


で、その80スープラを見て以来、変な影響を受けてしまった彼ですが、キューブの馬力をドカンとあげられないかと色々と手を出します。

定番のエアクリ交換、マフラー交換はもちろん、オカルト系のオクタン価向上剤など手を出し、吸排気はパワーは上がっていると思いますが、元々がハイパワーエンジンでもないわけで、わざわざハイオク仕様にしなければならないほど、その程度のライトチューンでカツカツになるようなエンジンじゃなく、元々がマーチと同じエンジンなので、よりパワーの上がることをしようとエスカレートします。

タイミングの悪いことに、藤岡にできたばかりのCONGというショップが、どんな車でもROMチューンをできると喧伝していると知るや、速攻で駆け込みます。

ちなみに、同伴した俺はマーチやキューブ、日産系のエンジンに詳しいちゃんとした店でスーチャーなりターボつけてセッティングしたほうがパワーは出るよと、ショップの店員に見えない場所でアドバイスはしつつ止めます。

「でも、ターボやスーチャーはCVTが……」
「ATがどれだけ強度あるか調べてさ、足りないなら限定解除してMTも悪くないんじゃないかな?」

彼、もともと新車時のオーダーはATで、手違いからCVTが納車された人なんですが、CVTの無段変速のフィール、いわゆるラバーバンドフィールに馴染んだ人でもありました。
まあ、MTに憧れるあまり、無駄にシフトをガチャガチャしてMTごっこする人でもありました。
1速、2速とやってDに入れるくらいなら大人しくDのままにしとけ!と、信号発進するたびに繰り返され、助手席で車酔いしてた自分は思っていましたし、彼とスカイライン野郎も同じMTごっこユーザーだったので、おかげで免許取るモチベが上がりました。
改めて、免許がないとき、何度も同乗させていただき、遠くに連れて行っていただき、本当にありがとうございました。

話しは戻します。
CVTのトルク許容度が気になるなら、MT載せ替えも視野に入れていいんじゃないかとAT限定の彼にアドバイスして、エンジン内部に手を入れていないNAにとって費用対効果の全くないROMチューンはやめとけと止めます。
ATでハイパワー仕様というのにこだわりがあった彼ですから、強化ATも視野に入れてくれるかもといくつか提案し、強化ATに関しても調べつつ、お金をドブに捨てさせるのだけは阻止しようとします。
が、頑として聞き入れてもらえず、翌週にはハイオク仕様のオーダーでショップに車を預けるのでした。

本人が望んだことです。
外野としては、最悪の結果にならないことだけを祈ります。


……まあ、結果はご察しのとおり最悪でした。

仕上がったハイオク仕様のキューブは馬力は1馬力も上がらず、技術力が低いショップが適当な作業をしたためにトラブルが増え、電装関係に至っては電圧制御系の負荷が増えて壊れたのか、燃ポンはイカれてガス噴かなくなるわ、燃ポン交換時にガスタンクのシールをきちんと交換しなかったために車内に気化したガソリンが回って爆発するリスクがあるわ、しまいにゃROM組んだショップは保証期間内にいつの間にか夜逃げしてたっていう散々な結果だけ彼に残ります。
まあ、00年代にありがちな改造車エピソードだけが彼の車に残りました。

そんなこともあり、CVTの耐久性がと言っていたのに、ハイオク仕様というプラシーボでCVTに負担をかける無茶な走りをするようになり、CVTだけでなく、車体にも負担をかける走りをするようになり、せっかく買った新車があまりにも可哀想なんで無いかと思った次第で、次第に彼と距離を置くようになりました。

もともと、ハンドル握ると性格変わる飛ばし屋でしたし、MR2を買ったことを期に、車に対して冷静になって欲しかったんですね。

そして、自分がスポ車乗りになったタイミングで、彼はキューブと並行でコペンを買い増し、スポーティーカーの仲間入りをします。

コペンは彼と相性が良かったのだと思います。

パワーのある車でAT車など乗ったら死んじゃうんじゃないかと思うくらい、自分を隣に乗せると踏むので正直心配でした。
でも、軽カーなら出て140km+αなはずなので、ゴリゴリな魔改造を施さないことだけと無茶な運転をしないことを祈ります。

というか、自分がいると都合の悪いことは聞かないくせに、どうしたらパワー上がるのか相談してくる奴ばかりだったので、高校時代からの仲間とも距離を置くようになりました。

