◇金利とは -備忘録①-


①金利とは:

借り手と貸し手の間に発生する現金に対する"賃借料"
・太古から金銭の貸借はあり、かつては借り手(需要者)と貸し手(供給者)の二者間で成立していたが、中央銀行(誘導者)の誕生が金利の意味合いを大きく変化させる

中央銀行の存在価値
・紙幣を刷る(当初の紙幣発行の目的は戦争が起因)
・借り手の救済
・現代では供給者と誘導者間でのオペレーション


②金利とは:

金利水準の秩序維持

金利=期間(時間)リスク+信用リスク
・借入期間が長ければ長いほど、金利は上がる
・信用できない借り手ほど、金利は上がる

◇信用リスクが高い借り手ほど高金利
  例)消費者ローン、自動車ローン、低格付け発行体(新興企業など)
◇金利水準の秩序維持信用リスクが低い借り手ほど低金利
  例)高格付け発行体(老舗企業等)、住宅ローン(担保アリ)、国債

無担保コールレート

無担保コールレート=日本の政策金利
・かつて日本銀行は、銀行に資金を貸し出す際に適用される金利「公定歩合」を政策金利として位置づけていたが、その後、銀行間での資金融通を担うコール市場での「無担保コールレート(オーバーナイト)」の金利を政策金利と位置づけ、銀行の資金需給の調整を通じて金利をコントロールしている

・無担保コールレートを決めることで全体の金利水準も枠内で上下する
・金融政策はインフレ、景気、目標インフレ率などを基準に決定されている

※FFレート=米国政策金利


③金利とは:

小国(日本)は大国(アメリカ)の影響を強く受ける

日本の金利を決定する2つの要素:日銀米国金利
・日本の金利の独立性は圧倒的に限定的(アメリカの影響大)
・極めて短期金利(無担保コール、5年等)のみ日本の独立性は担保される
長期金利(30年)は米国の名目金利にほぼ連動

日米間における金利と為替の法則性

1)米国30年名目金利は過去の名目成長率と連動する
・30年金利は米国で最長の金利
・名目成長率の期間は約10年で見る
・名目成長=景気
・景気=成長+インフレ
・30年金利=景気(全体がどれくらい増えるか)

2)米国10年名目金利は過去のインフレ率と連動する
・過去10年のインフレ率の平均が10年金利に影響
・インフレ率上昇後に考えるべきは「どのくらいインフレが続くのか?」

3)日本の5年以上の長期金利は米国金利と連動する
・5年以上の金利を考えるときはアメリカの金利を参考に
・米国の金利が上昇しすぎると日本金利も底上げ的に上昇し、影響大

4)ドル円は日米5~10年金利の差に連動して動く
・基本的に5年以上の金利差に連動
・震災等の突発的ショックが起きたときは例外
 (地震→保険支払いがある→外国債を売って支払う→円高)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?