Weekly iGEM〜Grand Prizeを獲るために日本のチームは何が大切なのか?〜

~日本がiGEM強豪国になる日~
Grand Prize、それは全iGEMerが欲しているものといっても過言ではないだろう。日本のチームでは昨年Japan Unitedが日本チームとして初のGrand Prizeを獲得した。我がチームもそれに続いてGrand Prizeを獲ることを目標としているが、結局何が大切で必要なのだろうか?今回はそれについて分析していく。

大切なこと
1、現実社会にどう貢献するか?
 多くの生物学の研究の特徴として、社会に貢献しやすくまた応用へのスピードが早いということが挙げられる。化学や物理、数学の場合だと分野にも依るが社会への直接的な応用は簡単ではなく(フェルマーの最終定理の証明をしても社会が素晴らしいものになるとは限らない)医学や工学、薬学、農学などへの応用となると基礎研究がある程度完成してから20〜30年近くかかる。つまり合成生物学の研究としてまず考えなくてはならないのが、社会にどう貢献させるか?ということが大きい。去年のGrand Prizeを獲得した研究は、うつ病への薬に関する研究であった(はず)。その前は冠動脈疾患の早期スクリーニングに関する研究であるというように社会や世界の課題にどれだけ向かい合ったかというのが評価ポイントの一つになるだろう。とはいえ、ある程度のレベル以上のチームは現実社会への貢献が大きめのテーマを選んでくる。ではそれ以外でどのような点で差がつくのだろうか?

2、研究がある程度完成しているか?
 当たり前かもしれないが研究を公の場に出す以上、ある程度の考察の深さや完成度が求められる。この点は皆さんの多くはiGEM以外でもGSCや個人で研究をしている方が多いので理解しやすいと思う。つまりどれだけ崇高なテーマであろうと完成していないチームの研究は高い評価を得られないことが多い。数年前のJamboreeでも、あるヨーロッパのチームのテーマはすごく良いものできっと審査員をあっと言わせたことだろう。しかし、肝心の完成度がそこまでで、結果はあまり良いものではなかった。(随分前に見たものなのでアバウトな情報で申し訳ない)
そういったことからも完成度は大切であろう。私も研究が高い完成度になることを目指しこれから実験などを頑張っていこうと思う。

3,中国および台湾のチームの強さ
 中国や台湾のチームは全体的に非常に強い。それはなぜなのか?お金があるないは置いておいて、僕としてはCommunityの強さを挙げたい。日本ではiGEM Communityなるものが存在するが他国のCommunityと比べるとどこか弱い部分があると思う。それは「人の数」だろう。日本ではiGEMチームが中国、台湾に比べて多くはない。ではどのようにしてiGEMチームを増やすべきだろうか?
ここでは、その国のあるチームが「後輩が憧れて後々に続くような」結果を残し、それに続くような形で多くの人がiGEMと関わるようになることを期待したい。中国や台湾の強さの秘訣はお金や大学が多いのはあるが、1番はここにあると僕は思う。幸い今の日本はチャンスである。昨年のJapan Unitedの活躍で一層iGEM熱が高まってきているのは確かだろう。このタイミングを生かしながら、我々はこの日本チーム全体のiGEM熱をさらに高めていくような結果が残せると日本はいよいよiGEM強豪国となるのだろう。
(井上)


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