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【港区南麻布】在日韓人歴史資料館を見学する

2017.10.27 
初出Jugemブログ『西雑司が谷遠足同好会日誌』異界洋香奈

井苅和斗志(いがりかずとし)…自衛隊を辞した後に転職を繰り返し現在は運送会社勤務。自称右翼。
青江麻央(あおえまお)…短大卒業後は職を転々とし主に派遣で生活している。井苅のことを『師匠』と慕っている。自称革命家。


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「おう、俺だけど元気か?」
「あ、師匠。どうも御無沙汰振りですう…」
「いま電話大丈夫か?」
「大丈夫ですけど何ですこんな遅くに…」
「いやあ、今日な、帰還兵くんと一緒に在日韓人歴史資料館を見学してきてだな」
「かんじん?…」
「ああ、韓国人。韓国中央会館別館って韓国大使館に近い場所にある建物内に“在日”に関する資料館があるんだ」
「へえー、でも在日って言うと韓国朝鮮人とかコリアンとか言うと思いますけどなんで韓人?…」
「在日大韓民国民団関連の施設だからな。基本的に南朝鮮視点からの歴史観だ」
「それでなにがあるんです?…」
「これがまた見応えがあってだな、併合後半島から日本に“連行”されてきた人たちの生活とか政治運動や民族教育とか芸術文化活動とか、とにかく資料がいっぱいでな」
「それはきょうみ深いですね…」
「本当に凄いぞ。彼らの苦悩が刻まれた歴史だ」
「にほんじんはひどいことしましたから日本国民は歴史を直視する義務があるのかも…」
「いやその通りなんだかその一方でこの資料館なかなか別の意味でいちいちつっこみどころが満載でな」
「は?…」
「あまりに被害者意識が強くてなあ」
「え?被害者じゃないですかっ…」
「そりゃ鮮人が被害者だってことはもちろんだよ。しかしそれに囚われ過ぎてて展示資料の説明文が矛盾だらけでそれが面白すぎて困る」
「師匠はふきんしんな人ですね…」
「先人の苦労に涙しつつ日帝の愚行に反省しつつ教訓を得つつのその上での現代南朝鮮人の歴史観を楽しませてもらってるんだ。不謹慎とは失礼な」

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「だいたい説明文の前半と後半で話が食い違ってるのが多いんだよ。無理やり日本へとか書いてるくせに日本語能力とかで渡航人数を制限したとか書いてたり、強制連行のはずなのに日本人は朝鮮人に家を貸したがらないので困ったとか書いてたり」
「やはり日本人はひどいですね。それのどこが…」
「だって変だろ?内地への渡航希望者が多いからこそ制限かけて人数を抑えたわけだし、強制連行だったら収容施設で管理下に置かれるはずだろ?なんで自分で家探ししてるんだよ」
「……」
「内地居住人口もうなぎ登りで増加して大戦末期に190万人超のピークを迎えてる。果たして当時の日帝にそれだけの人員を拘束し強制的に移動し管理する手段や能力があったのか大いに疑問だし」
「ほぼ自由意志とおっしゃりたいのです?…」
「もう意図的に嘘をついている、あるいは嘘を主張しなければならないとしか思えないね。これ本気で信じて主張してるとしたら彼らは救いようも無い」

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「いわゆる軍艦島で労働に従事してた鮮人に関する写真展が開かれててだな、これがまた面白かった」
「おもしろいと言うと誤解をまねきますよ…」
「鉱山労働は過酷らしいのは容易に想像できるんだが鮮人500名が強制労働に従事させられてたと言う」
「とんでもない話です。世界遺産とか浮かれてますが日本人は不の歴史もちょくししなければ…」
「農作業してたら警官が来て拘束されて軍艦島へ連行されて強制労働ってエピソードが紹介されている」
「その手の話多いですよね…」
「まず半島なのか内地なのかどこで拘束されたのか不明なんだよね。なんでうやむやにしてんだろね」
「……」
「俺もお前も予備自だからわかってると思うけど、訓練に際しては予め出頭命令書が郵送で届く。それと同様に徴兵や徴用だって何月何日の何時までにどこそこへ出頭せよとの命令書が届いてたはずだ。悪の日帝と言えども法治国家だからな、正当な手続きが行われないはずがない」
「確かにそれはそうですが…」
「警察が拘束に来るってことはこの人命令書を無視していた、もしくは出頭日時を失念していたとか、実は正しく配達が行われて無くて受け取って無かったとかその可能性があるんじゃねえのかな」
「はああ…日本政府の強制連行300名未満の主張ですか…」
「笑ったのがビデオで紹介されてた軍艦島から泳いで脱走した鮮人の話で、もう老人になったその人が当時の困難の連続をなんと日本語で語っている」「それは日帝しはいの決定的しょうこですよ…」
「驚いたことにこの老人その後半島に帰らずにそのまま日本で生活しちゃってる。もちろん取材地は日本国内。なんで帰国しねえんだよと」
「帰りたくても帰れない事情があ…」
「ケッサクだった写真の説明文があってそれでもう主張が破綻してしまってる。あまりに面白すぎるんで撮影禁止だったからメモしてしてきた」「ずいぶん熱心ですね…」
「ちょっと長いけど読み上げるぞ」
「どうぞ…」

『潮降り街のビルの商店街には食堂散髪屋市場淫売屋と朝鮮人の吉田が経営する飯場がありました。
吉田や日本人が経営する淫売屋には朝鮮人女性が大勢いたと言われますが、その数は明らかではありません。
朝鮮人坑夫たちを島にとどめるための方法として酒と女、賭博までさせて、使った金は吉田、飯場の親方が立て替え、朝鮮人坑夫の賃金から差し引きました』

