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歳重

薄く。花びらのように、白雪のように。たくさんのものが積もって、重なりながら繋がって、ちぎれて、埋もれて、養分となって、礎となっていく。
降って来たときに質量のなかったそれが、培って、培われて、ちいさな質量となっている。絡みあって、もう易しくはほどけない部分がある。もう、私を離せない。
歳を重ねるとは、いつのまにか、色をつくり、音をつくり、薫りをつくり、言葉をつくり、感動に鼓動をし、辞書を編んで、眼鏡をかけ、世界をつくることだ。

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