ファジアーノ岡山の2021年度経営状況が発表されましたよ、というお話

みなさま、こちらではご無沙汰しております。
これまでにも「こういう記事を書きたいな」と思っていたネタはいくつかあったものの、書くのに時間がかかったり投下するタイミングを逃し、気がつけばこんなに時間が経っていました。

さて、今回のテーマはこちらです。

https://www.fagiano-okayama.com/news/p1473057449.html

4/25に我らがファジアーノ岡山の2021年度決算報告が公式サイトにてリリースされました。

コロナ禍に見舞われた2020年のシーズンを乗り越え、クラブはどんな成長を遂げたのか、ゆるっと見てきたいなと思い、今回久々のnote更新となりました。


・「コロナ前」水準への回復とその要因

リリースによると2021年度ファジアーノ岡山の営業収入は15億7,100万円となりました。これはコロナ禍に見舞われる前年である2019年とほぼ同額となります。

クラブ収入の柱となる広告料収入に関しては7.57億円となりました。コロナ禍を経て、経済活動が徐々に回復基調にある中とはいえ景気面ではまだまだ回復しきってないといえるこの状況において、変わらぬ支援を頂いているスポンサーの皆様には足を向けて寝られない状況だと感じているサポーターの方も多いと思います。

一方、入場料収入に関してはまだ2019年水準には達していません。2020年の開幕戦以降、観客動員数については未だ1万人を越える試合が生まれないなど苦戦が続いています。これは、チームの成績云々というよりも「人々の足がエンタメから遠のいている」と言う側面のほうが大きいのではないでしょうか。(現に、私が個人的に参戦した某有名バンドのツアーについても当バンドには非常に珍しく当日券販売がわずかに行われる状況となりました。)やはり、コロナを経て人々のマインドが「人が集まる場面」に行くことを避ける傾向が続いていると言えるでしょう。

そういった状況下でコロナ前水準の収入を達成するに至った要因は、リリースでも言及されている「岡山市社会体育施設の指定管理事業」です。数値で見ると「その他」の数値が前年度比+1.85億円となっております。岡山市内各所の施設管理運営を担ったことで、「ファジアーノ岡山の試合での利益」以外の柱を作ることが出来たことは、試合以外の場面での継続的な収入源確保に成功したと言えるでしょう。そしてそれは今後のさらなるクラブ規模の拡大に繋がると思われます。

・増加した一般管理費の正体

一方、支出の面で注目すべき点となるのは支出面の営業費用内の「一般管理費」の増大の部分です。「一般管理費」とは会社全般において業務管理に用いられた費用のことをいいます。この一般管理費が昨年と比較して1.27億円増加しております。

こちらの要因はは前段でも述べた「指定管理事業」によるものと推測されます。これまでのクラブチーム運営に加えてスポーツ施設を運営するに当たり、施設の保守管理費用や人件費など「支出すべき場面」が増えるのは必須となります。言い換えるなら「収入として入るお金は増えるけどその分だけ出ていく費用も発生する」と例えることが適切かもしれません。
先日、瀬戸内海放送(KSB)のYouTubeチャンネルに以下のような動画が公開されました。

こちらは3月にKSBのニュース番組で特集された内容を再編集したものですが、フロントスタッフさんが県内の施設について今後はトイレなどの改修も見込まれると言及しています。
施設の保守や修繕、建替などが発生した場合、さらなる支出の増加が予測されるものの、この施設管理事業を通じて住民のスポーツ参加機会の創出や既存利用者の利便性向上に繋がり、クラブが岡山に貢献するきっかけとなると言えるでしょう。


・高めの「ラインコントロール」の意図とは

今回のリリースにおいて、サポーターさんから挙がった声の中で個人的に気になった内容があります。それは、「これまで利益額を調整し、利益剰余金を最低限に抑えていたのに対し、今年は1,800万と例年より『ラインコントロール』を高めに設定している」という内容でした。この「利益額の調整」については以前の決算発表でこのように言及されていました。

昨年もこの場で書きましたように、一般企業とプロスポーツクラブの存在は株式会社という点において似ていますが、明確に違う点として、前者は利益を出すことが目的であるのに対し、後者はスポンサー、入場料、募金等で頂戴した運営費を余すことなくチーム強化に使うことが目的の1つだと我々は考えています。よって、収支を均衡させることが理想です。

