iGEMに興味を持ったきっかけについて

はじめに

 iGEM Advent Calenderということで、本日12月18日はCrimsonNinjas_jpリーダーの大竹が記事を書かさせていただきます。
 iGEM2023初出場を目指すということでiGEM出場経験があるわけでもなく、かといって合成生物学に関して特別知識があるわけではないです。とはいえ僕にしか書けない記事を書かないと意味がないと思うので、僕が合成生物学に興味を持ったきっかけとルワンダでのボランティア経験について書けたらと思っております。拙い文章ですが、お付き合いいただけますと幸いです。

先輩方の記事とても面白いですし、参考になりました!ご覧になっていないかたは是非↓
iGEM・Synthetic biology(合成生物学)・Japan Advent Calendar 2022 - Adventar
僕たちチームの記事:中高生iGEMチーム CrimsonNinjas_jp|CrimsonNinjas_jp|note

合成生物学に興味を持ったきっかけ

 僕は合成生物学に興味を持っていてそこからiGEMに入ったタイプなので、合成生物学に興味を持ったきっかけについて書こうと思います。
 僕が合成生物学に興味を持ったきっかけは『マンモスを再生せよ』という本がきっかけです。個人的にはそれなりに有名な本なのかなと思っていたのですが、割と知らない人が多い印象を持っているので概要を紹介できたらと思います。
 簡潔に言うと、ジョージチャーチ教授らのアジアゾウにマンモスに似た形質を持たせることによって”マンモスに似た何か”を創り出すというプロジェクトについてまとめた本です。
 これを聞くと何のため?とかだったりパフォーマンス的な意味合いが大きいのではないかと感じる人が多いと思うのですが、実は永久凍土が解け始めたら温暖化ガスが漏れ出してしまって壊滅的なことが起きるから、永久凍土の維持のために、土をほじくり返してくれる大型草食動物としてマンモスを使おうとうプロジェクトで理には適っているんです。
 とはいえ普通の考え方ではないのですよね。僕はそのなんでもできるのかもしれないという可能性に惹かれて合成生物学に興味を持ちました。

ルワンダでのボランティアを終えて

 全然関係ないと思われるかもしれませんが、iGEMと繋がるところがあるように感じたのでここで書かさせていただきます。
 僕は主に、ジェノサイドについて、環境問題について、教育格差についてなどを知るため、そしてUTokyoGSCでの研究テーマを見つけるためという目的でルワンダでボランティアを行いました。

 UTokyoGSCでの研究も合成生物学分野で行うつもりだったので、ルワンダでの環境問題というと何があるか事前に調べていきました。やはり有名なところで行くと水問題とか空気汚染とかですかね。あとはプラスチックの持ち込みが禁止なので国全体でSDGs意識というか環境問題に関する意識が高いのかと思っていました。

 では実際に行ってみるとどうでしょう。水問題といっても煮沸殺菌が浸透していますし、空気汚染も普通に生活するぶんにはなにも問題ないように感じました。あとやっぱり環境問題に対する意識の平均値は高いと思うのですが、実行に移せないんですよね。スラム街に住んでる方も、ラジオで木を切っちゃいけないと聞いたことはあるけど電気通ってないから木を切らないと火起こせないとおっしゃっていました。
 余談ですが、発展途上国で水汲みをする子供の姿の写真ってよく見かけませんか?やらされてるとか学校行かずにやってるとかっていうイメージが強いと思います。僕は実際子供に交じって谷底で水を汲んで舗装されていない坂道を上り家まで運ぶというのをやってみて(めっちゃきつかった)、子供たちに話を聞いてみたのですが「子供にできる家事は水汲みしかないから誇りを持ってやってるよ」と言っていたのですよね。感動というか知らず知らずのうちに偏見を持っていることを痛感した瞬間でした。(余談長くなりすぎた…)

 そんなこんなで僕が現地に行って一番感じた環境問題は「ハエによる病原菌の媒介」でした。ルワンダは(多くの発展途上国と同じように)下水道が通っていないためぼっとん式便所で、特に排泄時にはハエが群がってきましたし、精肉店なんかはハエであふれかえっていました。実際ホームステイ先の病院でも、マラリア、肺炎に次いでハエなどの媒介による下痢が患者数としては多かったです。
 帰国後もう少しハエによる媒介について調べてみると、ハエによる媒介はペスト、コレラ、バクテリア性赤痢やその他11種類の重大な感染症を引き起こし、それらだけでも年間数百万人の死者を出していることや、上記の病気などが原因である下痢は、年間約52万5000人の5歳未満児の命を奪っていることを知りました。そのためUTokyoGSCでの研究テーマは発展途上国でハエによる病原菌の媒介を防ぐための基礎的研究として糞尿中の成分からハエにとっての忌避成分を合成する大腸菌の作製ということにしました。

 ルワンダ行く前のなんとなく水問題とかやばそう~から比べるとかなりブラッシュアップされたのではないでしょうか。これはiGEMでいう所のHuman Practiceのサイクルをうまく実行できていたからだと思います。
 なにを行うにしても現地の人に話を聞く、対象層に話を聞く、専門家に話を聞く、(できれば)現地に行ってみるというのは大事ですね。

 CrimsonNinjas_jpはまだまだ研究計画を練り上げている段階ですが、ここら辺意識できたらなと個人的には思っております。


 来年は「初出場にして金メダルを獲得した高校生チームの話」とか書けるように頑張ります🔥

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