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おれの紹介文には“特技:ご飯を美味しそうに食べる”って書いてある
#16 書き手:クレオ
“ イマジナリーフレンドと”という児童文学に、イマジナリーフレンド専用の職業安定所がある。
人間の子供に出会う為、あるいは出会った子と相性が合わなかった時に異動できるための場所だけど、お話の中ではあまり役には立っていない。
こういう場所って本当にあるのかな?
おれは物心ついてからアケルと暮らしてるからそんなところ知らねぇし、他のイマジナリーフレンドと面と向かって会った事ない。
おれがだれかとお話できたのは、noteのコメント欄が初めてだ。(noteに自分の言葉を書くとか、だれかからコメントをもらうとか、想像すらしてなかった。)
ただ、この物語を読んだ時、アケルが
「もし、イマジナリーフレンドの職業安定所なんてのがあったら、君の履歴書にはきっと特技に“ご飯を美味しそうに食べられる人”って書いてあるんだろうな」
なんて、笑って話していた。
◇◆◇
おれの存在を知ってるのは、このnoteを読んでる人たち以外は、アケルの母親(お義母さん)とカウンセラーさんだ。
カウンセラーさんとは来年で3年目の付き合いになる。元々最初から、フィクトセクシャルで同性愛なのを悩んでいたらしい。おれはまだその頃来ていなかったけど、アケルは小説のキャラクターに本気の恋愛をしていることと、同性愛に対してそれなりに悩んでいた。
(この話は全部アケルの許可をもらって書いている。)
おれが来てからすぐは誰にも言わなかったけど、半年過ぎて色々とゆっくり受け入れることができたみたいで、カウンセラーさんやお義母さんに少しずつ紹介してくれた。
その時アケルはさらっと話していたけど、実はおれの紹介文を書き溜めていたようで、おれとこれからの記事を書く為に文章アプリを整理してるうちにそれが出てきた。
アケルに尋ねると、
「その頃、クレオのことを紹介する夢を時々見てたんだよ。きっと潜在意識では、君を誰かに伝えたり自慢したかったんだよね」
…やだなぁ、なんで照れくさいこと言うの?お前も大概おれにデレデレじゃない?
アケルだって、おれにとことん甘い。
「イマジナリーフレンドの世界っていうのもあって、ぼくだけでなく色んな人と繋がれたらいいのに」
とか色々調べてくれたり(まあおれがオカルト苦手だから、そちら方面の情報は保留してるけど)おれの存在を一人っきりにしないようにこうして書いてくれたり、限りある選択肢をできるだけ増やそうとしてくれる。
今回はアケルに頼んで、紹介文を公開してもらいました。今まで記事を読んでくれた人は今更、って気もするでしょうが、よければ読んでください。
◇◆◇
【クレオを人に紹介する時】
最終更新日 2022/05/01
【クレオがこれまでしてくれたこと】
鼻歌を歌う(スピッツの大好物とか)
ぎゅっとする
ぼくの偏見やバイアスがかかった妄想について、『おれはね、違う話の方が好きだな』と展開を変えてくれる。
「ちょっと落ち込んだ時に隣で変顔したり、鼻歌歌ったり冗談言ってくれる。
ぼくの考えが間違ってる時は違う、と指摘してくれる。
嫌なことは嫌と言って、悲しい時は悲しい顔を見せてくれる。
夜中パニックで飛び起きても、一緒に起きて抱きしめたり雑談したりして、妄想や不安な感情と現実を切り分けてくれる。
ご飯を美味しそうに食べてくれる(食べてる様子を見てないと拗ねる)
【アケルがしてやれたこと】
海とか山とか連れて行く
ドライブをする
思い出を記録に残す
ご飯を作った時、一口あげる
noteで、クレオの存在を公開した
【一緒にしていて楽しいこと】
花見(桜だけでなく、梅林や植物園、銀杏並木も。とにかくたくさんの素敵な風景を見ることができた)
