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2021/8/15 仙台営業所星屑ガールズ 演劇公演 2021夏


いぎなり東北産を擁するスターダスト仙台営業所の演劇部隊である、仙台営業所星屑ガールズの舞台が行われた。

会場は仙台市の誰も知らない劇場。(旧桜井薬局セントラルホール

この場所は2016年2月14日にいぎなり東北産(当時は二代目いぎなり東北産)が初めての単独公演「ボビーバレンタイン会」を行った会場でもある。


実は仙台営業所星屑ガールズにとってもこのイベントが初の単独(主催)公演となる。

スターダスト仙台営業所にとってこの会場はまさに"聖地"なのである。


会場に到着すると、案内板があった。
そこには"完売御礼"の文字が!


ディスタンス仕様の、一席飛ばしの配席ではあったが、チケットはすべて売れたようだ。


座席前のドリンクホルダーには紙が設置されており、
劇中で使用するシチュエーションを観客から募集した。


開演前には河合によるものと思われるアナウンス(声のみ)があり、
「ドリンクホルダー内の用紙に記入して投票してください」
とのことであった。


開演。まずは河合美緒

㮈月ひな 

の2人が登場。


「本日のMCを務めます。よろしくおねがいします!」
と自己紹介をした。
そののち、開演中の注意をアナウンスしたが、
「携帯電話での通話禁止」「声を出しての応援禁止」「飲食の禁止」
などの項目を河合と㮈月が読み上げていくと同時に
うしろにスタンバイしていた

仲村虹香

佐藤不二子

井上詩音


の三名が
該当するシチュエーションをそれぞれ演技しながら注意を促すという、
非常にユニークなものであった。


そしていきなり始まったのは佐藤による「ものまね3連発」

佐藤を筆頭に

「なるほどな」

「ワイがパーしてワイパー」

「起立! 礼! リクライニング!」

の、FUHIWARAの原西氏のものを参考にしたと思われる3ネタを団体芸として全員で披露し、
会場は優しい笑顔に包まれた。



続けて全員の自己紹介。

これまでたくさんのレッスンを重ねてきたようだが
仲村「緊張して口角がヤバいの!」
などと、緊張しているようではあった。

そして本編に突入する。


最初の演目は「即興芝居」

ステージ上の2人のメンバーがお題に沿った即興の演技を行うモノで、
今回はNGワードを言ってしまった場合に何か理由をつけてステージを去り、
次の人を指名して入れ替わる

というルールであった。

指定されたNGワードは「さしすせそ」
さ行の言葉を発したら退場
ということになる(ざじずぜぞはセーフ)

テーマは開演前に募集した紙の入った箱から1枚引き、
「自分の部屋」
となった。

自宅が舞台になったためか、
「おとう"さ"ん」でNGワードに引っかかるメンバーが続出したが、
ちょうどいいペースでメンバーが入れ替わったため、
うまいこと話がつながっていった。

終了後にはメンバー最年少の碧山さえが、

「練習ではなかなか入っていくことが難しかったけれど、本番はうまく入れて良かった」と言うと、

河合「さえちゃんのお父さんがすごかった」
井上「メンバーの末っ子のさえちゃんがお父さん役っていうね(笑)」

と、碧山の健闘をたたえた。


続けて行ったのは「Papers」という題目で、
開演前に募集した紙を床にばらまき、
即興劇の合間にランダムで拾った紙に書かれた台詞を言いつつ、
ストーリーとして成立するようにうまく演技を続行していく
というものであった。

Papers最初のお題は「リビング(紙に書いてあったのは"ソファ"だったが、井上が機転を利かせて変更した)」

挑戦したメンバーは河合と蝦名真由香

ソファに座る蝦名と河合。
ソファでテレビを観ていたはずなのに、急に
「石油王に俺はなる!」などと宣言することとなるなど、
ストーリーはあらぬ方向に行きかけたが、
さすがは星屑ガールズのなかでも経験豊富な2人。
とても上手に進行していた。