そうそう、キューブと並行して所有した彼のコペンはクローズドでも剛性フニャフニャで、60km程度の速度でもコーナーではインリフトしてるのかってくらい捻れてたのがわかるほどでしたね。
タワーバーとロアアームバーくらいでしか補強してない自分のMR2がオンザレール感覚で真横へのGだけしか感じないコーナーを、同じかそれよりも低いスピードで車体を傾かせつつ斜めにGを感じさせるのですから、同じ速度で少し斜めGがかかるくらいのキューブと比較しても、コペンの剛性の無さは明らかでした。
てか、足回りはダウンサスくらいしか入ってない重心の高いハイトワゴンのほうが、車高も低いクーペよりヨーモーメント低いってなんなんやねん。

初代コペンはマジで怖かったです。
ちなみに、彼はキューブを廃車後、3台目はゴルフに行ったのですが、ツインチャージャーのエンジン以外はとても良い選択肢だったと思います。
重さは気になりますが、剛性は極めて高く、不安なく乗れるというのは大事だと改めて確信しました。

ただ、車検ガン無視のシャコタン仕様に気軽に店に入れなくなり、彼のために段差のある店を避けてツーリングしなければならず、不自由な思いをするのが嫌なのでツーリングには誘うことはありませんでした。

本人がどれだけ行けると主張しようが、脇道から飛び出してきた猫を引いたかもしれないと、猫に対して悪態をつく姿を見ているので、いくら本人が大丈夫と主張しようとも、せっかくのみんなとの楽しいツーリングを本人の過失から来るトラブルでぶち壊しにはされたくありませんでした。

ソロツーリングならどんな車でも自己責任なんですが、集団ツーリングだと知らない道を走ることもありますし、トラブルは無いほうがいいです。
実際に納車したばかりなのにMR2あるあるであるパワステが逝ってしまい、ツーリングを中断させてしまった苦い経験の持ち主として、見えてるトラブルを解決するまでツーリングを呼びかけようとは思いませんでした。

キューブの件でパワーアップ云々は懲りたのか、カスタム系に行っちゃいましたので、車高だけなんとかしてくれればなあ……。

ただまあ、チューンド系から離れて正解だったと正直思います。
群馬はちゃんとしたショップが少なく、かつては評判のいいショップでも、腕のいい整備士は給料の安さからショップを辞めていて、埼玉などユーザーの多い首都圏で店を構えるというパターンが見られました。


まあ、自分の周りは定番のマフラー交換から、エアクリ、ターボ車オーナーは見栄えを重視しての大型インタークーラー装着止まりが多く、すべてショップ任せの人ばかりでしたから、取り付けだけならどの店でも大きくは変わらない……はずなんですけどね。

間違ってつける奴もいんのよ。人間だから。

あと、雑誌の○○交換で○○馬力パワーアップという提灯記事を本気で信じてしまう純粋な子が多いのも群馬の特徴で、ショップもまた口だけ達者な奴が多いもんだから、馬鹿な子は騙されて何100万とローンを組みます。
ちなみに、俺も馬鹿な子の1人です。

で、最たる馬鹿をご紹介します。

「エアクリ、マフラー、インタークーラー、GT-Rのパーツに交換した俺のR33タイプMは400馬力出てるぜ!

AT4穴のR33スカイラインから、タイプMに乗り換えた彼が、パワーに一切寄与しないR34ホイール、R33ブレンボを持ち出して、冗談抜きで400馬力宣言をしたとき、声を押し殺して笑いました。

毎年クラッチ交換するぐらいの過走行車で、サーキットや峠など10万キロほど走ってノンオーバーホール、ドノーマルエンジンにパーツポン付けで、知識は雑誌がグランツーリスモか、お調子者のショップの虚言から得ていましたから、増長して大きめの馬力を公言して痛い奴扱いされていました(呆)

まあ、裏榛名にスカイラインタイプMオンリーのチームもあったりと、頭のおかCタイプM乗りが増殖してたのもこの時期ですね。

当時はフルコンもブームだったのですが、自分みたいにパワーFC、いわゆるフルコンを買ったあと、技術解説書を読み解きながら自身で燃調をセッティングしていく人も少なかったので、マフラーから煤が0スゲー的な危ないのもありました。

ちなみに、底辺工業高校の末席でしたが、高校で習うレベルの物理で、自分よりテストの点は良かった2人ですら、流体力学や物理の基本を説明しても理解してもらえなくて、なんとなく勘で理解してたんだなあ、と自作PCオタクでハードにもソフトにも造詣を深めていた自分は思いました。

