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日記

2024/04/07
ここ3日ほど、うまく眠れない夜が続いた。深夜1時、あまり面白くない映画を見終わる。眠れそうにないので友人に「あそぼ」とメッセージを送った。2時、3時になっても返事は返ってこず、2本目の映画もエンドロールへ突入。今晩もどうにも悲しい。この夜から抜け出すため、ダムへ行くことを決意した。そのとき時刻は3時過ぎ。このまま始発の5時前まで起きて、手元に残った1回分の青春18きっぷを利用することにした。本当は冷たく大きなダムへ行きたかったのだが、青春18きっぷのJR縛りにより、2時間かけてのどかなダムへ行くことになった。最寄駅へ向かう途中、本を忘れたことに気がついたが、せっかくなら始発で行きたいので戻らずに進んだ。駅にはまだ駅員さんもおらず、改札をそのまま抜ける。始発の車内にはポツポツとひとがいた。八王子駅で乗り換えるとき、周りにリュックサックを持ったおじさんが複数人いた。明らかに18歳越えの彼らの多くも私と同じ切符を携えているのだろう。
八高線の車窓から見える景色は面白かった。奥には山、手前には住宅街が広がり、列車が進むにつれ自然の割合が増えていく。太陽の昇らぬ側の朝空は黄色いことを初めて知った。
田舎らしい面白い駅舎が続く中、寄居駅だけは何故か少し栄えていた。少しがっかりしつつもダムまで歩き始める。Googleマップを使うとなぜか5時間かかるルートしか表示してくれないため、今回来るきっかけになったブログを信じて歩いた。寄居駅周辺はなんだか怖い。駅から降りてすぐ、公共施設や宗教施設らしきものに気圧される。それら横目に進んで行くと住宅街になり、お店はほとんど見当たらなかった。物珍しくもない住宅路をどれだけ歩けばいいのかもわからないので少し嫌になった。渋々歩みを進めていくと開けた通りに出た。そこは高速道路につながる道であるようで、常に後方から高速の車に追い抜かれることになった。グゥビュンという音が怖い。知らない街を歩くのだからと、ルンルンで外したヘッドホンを耳元へ戻したくなった。道路脇には古びた住居が連なる。どこもぎゅうぎゅうに植物を住まわせており、これまた怖かった。
40分強歩き、お目当てのダムが見られる橋についた。ダムはそこまで大きくないものの、手前に広がる水辺や、印象的な赤い橋といった周りの景色も相まって大きさを感じられ楽しい。緑のレトロな外観が可愛かった。実はこの橋に着く直前、私はダムが開く時間が9時からだということに気がついた。この時、時刻は8時。ちょうど1時間ほど早くついてしまったのだ。しばらくその場で堪能したのち、ブログを再度確認し、とりあえずダムの上へつながる道へと歩きはじめた。と、そこにはピカピカオレンジの看板に2025年まで工事のため進入不可能であると書かれていた。急に思い立って、下調べもせずに来るこうなる。加えて、ダムカードという無料配布のカードをもらえるシステムも9時スタートであった。散々である。暗い気分を朝の活動で打破しようと試みたが、夜を朝まで引き伸ばしてしまったようだった。私はどうしてもダムカードが欲しいので、係の方が来るまでその場にあった慰霊碑などをスケッチして時間を潰した。途中、あの返信こない友人に写真を送りつけたところ、返ってきたのは既読のみだった。
その後無事にダムカード(かわいい)を手に入れた私は、ヘッドホンを装着して足早に駅へと戻った。そして、ホームにある時刻表を見て驚愕した。1時間以上電車が来ないのである。ここにきて本を置いてきたことが痛く響く。結局ダムでも1時間待つことになったし。絶対に始発でなくてよかった。あの時本をとりにかえるべきだった。寝不足でそこそこ歩いた疲れもあってか、情けなくなって私は休憩所で少し泣いた。歩いてる途中で半ば強制的に友人求めた返信も、結局は断りの文であった。それを思い出して、また少し泣いた。もうこの状況に関係のないことを思って、泣いた。

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