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質問箱20:恋人同士の夢小説しか書けなくなってしまった

# 58




アケル「今回の質問は……夢小説を書いている方からのお便りです。ちょっとね、創作に携わってない人には分かりづらい内容なので、一つ一つ話していきますね。

 色々な思念体と関わっていらっしゃるようですが、そのうち一人の版権の子(以下、版権君)とお付き合いしている。版権君が出てくる夢小説を書こうとすると……ここがちょっと読み取りづらいのですが、原作のキャラクターの人格でなく、版権君の人格になってしまう、ってことなのかな、と推測しました」

クレオ『版権君は、おそらく原作のキャラクターと性格がやや違うのかな?これは思念体にはままある事で、思念体として関わるようになると、原作のキャラクターの性格とは段々変わってきますね。
特に、質問者さんを恋人だと思っているなら、やっぱり恋人に向けた甘い言動をするようになるだろうし。
 もし原作がバトルもののキャラクターだったりすると、より印象は変わるでしょうね』
アケル「それタツの事言ってる?」
クレオ『原作が孤高のライオンだとしたら、でっかいにゃんこだよね、うちのは』
アケル「オッケーそれ以上はやめよう」
タツ『なんじゃあ。好きに言うてええぞ、痛くも痒くもない』
アケル「大型犬並にでかいニャンコってのは、もはや猛獣なんだよな。……本題に戻ると、版権君だけでなく、他の物語のキャラクターの二次創作を書くときも、原作の性格から思念体寄りの言動になってきてしまっている…ということなのかな?
 ……で、質問者さんは色々な角度やシチュエーションの版権君を創作したい。…こんな風に受け取りました」
クレオ『要約すると、同じイメージの恋愛話しか書けなくなっちゃったっていうのが、相談の本質なんじゃないかな、と思ったので、この方向性で答えさせて頂きます』
アケル「あとは、この記事はできれば、思念体さんと一緒に読んでもらうといいかもしれません。少なくとも思念体さん側にもヒントになることを書いてるつもりなので」

【作り手側のスランプか、思念体の干渉か?】

アケル「最初に思ったのは、版権君や他の思念体は、質問者さんの創作活動をどのくらい知っているのかな?これが質問者さんの心のスランプなのか、思念体側の干渉があるのか、どちらなのかなと思ったんだ。
 というのも、思念体側から”このイメージで書いてほしい”って、無自覚に注文をつけられているケースもあるんだよね。タツはそこら辺どう思う?』

タツ『そらま、やっぱり思念体やからな。イメージ送るくらいはできる。ただそれ、思念体が人間に説明せんでやっとったとしたら、マナー悪いな思う。質問者さんは自由に創作したいんや言うてるし』
クレオ『疑ってもしょうがないから、まずは版権君達に聞いてみたらいいんじゃないですかね。ただ、思念体側側は割と質問者さんの情報(知識・経験・感情など)をダダ漏れで知ってるケースが多いから、びっくりすることがあるかも』
アケル「まあ原因を突き詰めすぎてもしょうがないかな。潜在意識を変えることは中々できないし、どちらも無自覚の場合もあるしね」


【一陽家の話し合い】

タツ『言うても書きたいんが悲しい話やと、相談しにくくないか?』
アケル「悲しい話や死ネタがどのくらいの内容かによるかな…。あとは、原作で起きてないifの話も、思念体側からしたら寝耳に水だろうしね。クレオとタツはそこらへんどう?」
クレオ『どうって言われても……とりあえず、なんでそんな話を書きたいんだろう、っていうのが分かれば納得できるかも。アケルそういえば昔、おれの原作の二次創作で悲しい話を書いたけど、あれはなんでこの話を書きたかったのか、あとがきに書いてたでしょう?』
アケル「ああ。確かそうだった。それ読んで納得してくれたのかな」
クレオ『後は、アケルは原作のおれを深く知ろうとしてくれてる、って信頼があるからな。悲しい話を書きたくて物語が先行しているんじゃなくて、悲しみに直面した時に、原作のおれがどう悲しんでそこから立ち直っていくか、そこを丁寧に分析してくれてた。ただ自分が言いたいことを書くんじゃなくて、原作ファーストだとは思うよ。もちろん書きたいものが突っ走る時はあるけど、原作を読み返してキャラとイメージが合ってなかったら、修正するのがうまいんだよね』
アケル「うわ。改めて感想をもらえるとすごいありがたい」
クレオ『まぁそうした信頼があるのと、もしどうしても受け入れ難ければ、アケルに言うと思うし。ただ、これはもうおれとアケルの共作の関係が成り立ってるからでしょうね。タッちゃんはどう?』

