Weekly iGEM〜DNA工学の基本、BioBrick・Gibson Assemblyをつまみ食い!〜
DNA工学、それは合成生物学の基礎となる重要な技術である。今回はその基本を、僕が去年生物の授業で扱った内容を基にしてまとめていく。
1. DNAをつくる?
ご存知、DNA。核酸の一つで生物学上で最もpopularな分子なのではないだろうか?DNAはデオキシリボース、リン酸、そして4種類の塩基(A,T,C,G)から構成され二重らせん構造を形成していることは言うまでもないだろう。そんなDNAをつくる研究は古くから行われてきた。その技術こそが、DNAアセンブリというプロセスであり、遺伝子を組み換えてしまうアプローチだ。この方法を用いて作成されたDNAはrDNA(recombinant DNA、組み換えDNA)と呼ばれる。
そして、rDNAはプラスミドを利用して細胞中に組み込まれる(クローニング)。アセンブリに必要なDNA断片はPCR法を用いて合成される。ここでは95℃→60℃→72℃という風に温度を変化して行う。まず塩基間の水素結合を切断し、その後プライマーをヌクレオチドに結合させ、そのヌクレオチドを合成するといった手順である。
2. どうアセンブリするか?
この章では、どのようにプラスミドにお望みの遺伝子を組み込むかというアセンブリの手法を解説していく。主な手法は以下の通り。
α バイオブリック・アセンブリ
β ギブソン・アセンブリ
αは、制限酵素を使ってプラスミドの中の組み込みたい領域の遺伝子を切断し、そこにお望みのDNA断片をDNAリガーゼで、組み込むやり方である。
ただしこのやり方では多くのDNA断片を一度にアセンブリできないのがデメリット。
そんな時に困ったあなたにお薦めなのが、ギブソン・アセンブリ!!えーこちらは、エキソヌクレアーゼという酵素を使い各DNA断片の一方を短くし、アセンブリしていきます。制限酵素やDNAリガーゼがいらないのも利点の一つですね。
気になるお値段!なんとバイオブリック・アセンブリよりも安いです。確かに多くの断片をPCRで作る必要があるのですが、制限酵素の分が浮くのが大きい!是非導入のご検討を!以上、ジャ〇ネット井上がお送りしました。
3,まとめ
今回はDNAアセンブリのやり方やPCR法を述べてきた。(少しふざけたが…)DNA工学の基礎が少しでも分かっていただけたら幸いだ。次回はこのプラスミドをどのように細胞にクローニングするかについてやっていこうと思う。(井上翔也)
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