見出し画像

これからマイホームを買おうと考えている人へ贈る「7つのメッセージ」 2/7

きょうは、2つめのメッセージをお届けします。その前に少し昨日のおさらいを。1つめじゃ「影響の大きさに対して知識が乏しい」でした。これについて、可視化というには大袈裟ですが、一覧性のあるシート作りましたのでご興味のある方は、じっくりとご覧ください。

スライド1

この俯瞰図に資産価値に関する項目を赤く色づけしたものはブログにありますので、こちらもよろしければ。

では、本題に入ります。

7つのメッセージ その2
「Win-Winが成立しにくい?」

 住宅の購買行為は売り手と買い手、取引同士間で「Win-Winの関係」が成立しにくい、とメッセージしたいです。成立しないといっているのではありません。その認識が同じタイミングで一致しにくい、と言いたいのです。

 これは、単純にいえば「時間の差・ズレ」を意味しています。売り手であるデベロッパー、またはハウスメーカーや工務店もしくは仲介会社等は商品(住宅)を買主に引き渡した時点で実績(業績)が記録されます。あきらかな瑕疵がない限りは100%売り上げとして計上されるわけです。もちろん、アフターサービス窓口との関係性は継続しますが、企業の決算は1年ごとなので、期末が過ぎれば営業マンのパフォーマンスはリセットされ、次の顧客の開拓に集中します。

 一方、カスタマーは引き渡し時は満足でも、住んでいるうちに不具合が発覚したり、不満が生じたりする恐れがあります。瑕疵担保保証の範囲内であれば対応してもらえても、それ以外のトラブルは交渉ごとになるケースもあり得ます。住宅の耐用年数は構造によって異なりますが、最低でも二十数年、長ければ四十数年。今では100年住宅を宣伝文句に使っている商品も多々あります。

 経年劣化を売り主のせいにするのは筋違いですが、「メンテンナンスや更新のことも考えてモノづくりをしてくれていれば」「対応をスムーズにしてほしい」と思う場面があるかもしれません。

 「売り手は引き渡し時」「買い手は長い利用年数(最低でも比較的大掛かりな修繕の必要性を検討する築10年~15年の段階)を経て」成果がわかる。要するに、そもそも善し悪しの結果が出るタイミングに大きなタイムラグが生じる取引だということです。

 なんだそんなことかと思われるかもしれませんが、これが食事ならどうでしょうか。食べてその場でシェフに「おいしかった」あるいは「満足のいくものではなかった」と伝えることができます。身に着けるものもそうです。その日中は無理でも売ってくれた店員がまだいるうちに感想を伝えることはできそうです。

 住宅ブランド・メーカーの食べログ版がないのは、評価にとてつもなく時間がかかるからだと思っています。口コミサイトでは、結構荒れている掲示板を見ることができますが、これも「どの時点の」「何を」評価しているのかがバラバラだからではないかと考えます。いずれにしろ、これは購入検討者にとってはある意味不幸なことで、「多様な情報の中から自分で取捨選択し判断する必要がある」ということです。同世代でマイホームを買って間もない人の体験談は非常に参考になるものではありますが、一方で持ち家歴が長い人に助言をもらうのも一つの方法かもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?