見出し画像

NOAHは新たなるステージへ

6月16日のNOAH横浜BUNTAIは様々な出来事が多かった。

まず注目だったNOAH、WWEによる重大発表は7月13日、日本武道館でAJスタイルズが参戦、丸藤正道と対戦する。自分はNOAHにも一度参戦していた中邑真輔が参戦して佐々木憂流迦と対戦すると呼んでいた。しかし日本でもお馴染みのAJスタイルズとは意外な人選、また丸藤との対戦とは驚いたとしか言いようがなかった。

なぜAJスタイルズの相手に丸藤なのかと、武田取締役によると「WWEユニバース(ファン)はWWEの世界観を壊してほしくないだろうし、WWEの日本公演とかもパッケージで来るものだけど、WWEで発信するものと別で日本のファンが夢として見られる選手といえば中邑真輔の次はAJですよね」「1択という感じでした。アメリカで名が知られているノアのレスラーといったら丸藤選手でしょう。ジャパニーズレジェンドですから。向こうでも(ノアの)PPVがあることも関係していると思います」

NOAHとWWEの関係の強化にあたっては、WWEファンから反発も多く、人選にもNOAHを気を使った、それで選ばれたのは新日本プロレスにも参戦してお馴染みのAJスタイルズと、アメリカでも知られる存在である丸藤、まさに妥当な人選だと思う。おそらくだがビックマッチの時はABEMAを通じて、WWEの選手が送られる機会が増えると見ていいだろう。

そしてメインイベントのGHCヘビー級選手権、清宮海斗vsゲイブ・キッド、開始から細かい技の攻防ではなく、ケンカ腰の試合、ゲイブがラフファイトを仕掛ければ、清宮もやり返す、まさに目には目を歯には歯を、場外戦もハードコアデスマッチを見ているようだった。

後半からは清宮も流血すれば、ゲイブも流血するも、ゲイブは脳天からの出血なのか、血の量が激しい、それでもゲイブは暴れることをやめない、まさに狂犬、その狂犬ぶりも柴田勝頼を見ているようだった。その狂犬ぶりまで清宮が引き出して、三角飛び~後頭部~変型シャイニングウィザードの3段攻撃で降して勝利を押さえたが、普段のNOAHと違う試合にもかかわらず、清宮は制して見せた。

今の清宮はNOAHの立派なエースになったが、敗れたゲイブも敗れてもなお自分の脚で立って帰ろうとする姿は、新日本プロレスで育ったレスラーの意地を見せるようだった。タッグパートナーであるアレックス・コグリンの退団でゲイブは独り立ちを余儀なくされたが、この半年間でインパクトを残した。今のゲイブはWARDOGSのリーダーであるデビット・フィンレーも押しのけるぐらいの勢いは十分にある。将来が楽しみなレスラーの一人だ。

そして最後の出来事は、締めくくろうとした清宮に稲村愛輝改めYOICHIが現われた。YOICHIはカベにぶち当たってスランプに陥り、昨年9月からイギリスPROGRESSWrestlingへ武者修行に出ていた、その修行のかいもあって肉体改造にも成功、パワーだけでなくスピードまでつけてきたのだ。

YOICHIは今まで先輩だった清宮に”さん”づけではなく、呼び捨てにして、清宮の掲げる革命は生ぬるいと言い放って無双でKO、今のYOICHIは以前のような迷いがない。

今のNOAHは上昇させるためには、まだまだ”パズルのピース”が足りない、その一つが清宮のライバルになりうる存在、新日本プロレスでは高橋ヒロムとエル・デスペラード、昔で言えば藤波辰爾と長州力、ジャンボ鶴田と天龍源一郎、三沢光晴と川田利明のようにライバルが戦い切磋琢磨することで団体も盛り上げていった。今のYOICHIはまさに、清宮のライバルとしてがうってつけの存在になった。

その清宮vsYOICHIはNOAH7月13日の日本武道館のメインに丸藤vsAJスタイルズを押しのけて抜擢した。清宮をKOしたYOICHIにブーイングどころか、支持する声援が起きたことで、NOAHもこれはいけると判断した、いやこれを待っていたのではと思う。これまでのNOAHは将来というものをなかなか見せることが出来なかった。YOICHIにも声援が起きたことで、NOAHにとってやっと将来を見せることが出来る機会が来たのだ。

またジェイク・リーがこれまで率いてきたGLGを解散することを発表したが、G1 CLIMAX34への参戦が決まったことで、ジェイクがNOAHから離れるのではと憶測が出ている。だがNOAHは新しいステージへと向かっていることは確かのようだ。清宮とYOICHI、WWE、それがNOAHを導いていくのか…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?