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業績回復したフォーライフの分譲事業はこのまま急拡大させていくのか?

この記事では、フォーライフ株式会社の2020年3月期第2四半期について、取り上げていきます。

フォーライフは、分譲住宅の建築・販売を行う「分譲住宅事業」を中心に、注文住宅の建築を請負う「注文住宅事業」、中古マンションのリノベーションを行う「再生住宅事業」の3事業を展開。主なエリアは神奈川(横浜・革川崎)・東京。

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2020年3月期第2四半期(2019年11月14日開催)決算説明会資料

前年と比べて、全般&各事業とも増収増益

分譲住宅事業、注文住宅事業ともに、増収増益です。特に、注文住宅は営業利益が黒字に転換しています。

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利益に絡む各数字も、前年と比べて、良くなっています。

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粗利益率=売上粗利益÷売上高
19年2Q:425÷3,707=11.5%
20年2Q:591÷4,718=12.5%

売上高営業利益率=営業利益÷売上高
19年2Q:21÷3,707=0.6%
20年2Q:170÷4,718=3.6%

粗利益÷販管費
19年2Q:425÷403=1.05
20年2Q:591÷421=1.40

「粗利益÷販管費」が1.05→1.40なので、単に売上や利益の額が上がっているだけではなく、効率良くなっていることがわかります。


各事業のパワーバランスは?

それぞれの事業別で細かい数字を見ていきましょう。

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ハイライトや概要でも取り上げられてたように、主軸の分譲住宅事業、2番手の注文住宅事業がともに増収増益になっています。主軸の分譲住宅事業はが売上の割合が全体の80%を超えています。

最も少ない「その他」には、多分、中古マンションのリノベーションを行う「再生住宅事業」などが含まれていると思われます。額面も、分譲や注文住宅に比べると少なく、減収減益なので、他の事業と比べてのパワーバランスが感じ取れます。


分譲住宅の価格は◯◯万円、利益は◯◯万円

分譲住宅事業の内訳を見ていきましょう。

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行ってきた施策で目に留まったのが、

・柔軟な価格設定
・アンケートによる標準仕様の変更
・アッパーミドル層向けの商品開発

アッパーミドルは年収800万~1500万円の中流階級の上位層を指します。

どれも一昔前の分譲(価格が融通効かない、仕様が変わらない、低所得向け)の逆をついています。対応力を上げ、所得の高い層に割安感のある分譲住宅を提案・・・という流れになっています。

その結果、大きく増収増益しています。額ではなく、1棟当たりで比較するとどうでしょう?

1棟当たりの売上高
19年2Q:2,970÷85=3,494万円
20年2Q:4,023÷108=3,725万円

1棟当たりの営業利益
19年2Q:236÷85=278万円
20年2Q:368÷108=341万円

1棟当たりで見ても、売上高は231万円、営業利益は63万円アップしています。


注文住宅の価格は◯◯万円、利益は◯◯万円

同じように、注文住宅事業の内訳を見ていきましょう。

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営業利益が、前年のマイナスから、プラスになっています。

行ってきた施策を見てみると、セールス力・広告・販促・コミュニティといった、プロダクト(商品やサービス)以外のところを強化したようです。

額ではなく、1棟当たりで比較するとどうでしょう?

1棟当たりの売上高
19年2Q:614÷27=2,274万円
20年2Q:626÷23=2,722万円

1棟当たりの営業利益
19年2Q:-23÷27=-85万円
20年2Q:4÷23=17万円

1棟当たりで見ると、売上高は448万円、営業利益は102万円アップしています。


好調な分譲事業は拡大?それとも・・・

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流動資産:4,500
現金預金:1,565
流動負債:2,160
固定負債:218

となっており、負債合計よりも流動資産の方が上回っていて、現金預金が流動負債よりも小さい状態です。

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