WWEはメジャーリーグのプロレス、NOAH日本武道館を振り返る
7月13日 NOAH日本武道館大会 ABEMA PPVで視聴したが、内容的にも大成功と言える大会だった。
観客動員は5月6日のALL TOGEHERより若干上回ることが出来たが、最前列から鉄柵の距離までかなりあることが話題となり、ファンからも疑問の声が起きていた。
これは後でわかったことだが、NOAHの武田取締役よると「日本武道館は鉄柵から最前列まで6m離さないといけないルールがあります」という規定が定められていたという。これはファンも知らなかったことだが、新日本プロレスも例外ではなく、このルールに従って興行をしているという。昭和、平成のプロレスにおける武道館興行は10000~160000人が入って当たり前だったが、こういう規定が定められたことで、10000人台の動員は難しくなっているのかもしれない。
そして注目の一戦である丸藤正道vsAJスタイルズの一戦は、改めてWWEのレベルの高さというものを痛感し、まさにメジャーリーグのプロレスを堪能させた試合だった、同日にマリーゴールド両国大会ではIYO SKYvs林下詩美が行われていたが、IYOのレベルの高いプロレスの前に詩美がリードを奪えないまま完敗を喫したのに対し、丸藤はAJ相手に互角に渡り合って好勝負を展開、試合はAJのスタイルズクラッシュに敗れてしまったが、メジャーリーガー相手に互角に渡り合った丸藤の凄さを改めて感じさせた試合だった。
当初はNOAHのプロレスにエンタメのWWEが合うわけがないという声もあったが、WWEはエンタメ&キャラプロレスという偏った視点では見てはいけない、試合内容もしっかり見なければならないことを改めて痛感、AJとIYOはこれが本当のWWEのプロレスなんだというものを日本のファンに見せつけた。
メインイベントのGHCヘビー級選手権、清宮海斗vsYOICHIは、YOICHIの一発一発重みのあるプロレスで清宮も序盤は防戦一方だったが、一度リードを奪うと清宮ペースとなり、最後も「勢いで取れるほど甘くないぞ」というもの十分に見せつけた上で勝利となった。
YOICHIはリングネームは稲村愛輝に戻すことで賛否が出ているが、自分は清宮に挑戦する時点でYOICHIの海外武者修行は終わり、稲村に戻ってゼロからGHCヘビー級王座を目指す意味だと受け取っている。リングネームは変わるが、基本的なことは変わらず、海外で得た成果はそのまま出せばいい、それにエントリーが決まったN-1では拳王や征矢学、イホ・デル・ドクトルワグナーJrもエントリーしている。本当の真価が問われるのはこれからかもしれない。
試合後もN-1 VICTORY出場者を清宮が呼び出し包囲網が敷かれたが、NOAHはまさしく清宮中心になった証でもあり、清宮はまさに団体の顔の一人となったことを現わしていた。
武道館ではジェイク・リーがGLGを解散し、現れた外道の誘いでBULLET CLUB・WARDOGS入りを果たし、NOAHにグッドバイしたが、これはジェイクが新日本プロレスへ主戦場を移すことを現わしていたと思う。ジェイクが昨年1月に全日本プロレスからNOAHへ主戦場を移し、舵取りをして中心となったが、このタイミングでNOAHからグットバイしたのは、これからのNOAHは清宮が中心になる。だから自分の役目は終わった、後のことは清宮に託して、新しい戦場へ向かう、それがジェイクの出した選択だと思う。
そして潮崎豪vs齋藤彰俊の世界ヘビー級選手権は、潮崎がエメラルドフロウジョンからの豪腕ラリアットで3カウントを奪い、王座を奪取したが、試合後に彰俊が引退を表明した。
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