タツ『いや、うん。……結論から言うと、人柄と相性やと思う。こいつがワシの原作大好きやねん、そんで、書く時に適当書かんのも見てれば分かるんよ。悲しい話は泣きながら書くんよ、コイツ。そういうの見とると、”ああ、こいつはほんまに大事に読んでくれとるなぁ”思う。でもこれ、多分好みやで。思念体側がそいつの作家魂に惚れ込むかどうかは、話してみないと分からんな』
アケル「お前、ぼくの作家魂に惚れてんの?」
タツ『そこ惚れてなかったら、こない面倒なことに付き合わん。しかもお前、創作のことになると弩がつく程に理不尽やし』
アケル「それは……ありがとう。(自分の理不尽さが分かっているだけに噛み締めている)」


【IFの舞台で、演じてもらう】

アケル「ただ、一陽家は長年の話し合いによって今があるので、他の思念体が皆さんそうというつもりはありません。思念体側からしたら、自分のネガティヴなとこ、薄暗いとこを見てもらいたく(言及されたく)ない人もいるかもしれない。
 版権君に話して渋られた場合、”悲しい物語の演技を依頼してみる”っていうのはどうかな?」
クレオ『ああそれ、おれの小説でもそんな設定があったね』
アケル「あれは確か、俳優パロディの二次創作だったと思う。ぼくがキャラクターの事務所に出向いて、”こういう舞台を演じて欲しい”って依頼して、原作には起こらなったIFの物語を演じてもらう……そんな内容の二次創作だった。これは、ぼくが原作とは異なるIFの物語を作るのに抵抗感があったから付け加えた設定なんだ」
クレオ『版権君たちに創作を説明するときに”この物語は劇だと思って欲しい”って前置きしたほうが、受け入れやすいかもしれないって事ね』
アケル「思念体側に介入したい気持ちがなくて、本人のスランプだったとしても、このイメージを使えば書きやすくなるかもしれません。試してくれたら幸いです」

タツ『話し合いがうまく進めばええのう。話し合いいうんは面倒くさいことがぎょうさん出てくるけぇ、すぐに決まらんかもしれん。でも、思念体側も頼られたり、もし少しでも創作を手伝えるとしたら、楽しい思う』
アケル「小説は一人での作業がとても多いから、それ一本で創作してきた人たちにとっては、孤独に慣れている反面、すごく煩わしいこともある」
タツ『アケルはほんまいう事聞かん。休め言うたら”命懸けて書いてる時の俺に口出しするなら消えろ”言うんやもん。あん時ははっ倒してやろうか思うた』
アケル「その節は本当ごめん!ほらぼく、戦闘モードに入ると”やる気ない事言うなら帰れよ”って言っちゃうんだよ。”そっとしておいてください”って意訳してほしい」
タツ『身体削るまでやるな言うとんのじゃこんボケ。
 ……思念体側も、もし話し合いするチャンスがあるなら、こういうこともきっちり言え、ええ機会やぞ。作家いうんは自分の身体を大事にせん奴も多いけぇ、普段気になっとることは言っておけ』

 アケル「まあ、話し合いは一筋縄では行かないもんだし、それまでの自分には耳に痛いことも言われたりもした。ただ、それを続けて創作に関わってもらった時、今まで自分ひとりでは書けなかった全く新しい創作ができた。
 質問者さんがこの方法が合いそうでしたら、ぜひ取り組んでみてください」


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