ファジアーノ岡山 2014年度 経営状況についてのご報告

このように、スポンサー料やチケット収入、樽募金を最大限クラブの強化に利用することで、クラブに対して集められた善意を還元する、というのがこれまでのファジアーノ岡山の運営スタイルでした。
一方、今回の決算報告によると昨年の純利益は1,800万円とここ数年ではかなりの高水準となっております。

この背景としては2020年度決算が赤字となり繰越利益剰余金を使い切ってしまったことも要因の一つと考えられます。2020年のファジアーノは、というよりJリーグ全クラブは未曾有の感染症の脅威に苦しめられるシーズンとなりました。開幕戦を最後にしばらくの間試合開催が出来ず、如何にしてクラブを存続させていくかという事態に陥ったクラブもありました。
ワクチンの接種も進み、「withコロナ」の生活も徐々に慣れて来た昨今とはいえ、いつ何時2020年のような事態が再び訪れるかもわからない状況です。指定管理事業という新たな「収益の柱」は出来たものの、やはりクラブ自体の「蓄え」がそのまま非常事態下における体力にそのまま直結すると思われます。

また、指定管理事業を今後進める上においても必要性が高まってくると推測されます。施設の修繕や補修に関してはある程度は計画を持って行われると思われますが、何らかの事情(悪天候・災害や何らかの事故など)により突発的な補修が必要になる可能性も考えられるでしょう。そういった場面での備えとしてもやはり必要になるのではないでしょうか。

・みんなで「買って」「使って」ファジを応援しよう

今回のリリースには以下のような記述がありました。

クラブの最も大きな収入が広告料収入であることに変わりはなく、拠出くださる各企業の皆さまには、改めて御礼申し上げます。ファン・サポーターの皆さまにおかれましても、毎年のことで恐縮ですが、可能な範囲で結構ですので、ファジアーノ岡山のスポンサー・パートナー企業の商品・サービスをご購入、ご利用くださいますと幸いでございます。また、2017シーズンよりJリーグが動画配信サービス『DAZN』と長期、かつ多額の放映権契約を締結したことにより、ファジアーノ岡山としてもJリーグからの配分金としてその恩恵に与っております。皆さまにも引き続きのご加入を、まだ加入されていない方はぜひご加入を検討いただき、DAZNの視聴を通じてチームの応援を、あわせてお願いしたく存じます。

https://www.fagiano-okayama.com/news/p1473057449.html



冒頭の段落で述べた通り、ファジアーノ岡山はスポンサー様の多大なる支援によって成り立っています。こういった苦しい状況にも関わらず変わらぬ支援を頂いているスポンサーへの恩返しとして、商品の購入やサービスの利用などを積極的に行っていきましょう!
また、昨年から販売されたファジビールを始めとする「岡山魅力再発見プロジェクト」の商品を買うこともスポンサーへの貢献の第一歩となるでしょう。
また、DAZNの視聴時間に比例した分配金も無視できない要因となります。ファジに関しては過去に視聴時間があまり伸びていないというデータを公式アカウントで言及されていました。逆に言えばこのウィークポイントこそがまず解消すべきポイントであり、今後の伸長によりさらなる増加を見込めるポイントとなるかもしれません。

別ルートでの貢献の例で言えば、グッズの購入が挙げられます。今シーズンは積極的な補強の効果もあってか、一部サイズで早々に売り切れが発生するなどオーセンティックユニフォームの売れ行きが好調な模様です。こういったグッズの売上もクラブにとっては大事な要因となります。

さらに、こちらは最近クラブからリリースされた内容ですが、ふるさと納税という形でクラブに貢献することも出来ます。これは、直接的にクラブに支援出来るというワケではないですが、返礼品の中にクラブ関連商品があることからその分の費用がクラブに入るという形になります。

・ファジビール&ファジレモンサワー(岡山県)

・ファジジンジャーエール(岡山市)

ふるさと納税の返礼を貰えるのは当該自治体外に在住の人に限られるため、県外在住サポーターの方で未だふるさと納税をやったことがないというはこの機会に是非一度やってみてはいかがでしょうか。

・終わりに

今回、さっくりと2021年の経営状況報告について色々と書いて見ました。この記事を書いている当日に行われたアウェイブラウブリッツ秋田戦を1-0で勝利し、プレーオフ圏内の6位に付けています。このあとのGW期間にも連戦は続き、厳しい戦いが続きますが、みんなで応援しましょう!


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