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『C'MON C'MON』 親と子も人と人 vol.906
久しぶりに映画についての感想を書こうと思います。
見た映画はやはりこうやって文字に起こさないと忘れがちですね。
どこか受動的にみることになるから記憶にも残りにくくなります。
こうやって何かを書き記すというふうに、みるだけで終わらない鑑賞を心がけたいものです。
それはともかく、今回は映画『C'MON C'MON』を観ました。
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ニューヨークでひとり暮らしをしていたラジオジャーナリストのジョニーは、妹から頼まれて9歳の甥ジェシーの面倒を数日間みることになり、ロサンゼルスの妹の家で甥っ子との共同生活が始まる。好奇心旺盛なジェシーは、疑問に思うことを次々とストレートに投げかけてきてジョニーを困らせるが、その一方でジョニーの仕事や録音機材にも興味を示してくる。それをきっかけに次第に距離を縮めていく2人。仕事のためニューヨークに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが……。
俳優さんの笑い方が、ジョーカーの役にしか感じられなかったのですが、中身としては色々と考えさせられる映画でした。
え、これでそのまま終わり?
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この映画の最初に見ながら感じていた感想は、「暇だな〜」でした。
そして最後に近づいても別に特段盛り上がりを見せる場面もなく、そのまま終わっていきます。
そう、この映画はある家族の日常を描いただけの話なのです。
それをモノクロで写していることに意味があるのかもしれませんが、どこにでもありそうな家族のある出来事を観ているだけ。
だから、別に面白いとかハラハラドキドキ、ワクワクといった感情も出てきづらい部分があります。
それでもなんだか引き込まれる感覚、妙に観ていないといけないという気持ちにさせられる感覚。
これは不思議なものでした。
理解しているという思い込みと、人と人の関わり
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どうしても知らない間柄でも、大人と子どもとが一緒にいると、大人は子どものことを分かった気になってしまいます。
この映画でもジョニーはたびたびジェシーの行動に対して驚かされたり、感情を揺さぶられたりしています。
分かった気になって接していても実は互いに分かりきってはいない。
それも当然、家族や親戚とはいえあなたは自分ではなく、自分はあなたではないのだから。
いま、自分の持っているこの意識は自分だけのものであって相手には何一つ干渉する術がない。
逆もまた然り。
だけれどもそんな中でゆっくりと時間をかけて自分を理解して、相手を理解していくから人間関係は面白い。
この映画は、ただの親子や親戚の人間関係を描いているのではなく、人と人のつながりについても描いているように感じました。
出会いと別れと、そして出会い
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短い時間ではありましたが、濃密な時間を過ごした2人には別れの時がやってきます。
当然、最初からいつかは離れることになると分かりきっての生活だったため、想像していないわけではなかったはずです。
それでも、2人はその感情を表現するのが苦手で難しかったのかもしれません。
木々の中で2人が別れに対する感情を爆発させる部分は心が揺れました。
私たちの関係もいつも必ず別れがありきでつながっています。
どんなに固く結ばれていようとも、死というものからは避けられません。
でも、だからこそ毎日が輝いて見えるのかもしれません。
そんな日常の人のつながりの温かさを感じる映画でした。