なんですかその“朝鮮人の吉田”ってひと!まるで『賭博破戒録カイジ』の大槻班長じゃないですかあ!…」
「そう大槻班長のパワーアップバージョンみたいな奴が朝鮮人吉田だ。もうこうなると軍艦島が帝愛グループの地下王国にしか見えなくなってくる」「やっぱり強制労働じゃないですかあ!師匠の主張こそ破綻してますよう!…」
「まてまてそう早合点するな。俺は鮮人が一方的に被害者主張して日本国民に対し加害者認定してくる愚かさを嗤っているんであって、当時の日帝を擁護しているわけでも過失が無いとも言っていない」
「でもさっきまでむじゅんとか言ってあげあしとりしてたじゃないですかあ…」
「それは鮮人が“被害者は正義”を振りかざしてくるからだ。倭人同様日帝の敗戦国民のくせして戦勝国気取りは気に入らない。その主張ができるのは命がけで抗日闘争してた連中や北の抗日パルチザンくらいのものだろう。戦時体制日帝の縮図たる軍艦島で鮮人はあからさまに社会の構成員だ」
「……」
「まるで鮮人収容所みたいな印象を与えているがピーク時5000人超の労働者の内の鮮人は500人程度だ。大半は倭人でその連中の労働がお気楽だったとは考えられんだろ?」
「……」
「帝愛グループの地下王国の掟が鮮人にだけ適用されて倭人には適用されないとでも?そんなわけないだろう。等しく倭人も奴隷として使役されていたことだろう」
「日本人もがまんしてたんだから朝鮮人もがまんしろと?…」
「だからあ、そんなこと言ってねえだろうが。だからこそそこに倭人と鮮人が歴史認識を共有できる光明が見出せるはずなのにって話だよ!」
「だって日帝はカガイシャじゃないですかあ…」
「そう、加害者は帝国政府だ。そして被害者は帝国人民だ」
「はあ…」
「そもそも日本国政府がまともに責任を取らなかったことが間違いなんだよ。あげく“一億総懺悔”とか言い出して人民にも責任を押し付けやがって、過去の過ちの反省とかなんで下層民が国家の責任政府の責任を背負わされてるんだよ」
「でも当時はマスコミとか国民とか世論とかが戦争をあとおしして協力してえ…」
「下層民が国家の意思決定してたって言うのかよ。そんな出鱈目あるか」「……」
「要は人権問題であり労働問題だ。帝国人民は等しく被害者だった。帝国政府は適切な管理を行わなかった責を負う必要がある。即ち加害者である。そんな単純なフィクションを構築できなかった時点でこの国の支配層も鮮人同様まともじゃないってことだ」
「……」
「従軍慰安婦問題だってそうだろ。倭人慰安婦が居なかったとでも言うのかよ。そんなわけないだろ。誰が好き好んで淫売になるってんだ。人身売買とか騙されてとか無いわけないだろ。女性の人権問題として普遍性があるはずなのに日帝政府の責任のはずなのに日本人の責任にすり替えられて騒動になってるのはなぜなんだ?おかしいだろこんなの」
「……」
「すべては一般国民への補償や名誉の回復なんだがその点で倭人と鮮人で手を結べるはずなのに、それを阻みたい人たちが両国に少なからずいるとしか俺には思えないんだよ」
「やっぱり天皇が責任とらなかったのが問題だったんじゃ…」
「莫迦野郎。国体護持、即ち天皇制維持。天皇陛下は現人神だ」
「あいかわらず師匠は天皇主義なんですね…」
「当たり前だ。責任は臣下が負うからこそ神国日本は千代に八千代に存続する。」
「師匠はおかしいですね…」
「なんだよ失礼な」


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「ともかく、俺は一刻も早く在日が居なくなることを願っているわけだ」「なんか問題はつげん?…」
「いや、日本が嫌いならさっさと半島に帰ってほしいし、日本で暮らしたいのであれば帰化して日本国民になってほしい。日本は有史以前から移民の流入によって政治や文化が変化して歴史が動いてきたわけだからな、むしろ俺は歓迎なんだよ」
「民族主義じゃないんですね…」
「国民は天皇のもとに平等なのだ。朝鮮系日本人が居たっていいし望ましい。あともう一つの選択肢として難民扱いってのがある」
「ええ?難民だと制限がありすぎですよ…」
「仕方ないだろ。半島は北と南に分かれて停戦中と言えども未だ戦争は終わってないわけだし、大戦終結後に渡って来たり帰国したのにまた日本に戻った人もいる。そんな連中は難民として保護するのが人道的だろが」
「なんだか差別してるようにもきこえますけれどう…」
「差別じゃねえけどさ、俺は“在日と言うアイデンティティ”には同情すると同時に虫唾が走るんだ。これは日本国にも大いに問題があることはもちろんだが、さっさとこんなわけのわからない問題は解決したいんだよ」
「だから在日はほろぼさなけれはならない、と…」
「これは人権、人道、そして政治的思惑が絡んで一個人には手に負えないんだが、しかし倭人はこの歴史を真摯に受け止めねばならないんだ。たとえプロバガンダとは言っても全てが虚構ではない。一度は見学へ行くべきだよ」「なかなかきれいごとを…」
「おまえに言われたくないよ」

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(平成29.11.15)


 


 


 


 


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