最強の怒りを抑えるカード「無知のヴェーール」

私なんぞは「怒りなんていらない。むしろ必要なのは夜中に宅配ピザを頼む勇気だ」と思っていますが、それでも人は怒りを抑えることば難しい模様。

そしたら「じゃあ、抑え込んでいないで発散でもさせたらいいじゃないか」と思うわけだがそういうと、「そんなんで収まってたら苦労しない!」と槍の雨が飛んでくる始末。

はてさてこれは一体どうしたものかと思うわけだが、そんな時にとっておきのカードを私は皆さんに進ぜようと思う。

それがジョン・ロールズという哲学者が考案した「無知のヴェール」だ。

簡単に説明するとこの「無知のヴェール」というものは「お互い全くの目隠しの状態になり自分が何者かわからないと仮定した時にあらゆる物事を中立的に鑑みることができる」というもの。

真っ暗で自分が何者かもわからない状態とする。自分は貧しい立場の人間かもしれないし、幼児や老人、女性などといった力の弱い存在かもしれない。逆に大富豪だったり超著名なプロ野球選手という可能性もあるとする。そうした時に例えば、「核兵器は是か否か」、「社会保障制度は手厚くするべきか」、「バリアフリーは積極的に導入するべきか」といった議論が初めて正当になし得るというのがロールズの主張である。

先ほども述べたように自分は弱い立場の人間である可能性があるのだ。

もしそのような立場で「社会保険なんていらない!」などと発すれば泣くのは自分になる。

ロールズの正義論「無知のヴェール」は極めて公平だ。相手の立場に立って考えることができる。なぜなら自分がまさにその立場にあるかもしれないからだ。

怒りで我を忘れそうになる時あなたも是非このロールズの「無知のヴェール」を使って欲しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?