Papersではもう1シチュエーション行っており、

お題は「トルコアイス(紙に書いてあったのはトルコだったが、河合がトルコアイスに変更した。)」
で、メンバーは佐藤と桧山ありす


佐藤がトルコアイス店の店主役、桧山がお客さんの役を演じた。

カタコトで接客する佐藤と、アイスを注文する桧山。
普通に販売するかと思いきや
佐藤「腕が長すぎて宇宙人みたい」
や、
桧山「俺を誰だと思ってやがる」

などと突飛な返しになる2人のやりとりがおもしろかった。


Papersの次は一人芝居

今回一人芝居に挑戦したのは井上

井上が演じた"ミカ"は自称「ずんだのずん子」と言うほどの無類の"ずんだ好き"。

街に出れば
「仙台の三大名物は"牛タン"、"笹かま"、"ずんだ餅"!」
「そこのあなた、ずんだご存知?ご存知ない!?」
「わたしはずんだが好きすぎて自分でずんだ餅が作れる様になったんです!」
と言いふらすなど、完全にずんだにとりつかれていた。

小さい頃から母親が作ったずんだ餅が大好きで、
周囲から孤立していたミカにとって支えとなっていたのは
ずんだ餅のみ。

そんなミカのもとに突然やってきたのはいとこの"サキ"
ミカにとって家は、自分とずんだ餅だけの絶対的なテリトリー。
そこへ完全なる"部外者"であるサキがやってきたことにより
逆立ちしながらずんだ餅を食べたり、
真っ裸でずんだ餅を食べることが叶わなくなることが許せなかった。

ミカの楽しみは冷蔵庫に小さなずんだ餅を蓄えては少しずつ消費していくこと。

しかしながら、サキがやってきてからは不自然にずんだ餅の消費スピードが上がっていった。

サキがずんだ餅が好きではない事を知っていたミカはサキに真相を問いただした。

実はサキはミカに内在する"狂気"に気づいており、
そんなミカをどうにかしたいと行動していたことが判明した。

「隠しているずんだ餅を全部返しなさいよ」
とサキに迫るミカ。

「ミカが勝ったらずんだ餅は全部返す。サキが買ったらミカを病院に連れて行く」

として、ずんだ餅の行方は"あっち向いてホイ"に委ねられることになった。

勝負の結果はサキの勝利。ミカは病院に連れて行かれる事になった。


体感時間は20分ほどであっただろうか、
かなり長尺の演技であったが、
一人でやりきった井上に大きな拍手が送られた。

その後はMC人からの質問コーナー

㮈月から「役作りで大変だったことは?」

ときかれると、井上は

「即興劇の練習をしていてもしゃべり方がずん子みたいになっちゃって…ずん子が抜けなかった」

と、初めての1人芝居の苦労をにじませた。

また、衣装については全身ずんだカラーの黄緑色に合わせており、

井上「ずん子に見えますか?笑」
河合「下に行くにつれてだんだん色が濃くなるようになってるんですよねー。」
井上「たまたまなんですけどね笑」

と、衣装選びにもこだわったことを明かした。

また、河合と井上がプライベートで街を歩いている際、

河合「日常生活でずんだカラーを探す事が多くなりました。緑のマスクのカップルをみて、"あ、ずんだマスクだ"って言っちゃったんですよ。結構距離が離れてたから大丈夫だろうと思ってたら、聞こえていたみたいで。。」

井上「本人はオシャレだと思ってつけてたとおもうから申し訳なかった」

と、ずんだにまつわる失敗談も披露してくれた。




今回の公演のトリをかざったのは台本劇。

挑戦したのは

碧山(カホ)、佐藤(アヤネ)、仲村(フクネ)、桧山(カノン)、蝦名(よっしー)の5人。

舞台は花火大会前日。

カホ、アヤネ、フクネの3人はYouTube?の動画配信を行っていた。

フクネとカホはテニス部の先輩後輩の関係。
フクネはテニス部でも大人気で皆から好かれていた。
そんなフクネの様子をスマホで撮影し、配信するカホ。

しかし、どうもただの動画配信にしては様子がおかしい。

アヤネ「昔の記憶が上書きされない"システム"になっている...」

実は、フクネは数年前に死亡しており、
フクネは科学の力で生前の記憶を移植された"アンドロイド"なり、"クローン"的な存在なのである。(劇中では明言されなかった)

