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ファースト住建の戸建分譲の「土地・建物・利益」それぞれの割合は?

この記事では、ファースト住建株式会社の2019年10月期について、取り上げていきます。

ファースト住建株式会社は、兵庫県尼崎市に本社を置く不動産会社。近畿圏を中心に、戸建・マンション分譲事業を展開。近年は、中国・九州・東海・関東地方においても事業を展開している。

令和元年10月期決算説明資料

大きく分けて、戸建とマンションの2つの事業を行っていますが、ここでは戸建を中心に取り上げていきます。

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前年と比べると増収減益。減益の原因は?

事業規模を比べると、戸建分譲が圧倒的に強く、請負はその10分の1以下の売上高です。マンション事業はさらに、請負の3分の1以下の規模です。

それぞれ、売上高は増収しています。ですが、合算された営業利益や経常利益では減益になっています。

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減益になった理由としては、マンション事業において、広告宣伝費や人件費などの、販管費が余計に掛かったことが原因と書かれています。

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商品種類別の売上総利益(粗利益)の状況を見ると、請負工事の粗利益率が下がっています。原因の一つとして考えられそうですが、不動産賃貸の粗利益が大きく増えていおり、トータルで見ると、粗利益率は+0.1になっています。

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戸建分譲1件当たりの販売価格は?

販売している地域別の価格がまとめられています。

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分譲で、土地の価格も影響するため、3200~2400万円と地域によってかなりバラツキがありますが、一番高いのが埼玉県の3,201万円、一番安いのが滋賀県の2,416万円となっています。

東京は、埼玉よりも単価が低く、前年だと千葉よりも低くなっています。東京はコンパクトなサイズを販売しているからでしょうか?


戸建分譲の平均単価は5年で◯◯◯万円UP!

合計の平均単価は昨年と比べて、110万円上がっていますが、過去5年の推移を見ると、毎年上がっている状況です。

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14~15年:41万円UP
15~16年:96万円UP
16~17年:67万円UP
17~18年:38万円UP
18~19年:110万円UP

5年で352万円も上がっています。


戸建分譲1件当たりの粗利益額は?

多分、粗利益率はそれぞれの地域で多少異なっていると思われますが、一応、それぞれの販売価格と粗利益率16.6%を元に、計算してみましょう。

埼玉県:3,201万円×16.6%=531万円
千葉県:2,891万円×16.6%=478万円
東京都:3,061万円×16.6%=508万円
神奈川:2,754万円×16.6%=457万円
愛知県:2,772万円×16.6%=460万円
滋賀県:2,461万円×16.6%=409万円
京都府:2,735万円×16.6%=454万円
大阪府:2,981万円×16.6%=495万円
兵庫県:2,572万円×16.6%=427万円
奈良県:2,564万円×16.6%=426万円
広島県:3,030万円×16.6%=503万円
福岡県:3,071万円×16.6%=510万円
平均:2,804万円×16.6%=465万円

410~530万円となっていて、平均が465万円です。


戸建分譲の土地と建物との価格バランスは?

過去5年の「1棟当たりの土地購入費・建築費・売上総利益の推移」を見ると、土地購入費と建築費は毎年上がっていっています。

売上総利益(粗利益)は、調整が難しいのか、下がりすぎた翌年は反発して上がり、また下がっていくと反発して上がるという流れになっています。

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