【書評】『13歳からのアート思考(ダイヤモンド社)』 末永幸歩
話題の企画展で絵画を鑑賞した気分になり、
〜中略〜
仕事や日常でも何かを選択・決断した気分になっている。
しかし、そこに「自分なりの視点」は本当にあるでしょうか?
これは“一次情報かどうか”だということだと思います。
近年ではインターネットの普及で
その場に行かずとも疑似体験をできる機会が増えています。
つまり、
二次情報や三次情報にあふれているということです。
「何かを選択・決断した気分になっている」
という言葉からもこのことが伺えます。
世間一般で言う“成功している人”、
簡単に言うと本を出版しているような人は皆
「実際に現場に行ってみろ」
というようなことを言います。
この引用文のように
実際に現場に足を運んで、「自分なりの視点」を持つことが
大事なんだと改めて感じました。
またその効果が感じられなくとも、
こういった意識を持つことから始めることも大事なのかもしれません。
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①「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
②「自分なりの答え」を生み出し、
③それによって「新たな問い」を生み出す
日々の生活の中で
①・②を実践している人は意外といるかと思いますが、
③の「新たな問いを生み出す」というのは、
シンプルですができていない・やっていない人が多いと思います。
個人的な意見ですが、
頭の良い人は物事の「なぜ」を追求すると思います。
「1+1」が「2」になるのはなぜか。
人が生きるのはなぜか。
そうした世の中にごく普通に存在するもに対して
疑いの目を向けてみることで
自ら問いを生み出し、探求(自分なりの見解)を見出していくのだと思います。
『自ら問い(仕事)を生み出していくのか』、
それとも『与えられた問い(仕事)を解決していのか』
という見方をすればこのことは社会の縮図とも言えるのかもしれません。
===
「正解を見つける力」から「答えをつくる力」へ
本書を通して、
アートというのは「一人一人の見方によって正解が変わるもの」
だということがわかりました。
簡単に言えば、
「アート」=人によって捉え方が違ってもいいもの
「ロゴやデザイン」=万人に同じメッセージが伝えられなければならないもの
というような具合です。
つまり、
アート思考において「正解を見つける力」は必要ないのです。
と言うか、
正解を見つけようとしてところでそこに正解はないので意味がないということになります。
何度も言いますが、
アートは人によって捉え方が変わるものです。
要するに
自分で答えをつくる必要があるということです。
モナリザを見て
「美しい」と思ってもいいし、「怖い」と感じでもいい。
相対的な評価は存在するものの、
皆が皆それを感じる必要がないということです。
これがアート思考ということです。
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どこからそう思う?
そこからどう思う?
〜中略〜
「感じた意見」に対しては「発見した事実」を、そして逆に、「事実」に対しては「意見」をアウトプットする
これは単純ですがとても重要なことだと感じました。
「どこからそう思う?」は単純にそう思った理由です。
何事においても、自分の感情の理由を説明できるというのは、
考えられている証拠ですし、頭を活性化することができます。
また
「そこからどう思う?」は思考の発展です。
「そう思った。」で終わりにせず、さらなる思考へと結びつけることで、
より深い思考の活性化をすることができます。
一見単純なことですが、
日々の生活の中で理由づけとさらなる発展をしている人は少ないでしょうから、
考える脳を養うにはとてもいいと思います。
===
まとめ
おそらく多くの人がそうだと思いますが、
芸術という分野の本質や学ぶべき側面は理解しきれていないと思います。
小学生の頃から「美術(図工)」や「音楽」という形で触れてきましたが、
それがどういったものなのかはいまいち捉えられていない人が多いと思います。
しかし本書を読んだことで、
その輪郭は捉えることができたと思います。
「なぜ芸術が義務教育で存在するのか。」
このことが少しは理解できるようになるのではないかと思いました。
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