無色透名祭のきくお曲考察

前置き

今年の7/28~7/31の間、ニコニコ動画にて、参加者全員が「白背景に黒文字歌詞の動画」で「匿名」で音楽を投稿する「無色透名祭」が開催されました。https://site.nicovideo.jp/mushokutomeisai/


このイベントにおいて参加者(投稿者)はイベント終了後に作者名を公開するか非公開にするかを事前に決めることができましたが、そこでボカロPであるきくおさんはTwitterにて、作者名非公開で新曲を2曲投稿したと表明されました。

匿名の約3000曲の中から「普段とはかなり違う作風」の2曲を探すというのはかなり厳しい状況でしたが、私なりに探してみた結果、きくおさんの曲だとほぼ確信できる2曲を見つけることができました。
元々はある個人の方に送った文章を少し編集しただけですが、その2曲について、きくおさんの曲である根拠とともに以下に記します。
きくおさん本人のPIXIV FANBOXでの記事(→こちら)に書かれているヒントなども大いに参考にしています。まだ読んでない方はまずこちらの記事から読むことをおすすめします。

本題

まず、そのきくおさんのものと思われる2曲はこちらです↓
https://nico.ms/so40799346
https://nico.ms/so40820003

見つけた経緯としては、「ローディーローディー」はある人がTwitterで「これきくおっぽい」的なことを呟いていたことで知り、「ファラファラファララウェイ」はまたある人が「これローディーローディーと同じ作者だ」的なことを呟いていたことで知りました。
それでは以下にそれぞれの根拠を示します。

まず「ローディーローディー」はACE Studioという中国の音声合成ソフトの绮萱というボーカリストを使用していますが、Twitterにて過去にきくおさんがこちらのソフトとこのボーカルに興味を示すツイートをこちらのツリーの中でしています。

このボーカルは元々中国語しか歌えないのですが、きくおさんはこのボーカルで日本語が歌えるのが理想だという趣旨のツイートをしており、またこのライブラリを使用したきくおさん自身の楽曲のカバーについてカタコトなのが惜しいといったツイートもしています。これらが今年の5月のことであり、きくおさんが今回の無色透名祭という機会を利用して実験的にこのボーカルに日本語を歌わせようとしても何ら不自然ではありません。何より、透名祭の参加申込みの締め切りが7月19日だったのに対しACE Studioは7月12日にβ版がリリースされたばかりで、きくおさんはそのアナウンスのツイートにもいいねをしています(きくおさんのいいね欄を参照)。そこからも、このタイミングでわざわざACE Studioの绮萱を使用する(しかも日本語で)のはきくおさんであると考えても不自然ではないでしょう。

曲も確かに作風こそは若干違えど(そもそも新曲の度に変わってますが…)、きくおさん的なサウンドの要素・クオリティは確かにあり、例えば最近の「幽体離脱」のように80年代の音楽のようなキック・スネアに曲の重心が置かれています。また曲の1:27あたりに入ってくるギターは「ナイフ、ナイフ、ナイフ」に出てくるような打ち込みギターです。繰り返しのメロディや歌詞が多いことも「幽体離脱」と共通し、最近のきくおさんらしさが見られます。そもそもきくおファンの方なら曲全体の音色や旋律や歌詞の「きくおらしさ」には首肯していただけると思います。

次に「ファラファラファララウェイ」ですが、こちらはSynthesizer Vを使用しています。こちらのソフトも過去にきくおさんがこちらのツリーにて非常に興味を示しています。
Synthesizer Vについても、きくおさんはこのソフトがどれほど使えるものなのか実験的な意味も込めて使用したのではないでしょうか。普段は主に初音ミクを楽曲に使用しているきくおさんですが、冒険精神旺盛な方なので別の音声合成ソフトに手を出しても一ファンである私としては全く違和感がありません。
また、こちらのツリーではSynthesizer Vにいかに流暢に日本語を歌わせるかの手段を得ています。この機能を使用したのではないかと思われます。

曲はこちらも80年代風のキック・スネアで固められています。ローディーローディーよりも80年代的な匂いが強く、fanboxにて「文脈ありきのもの」と言っていたのは特にこちらの曲のことだと思われます。そして「4日目にたったひとりの文脈完全理解反応があった」のはこちらのツイートのことではないかと思われます。しっかり4日目です。(このツイートをしている方がまさに、きくおさんの発表した無色透名祭の曲の総括の刺さった部門の「ポストずんだロックなのだ」の作者であるのもなかなか面白いですね。)

また「ローディーローディー」と「ファラファラファララウェイ」の2曲を比べても、作者が同じ人でも全くおかしくないサウンドで、どちらもイベント後も作者名非公開です。曲の途中で音の位相を極端に左右に振っている箇所がある点でも共通しますし、動画も最初の方の画質が異常にバグってる部分で共通します。また2つの動画でサムネの有無(デフォルトか否か)が違いますが、これはサムネの有無で曲の伸びに影響があるのか実験したのではないかと私は想像しています。
また、今では再生回数がいきなり増えましたが、今日の夕方あたりの時点ではローディーローディーは600再生前半程度、ファラファラファララウェイは500再生後半程度の再生回数でしたので(スクショなどはありません、すみません💦)、こちらのツイート内容と合致します。

以上のことから「ローディーローディー」と「ファラファラファララウェイ」がきくおさんの2曲であるとほぼ確実に言えるのではないでしょうか。
散文を失礼しましたっ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?