『土葬の村』を読みました

私が生まれ育った伊賀上野の、少なくとも私が育った地区は、平成の初めのころまで土葬でした。私も曾祖母らを土葬で見送りましたので、土葬を記憶しています。

そんな話をすると、たいていの人に驚かれるので、私が育ったところはよほど特殊な田舎なのだろうかと思っていましたが、この本を読んで、そうでもないことや、その土地土地の風習を知り、記録の大切さを感じました。

また、改めて自分の育った地区の風習を思い出したり、土葬に対する自分の思いを整理するのによい機会となりました。

今では、東京で暮らした時間のほうが、伊賀で暮らした時間よりはるかに長いのに、いまだに、自分をイガモノと思うのは、伊賀の風習や風景が自分の中に色濃く根付いているからだと思います。両方、好きな場所なのですが、伊賀ってなんか濃いんですよね。令和の今、伊賀の土地に立っても、奈良時代を感じるというか。。。例えば古今和歌集を読んでその風景がリアルに感じられるというか。。。伊賀はそういうところです。

土葬が、その土地の濃い空気をつくる一因になっているかはわからないのですが、『土葬の村』を読んで、故郷を感じたのでした。形を変えていく、或いは失われていく風習を記録しておくことって大事ですね。

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