9年経ってもまだきてない話(2015.11.5)

「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う」

そういえば、そんなフレーズあったなぁ。
なんてふと思い出しながら、
気がつけば汗だくになっていました。
試着室で。

苦手なことは山ほどありますが、
なかでも服を買うのが尋常じゃなく不得意。
びっくりするくらい何を着ても似合わない。
服を手にとっては試着して、
似合わなくて返す。
それを永遠に繰り返して、
結局何も買わずに帰るなんてこともしばしば。

そんなことばかりしていたら
手持ちの服が少なすぎて、
これから来たる冬を越せないばかりか、
秋すら越せない危険性を感じまして。
買いに行きましたよ、服を。
なんていうか、もう世間は冬でした。
かろうじて半袖着てる私。

気がつけば、
「ご試着した感じ、いかがですか?」
聞いてきた店員さんの前に、汗だくになって登場。
もう返すのも申し訳なくて、とりあえず
「か、買います」と言っている私がいた。
みごとに汗だくだった。11月に。
服を脱いだり着たりって、意外と体力使うんだなぁ。(みつを)

こんなことしてたらいつまでたっても
買えないばかりか、
汗だくになった服を全部買うはめになる。
もうこうなったら強行突破。
なんとなくマネキンが着てるやつを
ババッと掴んで試着もせずにレジに持って行きました。
サイズもSとかMとかいろいろ混ざってた。
なんていうか、
昔から参考書買っただけで満足しちゃうタイプで
今回も「買ったからオッケー」って、
ひと仕事終えた顔して帰宅。
やりきった。がんばった。

それから数日が過ぎ。
家には袋からも出されずに放置された服たち。
(何のために買ったのか)

正直怖かった。
着れるか確認するのが怖かった。
そう、服って安物でも
それなりの値段するんですよね。
参考書とはわけが違うんですよね。

でもさすがに買って袋から出さないのも
いよいよ意味が分からないので、
満を持して試着。(買った後に)
おそるおそる鏡に映してみました。

…。

……。

………患者?

何の患者かは分からないけど、
確実に何かしらを患ってた。
入院してた。

不思議と他のものを着ても
どこからか滲み出てくる患者感。
苦し紛れに一緒についてた、
ハイネックでノースリーブのニットを合わせたら
完全に首の骨を折った人だった。
患部が明確になった。

「なるほど」
そう思いながら、再び綺麗にたたんで
袋の中に詰め直す。
なんとなく、
私にはこれを着こなすのはまだ早いな。

そのうち、
「この冬は、ちょい病みガールがモテる!!」
みたいな特集が組まれた時に、
また袋をあけてみようと思います。

秋の陣、完敗。

2015.11.5

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