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伊賀プロレス通信 note版

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伊賀プロレス通信のnote版、普段のHPの更新と違って思ったことを書きます
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2024年3月の記事一覧

未完成の三冠王者

全日本プロレス「ドリームパワーシリーズ2024」最終戦、3月30日、大田区総合体育館で三冠ヘビー級選手権が行われ、挑戦者の安齋勇馬が王者である中嶋勝彦をジャーマンスープレックスホールドで破り新王者となり、デビューしてデビューして1年半足らず、24歳10か月と最年少での戴冠となった。 だが肝心の試合内容では中嶋を上回ったものではなく、安齋も最初こそは先手必勝と勢いよく攻めていったが、中嶋のローキックや右腕攻めの前に失速、中嶋ペースで試合が進み、胴絞めスリーパーで完全にグロッキ

本物のプロレスって何?

元の投稿は何なのかわからないが、「今の新日本プロレスはニセモノのプロレスでそれを作ったブシロードは罪」という文章を見かけた。 おそらくアントニオ猪木の新日本プロレスこそ本物のプロレスで、現在の新日本プロレスがやっているプロレスは偽物と言いたいのであろうか? 思い出すのは1980年代に新UWFが一大ムーブメントとなった時に、UWFのプロレスこそが本当のプロレスだと言われたことがあった。 だが、それに異を唱えたのは全日本プロレスのジャイアント馬場さんだった、「プロレスには全

リアルとエンターテイメントのカクテル

NEW JAPAN CUP2024優勝決定戦の辻陽太vs後藤洋央紀戦のことで、こういう書き込みがあった 「全てブック通り」 なぜそういうことを聞くのかと尋ねたら 「選手がブック通りに試合をするんだからさ。とは言え、プロレスにブックが有るとは言えないでしょうよ。 場外へ飛ぶ時、何故下にいる選手は両手を広げて受け止めるの?本気の勝負なら、ギリギリまでその場に留まり、ぶつかるチョイ手前で避けるでしょうよ?」 と返事がきた。 そもそもブックなんて業界用語はなく、台本通りにして

想いと覚悟

新日本プロレスの春の本場所「NEW JAPAN CUP 2024」は辻陽太が後藤洋央紀を破り優勝を果たした。 優勝決定戦当日は後藤の優勝を願っていたファンが多かったと思う。このところYOSHI-HASHIとの毘沙門でタッグ中心となっていた後藤が優勝決定戦に進出するのは8年ぶり、春男と言われ3度優勝していたが、優勝からも12年も遠ざかっている。優勝すればIWGP世界ヘビー級王座へも挑戦できることから、キャリア的にも後藤にとってラストチャンスだと思って優勝決定戦に臨んだと思う。

ジュリア、林下詩美、MIRAI、桜井まい、弓月が3月をもってスターダムを退団へ

東京スポーツによると、3月いっぱいをもってジュリア、林下詩美、MIRAI、桜井まい、弓月の5選手がスターダムを退団しロッシー小川氏の旗揚げする新団体に参加が有力視されていることが報じられた。詩美以下4選手は既に4月以降はスターダムには参戦せず、契約満了で退団する意向だという。 詩美は上谷沙弥のAphroditEで現在ゴッテス・オブ・スターダムを保持していたが12月29日の防衛戦後に「私は次の新しい夢に進みます」と周囲にコメントしてからは防衛戦を行っておらず、20日の名古屋大

DDTで異質だったMAOvs正田壮史

3月17日、DDT後楽園ホール「Judgement2024〜旗揚げ27周年記念大会5時間スペシャル〜」の第11試合で王者・MAOvs挑戦者・正田壮史によるDDTUNIVERSAL選手権が行われた。 試合は後入場のMAOがリングアナのコールを受けてアピールしたところで、正田がミサイルキックで奇襲をかけ、レフェリーの制止を振り切ってストンピング、サッカーボールキック、ビックブーツを浴びせるが、MAOはレフェリーを利用したRKOで反撃して、開始のゴングを要請する。 MAOはランニ

欠席裁判

ディアナ女子プロレス所属選手の試合中に性的な部分を強調する画像を撮影しインターネット上へのアップロードを執拗に繰り返された件の裁判が、3月13日に行われた。 しかし、 被告の推され隊は出廷せず、裁判は5分で閉廷となって、次回も出廷しなければ、欠席裁判となって、結審となるという。 民法では「民事裁判では、被告は裁判への出席を強制されず、欠席によって罰金といった刑事罰が課されることもありません。 ただし、相手方(訴えを提起した者)の主張した事実に対して、最初の裁判の日までに

なぜオカダ・カズチカがAEWを選んだのか?

3月7日、AEW Dynamiteで1月をもって新日本プロレスを退団し去就が注目されていたオカダ・カズチカが登場した。 リング内ではマット・ジャクソン、ニック・ジャクソンのヤングバックスが、THE ELITEのメンバーであるハングマン・ペイジを無期限出場停止、リーダー格だったケニー・オメガを追放を宣言したところで、抗議しに来たエディ・キングストンをヤングバックスが袋叩き、そこでオカダが現われてエディを救出かと思ったら、エディをレインメーカーでKOし、THE ELITE入りと

¥200〜
割引あり

白覆面や神様より頼るべきは現場

今年1月3日に行われた全日本プロレスの新春ジャイアントシリーズでの三冠ヘビー級王座戦でNXTスーパースターで現ヘリテージカップ王者チャーリー・デンプシーに勝利した中嶋勝彦は試合後、三冠ヘビー級王座をNXTに持っていくと発言していたことを以前ニュースでお伝えしました。 しかし、マンスリー・プロレス(Monthly Proresu)はWWEが中嶋に興味を持っていおらず、デンプシーとの試合は期待に応えるものではなかったと報じました。 マンスリー・プロレスは全日本は中嶋をフリーラ

スティングと日本プロレス界

3月3日 アメリカプロレスで長らくトップを張ってきたスティングがAEWノースカロライナ州グリーンズボロ・コロシアムで引退することになった。ノースカロライナ州はかつてジム・クロケット・プロモーションがあった場所、スティングは敢えてその場所でプロレス人生に幕を下ろす スティングの存在が知られるようになったのは1988年、WCWを主戦場にしていたスティングがグレート・ムタとの抗争を繰り広げていたが、そういった意味では日本で知られるようになったのは、ムタのおかげなのかもしれない。

ZERO1とREAL ZERO1

3月3日、後楽園ホールにてZERO1旗揚げ23周年記念大会が開催された。しかし、そこから聞こえるのは「23周年記念大会と言いながら、これまでZERO1を支えてきたベテラン勢を出場させないというのは納得できない。 失礼すぎるでしょう。それなら周年記念とか言わないで欲しい」という声で、カードを見ても本来なら出場すべき田中将斗や久保田ブラザーズなどのベテラン勢の名前が入っていなかった。 現在のZERO1は若手勢が栃木プロレス、ベテラン勢がREAL ZERO1と別れており、それぞれ