このシステムを用いて生前のフクネの関係者を喜ばせようと配信を行っていたのだ。

どうやらこのシステムには生前に持ち合わせていた感情や意思も存在しているようで、喜怒哀楽は自由に表現できるようだ。

そんなフクネを喜ばせようとカホはあるサプライズを用意していた。

それは、人気アイドルグループ、夏みかん88の二ノ宮カノンとのコラボ配信である。

カノンの登場に合わせて会場にはチームしゃちほこのChérie!がBGMとして流れた。


※余談だが、Chérie!は2017/2/19に行われたいぎなり東北産 「桜〇〇丸焼き計画」 のOAとして有珠、仲村、鶴丸愛莉の3人(のちに佐藤が加わり4人)からなる四代目がステージで披露したことがある。


カノン「夏みかん88の二ノ宮カノンです。レモン ウィンク☆」
フクネ「フレッシュ~(卒倒)」

と、カノンのキラキラしたアイドル自己紹介にメロメロなフクネ。

何を隠そう、フクネは生前カノンのオタクをしていて、フクネから認知があるほど頻繁にライブに通っていたそうだ。

そしてフクネはさらに気づく。

フクネ「あなたもしかして、よっしーじゃない!?」

よっしーは生前フクネと一緒にカノンを追いかけていたファンで、
2人はいつも最前でカノンを応援していた。
現在は自身もアイドルを目指しつつカノンのマネージャーをしている。


ここからよっしーとフクネの回想シーンに入る。

フクネが病気になり、入院するために…とぱったり現場に来なくなったのだが、その後探しても病院は見つからず、最終的には亡くなってしまった。
今回のドッキリ配信の話をきいたときに偶然にもフクネの現状を知ることとなり、フクネの無念を果たすためにも自身もまたアイドルを目指すことを決意するのであった。


こうして生前は考えられないようなサプライズの連続に喜ぶフクネであったが、
相変わらず浮かない表情のアヤネ。

実は世間では「死者の魂をいつまでも現世にとどめておくことはいかがなものか」と倫理観が見直され、フクネのシステムのサービスが近々停止となってしまうようだ。

そのために慌てて今回の配信をセッティングした。

時間が限られる中、当初の目的であった花火大会にみんなで行こうと急ぐアヤネ

すると突然フラつき始めるフクネ。

カホが配信の画面を確認するとフクネの姿がどんどん薄くなっていく。

どうやらサービスの停止に伴い、魂を現世にとどめておく力が弱まっており、

嬉しいだとか、楽しいといった感情を強く持っていないと存在が消えてしまうらしい。

あんなに喜んでいたのにどうして…?

どうやら、憧れのカノンに会えたことで満足してしまったことが原因であるようだ。

ここはあれしかない!!

