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査読者とは何者か?についてまとめてみたお話

🕛この記事は3分で読めます🙌

最近,査読依頼を頂いて「査読者とは何者か?」について調べてました,いえやすです.

初めての査読依頼を頂いた人が読む記事内容になります.

自身の考え方のみに頼って査読(評価)する,または査読経験のある上司の話を聞いて早々に片付ける,といった進め方でも,査読自体は完了してしまうのかもしれません.

しかし,それらに加えて,専門書(研究関連書籍,電子ジャーナル等)からも査読とは何かについて「お作法」を一度理解したほうが良いかと思いまとめました.

先日,査読依頼を頂いて,
査読依頼を頂いた組織・業界に失礼の無いように,力になれるように寄与できるようにしたいと思い,まずは査読をしっかり理解してから!と思ったところでした.

まず,査読者依頼の始まりについてです.通常,1編の論文(抄録)に対して2〜3名の査読者が審査しますが,査読者の選定は雑誌(学会)の雑誌編集者(査読委員)が指名します.

査読の報酬は,原則無報酬で論文(抄録)に対してコメントをつけることが求められます.そのため,査読依頼を断る人も少なくないことが問題となっているようです.そのためか,学会から事前に座長または査読依頼の可否を事前に確認されることが私もよくあります.
※上記内容の参考書籍はこちら↓


次に,査読者の匿名性についてです.誰が査読したのかを,著者(演題発表者)に報告する場合としない場合があります.一般的には査読者を匿名にしている雑誌が多く,査読者から見て著者も匿名になっているダブル・ブラインド法もあります.

査読について記載されている著書を読んで意外だったのは,査読とはデータ捏造等の不正行為を見つける仕組みではないということです.その理由は,そもそも査読は,論文(抄録)が正直に書かれていることを前提にしているためです.

査読の主目的は,投稿論文(抄録)をより良くするためですが,最近では雑誌掲載の可否を判定する機能にすり替わっている傾向にあると言われています.編集者が依頼した著者のライバルが査読者になることで,過剰な批判コメントがなされることもあるようです.
※上記内容の参考書籍はこちら↓


最後に「査読者のホンネを読みとこう」といった下記書籍内容に,とても理解しやすい部分がありました.それは,

論文投稿者(学会発表者)は査読者の心情を読むことが大切

だということです.

査読者は無報酬であり,普段の業務時間外に遂行されるのだと思います.
つまり,著者(学会発表者)のよき理解者ではないということです.

その上でのポイントは,
・タイプミスがないこと
・一度読んだ際に抵抗感なく頭に入ってくる感じ
・その研究の訴求ポイントが明確であること
・面白いと思わせられること
・文意(文章中に述べられている考え)がわかりやすいこと
とのことでした.納得です↓


その他の注意点として,学会ポリシーの確認,著者(学会発表者)が行うべき対応を具体的に指示する,第三者に漏らさない守秘義務等もあるとネット上で公開されていた連載も見つけました↓


最後に,調べていくうちに「査読に労力を使うより自分の研究をすすめたいと思うこともあるだろう」とも意見がありました.しかし,そんななかで良いことを言われてる!と感じたフレーズは

「査読をすることは研究者としての力を間違いなく高める」

ということでした.

査読を引き受ける・受けないはメールのやり取りでしか周りには見えないようにも思えますけど「見てる人は見てる」とも思えました.

自分の研究者としての力を高めるため,そして依頼先の組織のために尽力できる人になりたいと思います.

査読に慣れない方の参考になれたら幸いです🤗

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