兎にも角にも、誰にでもわかるように理屈を噛み砕き、ときにノートに書いて説明しましたが、雑誌の書いてあることが真実だと信じて疑わず、ゲームのほうが正しい知識が得られると、なぜかキャンバーやトーが現実とは真逆となるグランツーリスモのバグもあって、説明には大変苦労しました。

『苦労はした。でも、伝わったとは微塵も思わない。だって、ベルヌーイの定理を理解しないんだもの』

「つか、カタログ値で250馬力の車が吸気系交換して、ブーストコントローラーで0.1kあげたところで400馬力に届くわけあるか!RB25DETの圧縮比がいくつで、ターボエンジンの標準的な圧縮比がいくつで、似た仕様の車が馬力いくつで、馬力を上げるためには圧縮比を下げるしか無いとまで言ってるショップが近所の館林にあるのに、自腹でGT-Rではないスカイラインの専門書まで買い与えて、読むように仕向けて、乗ってる車のエンジンのコンセプトすら言えねえとか、マジわかってんのか!ボケナス!」

GT-Rに憧れる奴ってクズが多くて大嫌いなんですけど、GT-Rに憧れながらスカイラインに留まる奴もまたクズだと思います

GT-Rが好きだけど、スカイラインで我慢してるとか車に失礼だし、カッコ悪いと思いません?

俺はGT-Rよりスカイラインのほうが好きだ!
やはり、男は四駆ではなくFRで腕を磨くべきさ!

口を酸っぱくして言いましたし、程度のいいR33GT-Rが中古で200万で買えた時代ですから、車内にGT-Rのエンブレムを飾るだけでなく、トランクに貼り付け、GT-Rグリルに手をつけ、40万のR34GT-Rホイールと20万のR33GT-Rキャリパーに交換するなど、GT-Rへの隠しきれない憧れを微塵も隠さなかったのに、タイプMで妥協したのは愚かだと未だに思います。

手に入れてりゃ、GT-R化に掛けた金額でリッター7〜8km走れるGT-Rを作るために必須のVカムが手放した翌年にHKSから出たから、タイプMと変わらない燃費のGT-Rに乗れてたのにな。


間違いを書く雑誌の中にも、いくつかは正しい知識もあったので、それを見つけてゆくうちに、オートメカニックで基礎的な整備術を、モーターファンでエンジンの歴史を勉強するようになり、知識に貪欲過ぎてしまいにゃ海外の専門書を取り寄せ、翻訳しながら読むようになり、ドリフトブームの裏で同程度の知識で会話できる人など皆無となっていきました。

D1から始まるドリフトブームに乗っかって粗製濫造とばかりにショップも立ち上がりましたが、まさにピンキリでしたよね。

ちなみに、クズ過ぎて縁を切ったJZX100マークⅡ乗りの失敗エピソードも紹介しておきますね。

・本格的にドリフトしたいと、伊勢崎に拠点を移した○竜というジムカーナショップに車を持ち込み、メカニックの話しがとてもわかりやすいんだよ!と言いつつ、100マークⅡに、クスコの1wayデフを組むことを了承する

・本庄サーキットの走行会で知り合っただけの奴から1万で買わされたBee⭐︎Rのレブリミットカッターを上記ショップ天○につけさせるが、7000回転でレブリミットのフルノーマル1JZ-GTEに、 11000回転まで無理やり回そうとして症状名のつけられない酷いエンジンブローをする。

・いくらで直せるか聞いてきて、中古エンジン+載せ替え代10万と極めて現実な金額を出したところ、タダで直せないか俺に泣きつく。
タダで直せるかボケナス。

・エンジンブローした状態でもいいからとの外国人に交渉で20万で売る。
売って5年以上、マークⅡツアラーV欲しいと俺に言ってきて、タダでエンジンを直さなかったことを恨みがましくネチネチと責め立てる。

レブリミットカッターはつけるなと反対したし、つけたあとオーバーレブはブローするから絶対にするなと注意もしたし、エンジンがブローしたあとも安く直す手段を探そうと、エンジン探しに奔走していたなかで、外人に20万で売れちゃった♪とエンジン直せないか泣いてたのが嘘かと思えるかのような嬉々とした表情してた奴は誰でしたっけねええええ!!!!

……はー、新卒の同期で入社してそうそうから5年間さんざ俺のこと利用してくれやがってたクズだけど、本当にあいつはマジで○したい。


というわけで、恒例の有料記事です。
ここからはさらに爆弾が眠っております。
ご覚悟を。


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