ダッキングを試す

この記事でやること

KickをトリガーにしてEpiano、SubBassにダッキングをかけてみる。
どんな違いがあるか聞き比べて確かめる。

これは 天久保 Advent Calendar 2022 の 20 日目の記事です。

環境

DAW : Cakewalk by BandLab (28.11.0.21)
サイドチェインに使うコンプ : MCompressor
使用するサンプルパック : JERSEY CLUB

ダッキング、サイドチェイン

ダッキング

ダッキング(Ducking)はある音Aが鳴っているときに他の音の音量を小さくすることで音Aを目立たせる手法です。
ダンスミュージックだとKickの音に合わせてBass、SubBass等の音量を小さくすることがありますが、あれがダッキングです。
以下の曲の1:00から始まるドロップを聞くとKickに合わせてダッキングがかかっているのがわかりやすいと思います。

あとは配信等で配信者が話始めるとBGMの音量が小さくなっていくようなものもダッキングです。
以下のライブアーカイブの29:07辺りでは配信者のMoFalkが話した瞬間に後ろで流れてるサウンドの音量が小さくなったことが分かると思います。

サイドチェイン

サイドチェイン(Sidechain)はある音にかけるエフェクトを他の音によって調整する手法のことを指します。
例えばKickの音を入力としてBassにコンプレッサーを効かせる手法はサイドチェインです。
そして今の例は同時にダッキングも用いています。(Kickの音を目立たせるためにBassにコンプをかけて音量を小さくしている。)サイドチェイン≠ダッキングではありますが、ダッキングのためにサイドチェインを使うことが多いためか、ダッキングのことを指してサイドチェインと言う人もいるみたいです。

実際に試してみる

トラックとバスの構成

 大体のDAWには「トラック(Track)」と「バス(Bus)」の概念があると思います。
バスに関しては「グループトラック」「グループチャンネル」等の呼び方もあるみたいですが、同じものかと思います(要検証)。
トラックとバスに関する細かい説明は省きますが、以下に図を載せるのでそれでなんとなく理解できると思います。

トラック、バスの構成図


上図を見ての通り、この記事ではEpianoとSubBassにダッキングをかけます。その際、Kickをコンプのサイドチェイン入力にSendしてKickをトリガーにダッキングをかけます。
なお、心を込めて手作業でEpianoとSubBassの音量オートメーションを書いてもダッキングを実現できますが、私は嫌なのでコンプを使う方法でやります。コンプに関してはサイドチェイン入力のあればなんでもよいと思います。環境の項で紹介したMCompressorはサイドチェイン入力のある(2022/12/20現在では)無料のコンプです。

コンプのパラメータ調整

コンプのパラメータを調整します。
Kickに合わせてダッキングを使う時はAttackもReleaseも小さくしておいた方が良いと思います。(Attackが大きいとダッキングの効果が小さくなり、Releaseが大きいと常にコンプがかかったような状態になります。)RatioとThresholdはサウンドに合わせて良い感じに調整します。この記事ではダッキングの効果を確かめるために強めにコンプをかけてます。
そうして出来上がったサウンドが以下になります。

ダッキングをかける前のEpianoとSubBass

KickをトリガーとしてダッキングをかけたEpianoとSubBass

後は聞き比べてみようと思います。

聞き比べ

ダッキングがかかってないサウンド

ダッキングがかかったサウンド

感想・考察

ダッキングを使うと

  • キックの音が良く聞こえる

  • 独特のうねりが生まれる

  • サウンドに迫力が出る(音量差があるから?)

辺りの効果は得られそうな感じでした。
今回はわかりやすいように強めにコンプをかけましたが割とこれでもアリかなとは思いました。強めにかけるかどうかはお好みとしても、ダッキング(サイドチェイン)を使って面白いサウンドが作れると思うのでこれからも活用していこうと思います。

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