メタバースの価値とは
皆様いかがお過ごしでしょうか。音楽家/イラストレーターのイガなおです。
最近、サクガンというアニメにハマっております。親子で乗るロボットって今まであんまりなかったですよね。やっぱり最高っすね、親子愛。
さて、今日はメタバースについて考えたことを書き連ねるよ。
「結局メタバースの正体ってなんやねん」というお話です。
今ホットな話題であるものの、「なにがそんなに価値があるの?」という方も多いと思うので、頭の整理の参考にはなるかと思います。
今の世間の定義だと、メタバースは「アバターを介して入れる仮想空間」のことを指しています。今振り返ってみると、一昔前に流行った「モバゲー」もメタバース空間だったんですね(ちなみに僕の家は高校生まで携帯禁止だったので、友達がモバゲーで画面の向こうの女の子といちゃいちゃしている様を横で指を加えて見ていました)。
語源は、SF作家のニール・スティーヴンスンによる「スノウ・クラッシュ」にて、作中で登場したのが始まりのようです。いつの時代も、技術革新のもとになるのは、フィクション(想像)ですね。
今、いろんな企業がメタバース空間(「Decentraland」や「The Sandboxなど)の「土地」を買いに動いており、それに伴い、有名企業が買った土地の周辺は他よりも地価が上がっていっています。
要するにオフライン(現実世界)と同じことが起きています。
企業がメタバースの「土地」を抑える理由はいくつかあるかと思いますが、一番の目的は「広告」でしょう。
従来のネット広告は、基本的には「検索」されなければ消費者と売り手が出会うことはありませんでした。(バナー広告やYoutube等の動画広告などもありますが、Youtubeプレミアの機能に「広告非表示」があるように、世間の認識は「広告は邪魔なもの」なので、「検索」以外のネット広告効果はあまり高くないんじゃないかと思います。)
一方、オフラインでは、実店舗や広告看板は「検索」せずとも否応無しに消費者の目に飛び込んできます。つまり「その場にいる人」に対しては、オンラインよりもオフラインのほうが広告効果が高いんですね。
これと同じことが、VR技術の発達したメタバース空間において可能になる、ということだと思います。
オンラインの価値がもともとなんだったかというと、「離れている人同士を繋げる」ことなので、地方にいる人でも『仮想の実店舗』に足を運べるようになります。
つまり、メタバースの価値は『オンライン広告のオフライン化』です。
これを踏まえると、メタバースが担保すべき特性は、以下になるんじゃないかな。
①メタバースに消費者が来る理由をつくる
→ゲーム性、フィクション性などをもたせる
②メタバース内でのコミュニケーション(接客)がリアルに感じれるようにする
→ゲーム内での行為が現実世界に何らかの影響を与えるようにする
①のためには、3DCG技術をもっと高めたり、わくわくするようなVR空間(ファンタジー的な?)を作ればいい。
②は、メタバース内で「客引き」や「接客」をするとき(服屋でよくある「どちらをお探しですか〜?」みたいなやつのことです)の想定で、コミュニケーションがリアルに感じられないと、普通にスルーされてしまう、なんてことがありそうですよね。
ここの解決策は、「ゲーム内で攻撃されると現実世界の身体に痛みが発生する」や「お金が減る」がいいと思います。
現実世界の「客引き」にあんまりひどい態度を取れないのって、「(粗雑に扱いすぎると、最悪このあんちゃんキレて殴りかかってくるかもな。。)」というリスク回避を無意識にしてるからだと思っていて、この現象をメタバース内で起こすには、『リアルな危険性』を持たせればいいんじゃね、という考えです(ちょっと物騒なこと言ってます)。
メタバーをテーマにした「ソードアートオンライン」というアニメ作品があります。
作中では主人公たちがメタバース空間からログアウト出来なくなり、「メタバース内で死ぬと現実の身体も死ぬ」という設定で物語が進みます。
これは上述の『リアルな危険性』をもたせることで、メタバース空間内でのコミュニケーションをよりリアルなものにしている、という見方もできるな、と僕は思いました(ちなみに作品自体はめちゃおすすめ!)。
メタバースに限らず、生を実感するには(リアルに感じるには)「身体性」はめちゃくちゃ重要だよなあ、と改めて思ったイガなおでした。
VR技術がどこまで発達するかは分かりませんが、リアルの身体性同等の解像度にするのはまだ難しいので、「現実世界の大部分がメタバースに置き換わる」、なんてのはまだまだ先の話になると思います。
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