と、カノンは渾身のレモンウィンクを繰り出す。

全員「フレッシュ〜」

と、あまりの破壊力に全員倒れていく。

カホがスマホの画面を再度確認するとフクネの姿がまたはっきりと映るようになっていた。

一時的に延命?したが、どのみちフクネはもう長くはない。

フクネは「亡くなった方の気持ちは大切にしなければならない」と、天へと帰ることを決意する。


生きている4人一人ひとりに別れを告げ、天に召される体勢を整えたフクネ。

しかし、なかなか体が消えようとしない。


どうやら楽しい、嬉しいといった感情が強くなりすぎて猶予期間が伸びてしまったようだった。

これでもう少しいっしょにいられるね

と最後は全員笑顔で幕をおろした。



そしてこちらでも質問コーナー。

マネージャーの役作りについて

蝦名「まじめなヨッシーのキャラが良いなと思った。」
河合「天然なところが真由香っぽかった笑」

また、浴衣姿の桧山についても触れ、

河合「みなさん、(桧山の)浴衣姿どうですか?」
(会場拍手)
河合「これでアイドルやったらヤバいよね!?」

おそらく会場にいた全員が今日の桧山にメロメロであったに違いない。

河合「一番たのしかった所は?」
桧山「レモンウィンク!ウィンクでみんなをたおす所のタイミングが合ったときが気持ちよかった。」

また衣装については仲村もこだわりがあり、

仲村「前身白の衣装で、髪はストレートにした。すでに亡くなっている人の役だったので幽霊になる準備はOK。」

と語った。

河合「一番難しかった所は?」

仲村「長ゼリフ。練習のときに出来が悪すぎて落ち込んだのですが…本番はうまくいってよかったです!」

河合「感動したところは?」

佐藤「お姉ちゃんと別れるシーン。本番が一番感情移入できて、演じながら本当に泣きそうになって…でも泣いちゃだめだから頑張って我慢しました笑」

ステージ上のメンバーは皆うっすら目が潤んでいるようにも見えた。


また、稽古の裏側についても話があり、

碧山は、流行りの東京リベンジャーズの「ひよってるやついる?」について、
ひよこのことだと思っていた
というかわいいエピソードを暴露された。

河合「印象に残っていることは?」

碧山「追いかけ回すシーン。下駄を履いているため、本当に転びそうになった。」

と、本番ならではなのアクシデントが起きかけていたことを明かした。


さらに小道具について

前回は蝦名の写真を使った道徳の教科書を作成したが、

今回はずんだシェイクの食品サンプルを用意したようで、

「スタッフさんが前日に持ってきてくれた。レジンで作ったずんだシェイクが本物そっくりで飲みそうになった」

とのことであった。

※ここで"ずんだ" の単語に反応して舞台袖からずん子こと井上が再び登場。


また、ティッシュ箱も特注品の"鼻オシャレ"となっており、よく見ると背景には佐藤が透過して印刷されている。

文字にもこだわっており、

「かわいさつづく天然星屑保湿成分」

みたいなことが書いてあるらしい。


最後にMCの感想を聞かれた2人

㮈月「タモリさん風のマイクがよかった」


河合「即興劇やPapersなど、ルールを知らない人に伝えるのが難しかった。」

初めてのMCではあったが立派に努め上げた2人に大きな拍手が送られた。

すべての演目が終わり

「以上、仙台営業所星屑ガールズでした!」

と挨拶し舞台袖へと履けるメンバー。

観客席からは手拍子がおこる。

手拍子に答える形で再びステージへと戻ってきた。

「さっきぶりです笑 アンコールありがとうございました。」

佐藤「アンコールにお答えしてモノマネ3連発をもう一回やります!」

と、まさかの展開に大笑い。

井上「みなさんもいっしょに!」

と煽ると、会場全体で先の3つのネタをやりきった。

こうして初めての単独イベントは大団円となった。


前回公演が学校を舞台とした、 
いわゆる"よくある"シチュエーションであったのに対し、

今回の題材は、一人舞台がずんだというコンテンツを通じて現代を"生きる"ということ、台本劇では死者の魂のあり方を通じて"死ぬ"ということにそれぞれフィーチャーした、かなり難易度の高い内容であったように思える。

(※このレポの筆者も内容を噛み砕き切れず、実際の内容と記憶が違う部分が多々あるかとおもわれますが、あくまでフィクションとしてご了承ください。)


スターダストの演劇…といえば我々オタクには少女劇団いとをかし(現Do it over)が馴染み深い。

仙台営業所からはかつて葉月結菜と湊梨紗が参加したことがある。

しかしながらそれ以降はなかなか劇団に呼ばれることもなく、ファンとしても一抹のもどかしさを感じずにはいられなかった。

この度、仙台営業所として星屑ガールズを立ち上げ、今回のようなしっかりとした舞台公演を完成させたメンバーとスタッフのみなさまには、仙台営業所のメンバー全員の活躍を願う、一ファンとして感謝の気持ちでいっぱいである。

スターダスト仙台営業所の演劇部門のプラットフォームとして、星屑ガールズがその一翼を担い、
"東北から日本へ"
と羽ばたきゆく俳優が数多輩出されることを切に願いつつ
今後も精一杯応援していきたいと、改めて強く思った。

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