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豆苗さんの体験記:21歳の家出、うまく車を使って。

執筆者の紹介

ハンドルネーム:豆苗
家出時の年齢:21歳
現在の年齢:22歳
現在:大学生

1. 家出時の家庭の状況

 いつものように意味のわからないタイミングで父親の機嫌が悪くなりそのストレスをわたしにぶつける母親、私の下には弟と妹があわせて三人いますが父親の機嫌が悪いと基本的に誰もリビングに寄りつきません。私の部屋が一番リビングから近く、そのせいで不機嫌な父親の母親を責める声がよく聞こえました。

 そのため父親が活動する昼間は部屋からあまり出ず、夜寝静まってから活動することが多くなったせいで大学の授業の参加率が悪くなりました。

 私は当時教職課程を専攻していました。一緒に履修していた班のメンバーがそれをよく思わなかったため、私のいない授業で私の悪口を言うようになりました。それを他の友人から聞かされた私は本格的に大学に行くことができなくなりました。

 家にいても地獄、かといってずっと家にいたら大学の授業をサボっていることがバレてしまう。ほとぼりが冷める間だけでもいい、せめてしばらく人間との接点を絶ちたい、それに教職課程の授業はメンバーに何を言われても発表の授業には参加できていないと不可をとってしまう。メンバーの集まりはいつも深夜の家から何十キロも離れたファストフード店だったため翌日が一限のときは家に帰ると眠る時間すら確保できないという状況でした。

 加えてどんなに学校の集まりだと説明しても「もっと考えて行動できるはずだ」と親にしかられるという地獄のループでした。

2. 決心した後にした準備を主要なものを紹介してください。

 寝泊まりする場所は自分の車以外に選択肢がなかったので、毛布、クッション、ポータブル充電器、財布、教科書、シャンプーリンス歯ブラシ、USBケーブル、リュック、サンダルを準備しました。

 持ち物は全部車に置けばよかったし学校の駐車場内に停められれば違反駐車で切符を切られることもなかったので。

 お風呂もシャワー程度なら学校のジムに備え付けのシャワールームを使えるので授業の前や空きコマを使って入りました。

3. 家出の最初に必要なお金をどうやって工面しましたか。

バイトをしていたのでバイト代から工面しました。

4. 実行時の持ち物はなんでしたか。

教科書、免許証、車のキー、スマホです。

5. 家出をして、最初の1~2週間で何をしましたか。

学校の課題です笑、最初に書いたように大学の同級生たちにサボっていたと思われてしまい、必要な情報すら回してもらえなくなった(軽いいじめ)のでとにかくぎりぎりまで図書館にいたり、車内で勉強をしていました。

6. 家出をして、1~2週間が経ち、それ以降に起こった大きなことを教えてください。

 家族には友人の家に泊まるといってあったのでそれほど執拗にどこにいるのかとかは詮索されませんでしたが、防犯面で起こった出来事があります。

 アルバイトがある日には一度大学を出ないといけないのでアルバイトが終わる時間には当然学校は閉まってるんですよね、となると駐車場にも入れない、仕方なく開門する時間まで門の前に車を停めて一泊せざるをえないのですが、形的には路上駐車、夜中ふと目が覚めて顔を上げると見知らぬおじさんが窓に手を当てて私をのぞき込んでたことがあって、あのときは心臓が止まりました。

7. 家出のメリットは何だと思いますか?

 家にいて常にいつ怒られるかとか、怒鳴り声が聞こえてきて気を張らないといけない・・・っていう緊張感がなくてすごくリラックスできるし、いろんなことを落ち着いて考えることができます。

8. 家出のデメリットは何だと思いますか?

 家出が終わる、と思ったときの気の重さです・・・私の場合、身勝手な行動をすれば今後の行動も厳しく監視されることがわかっていたので今後のことまで考えて家族とすれ違わないよう嘘をついての家出でしたが突発的に家出をするとなると【毒親】相手だと戻った後軟禁されてもおかしくないと思います。
 あと女性一人で当てもなく家出をするのは本当に危険なんだな、と実感しました。

9. その他、家出に際して知っておくべきことを教えてください。

 私はもう成人済みで、自分のことは何でも自分で決定できますし、していい年齢なのですが、何をするにも親の顔色、親がどう反応するだろうか、と考えて踏み切れずにいる癖がついてしまっていることに成人してから気がつきました。

 私自身が親に依存している、私自身が親に縛られているのを気づくのに20年以上もかかっています。どんな形でもいいので、自分の親はどうなんだろう?自分はどうなんだろう?と自分自身に疑問を持つ機会やきっかけになれればとおもい参加させていただきました。

 日本人は自分の国で自分が受けられる資格やサービスを知らない人種、ルールを使いこなせないと言われています。自分を守れるのは自分自身だという言葉は本当にその通りで、自分自身を守るための手段の一つとして持てる限りの情報収集を色んな手段から探してほしいです。そのために使える機関、人、サービスをどんどん利用してください。断られたらどうしよう、自分は守られる存在の対象外なのでは?そう思うのわかります。

 でも、私がそう思って行動できなかった何年かの間にできることがたくさんあったんです。今からでも遅くはないです。一つ知ることで色んな可能性や道が見えます。私自身親の束縛や依存から未だに抜け切れていませんしまだ先は長いですが少しずつ彼らの元を絶つ準備を進めています。

 何歳になったら解放される・・・とか待っていたら私のようになってしまうかもしれません。頑張ってしかいえないけど、無責任に励ますしかできないけど、「このままでいいを」受け入れないでほしいです。

11. 行動に踏み切った直接的なきっかけ

 ツイッターで、車中泊したという友人の投稿をタイミングよく家の空気が悪くなったときに見たのがきっかけです。学校でされた嫌がらせすら相談できないようなとき、(実際には相談したんですが「くだらない」と取り合ってもらえなかった)家にいたら学校に行ってても行かなくても地獄だなと思ったのでいっそ学校に住んでしまえと思って車に飛び乗ってしまいました。

12. 行動中、行動の前後で罪悪感に駆られたこと

 罪悪感は特にないですが、親と連絡を取っているときは家出がいつバレるかとたまにヒヤヒヤしました。


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