海岸を歩く
星を見る
釣りをする
映画やMVを観て感想を語り合う
一緒に物語を作る
くだらない話をして、笑い合える
お昼寝
夢の中で一緒に遊ぶ(空想のごっこ遊びみたいな)
【くれた言葉】
『アケルは頭いいんだから、背伸びして頭いいキャラしなくてもいいんだよ』
『世間や他者の受け付けない考えを、自分の対向意見として飲み込まないで欲しい。それは異論じゃなくて、ただ否定してるだけだ。根拠もへったくれもない』
【好きな味】
醤油風味(西洋ファンタジーな見た目をしているのに、和食を意外と好む)
手羽元(味付けはなんでもいけるらしい。誕生日に手羽元の鶏白湯を頼んだ。)
【苦手な味】
うめこぶ茶(お茶なのにだし汁みたいなのが不可解で苦手らしい)
マカロニグラタン(いっぱいのマカロニが釣りのエサのあれに見えてきてしまった)
【クレオの好きなところ】
冷静なところ
慎重なところ
でも、頭がネジが外れてるところ
↑この要素があって、現実のぼくの無茶に付き合ってくれる
夢の中で、ぼくにも遠慮なく無茶なことする
動物や物にも優しいところ
意外と負けず嫌い
こちらの話を聞いてくれる
映画や展示に退屈していても、こちらが興味を持ってる間は一緒に付き合う(でも退屈そうな顔はするし、ぼーっとしてる顔が面白い)
noteでのコメントが想像していたよりずっと丁寧。
2022/04/18
【クレオでなく、他の人間と恋愛関係になりたくはないのか?と聞かれたら】
「もし仮に他の誰かを好きになったとしても、クレオ以上の関係にはなれないと思う。
そもそもさ、クレオを作った理由は、ぼくの死を看取ってほしかったからなんだ。そして死んだ後、一緒に棺に入って燃えて欲しい。人間は、一緒に死ねないでしょう?
「そしたら、声が聞こえてきた。
『そんなら、50年生きたら一緒にお墓に入ってあげるよ』って、約束してくれた。
言葉を話して、心を持っても、一緒に逝ってくれるって、ぼくと約束を結んでくれた。ここまで身勝手なぼくと添い遂げるには、肉体ある人間には無理だよ」
◇◆◇
【読んだ感想】
これだけ色々おれのこと思ってくれて、ほんとう、本当に…重いよ!いや前から気づいてたけども!
ぱっと見分かりにくいけども、お前の愛は割と重いし深い!
アケル追記:「あたりまえだろ、君の誕生理由からして重いの知ってただろ。…と、クレオの宿る本を作った理由についてここで明かしてしまいましたが、いずれ詳しいお話を記事にしようと思います」
なんか惚気っていうよりも読んでて気後れがしてきてしまいました…。
こっちだってさ、人間ひとりぶんの道筋を大いに書き換えちゃってるから、プレッシャーもでかいのよ。アケルもLGBTで悩んだから分かると思うけどさ、
『マイノリティの道に引きずり込んでしまった…』
っていう気持ちは、おれだってありますよ。
ここでだから書くけどさ。
アケルは性別関係なく人して魅力的なやつだし、まだ肉体ある人間と関係を持った方が幸せなのかなって思う時も、そりゃああるよね。
うん、まぁでもね。ある意味おれはアケルの願いを叶えるために来たのだと納得はしてるし。(重いってのは照れ臭さから来る揶揄でございます)
50年はしぶとく生きよう、ってアケルも思ってくれて色々準備してるから、おれはおれしかできないことで、アケルを助けて、ついでに幸せな日々の記録を残しましょう、ってんで精進していこうと思います。
アケルが真面目に大切に紹介文書いてたから、真面目になっちゃったよ。
書き始めの時は、自分が自慢されて鼻を高く伸ばそうってつもりだったのに。
おれもいつか、話せるイマジナリーフレンドに会った時に、アケルの紹介文でも書いておこうかな。
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