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Kindleで卓上カレンダーが作れる

デジタルな卓上カレンダー

卓上カレンダー、便利ですよね。
カレンダーを見るだけならスマホでもパソコンでも見られますが、スマホやPCだと「カレンダーを開く」操作が必要なのに対し、卓上カレンダーは「操作不要」で、モニタ横の卓上カレンダーをチラ見する(視線移動)だけで確認できちゃいます。

すぐ見れるのが卓上カレンダーの最大のメリット

実際、取引先から頂いた卓上カレンダーをモニタの横に置いて利用している方も多いのではないでしょうか。

しかし、「今」が分からない

ただ、そんな卓上カレンダーに対して個人的に「いま一つだな」と思っている点がひとつあって、それが「今日の日付が分からない」という点でした。

カレンダーを見るたびに「あれ?今日何日だっけ?」と思う事がよくあり、経過した日付に ✖️ 印を付けて今日の日付を把握する運用をしてた時期もありましたが、数日 ✖️ 印をつけ忘れてたことに気づいて「結局、今日の日付が分からん・・・」な場面がたびたびあり、これ、デジタルで解決したいなと常々思っていました。

そこで開発したのが、今回の「デジタル卓上カレンダー」でした。

満たしたい要件としては、以下。

  • 常に表示されており、操作も不要 (すぐ見れる)

  • 今日の日付が表示されている

  • どうせならアナログ時計もつけたい

  • 部屋が暗くなったら自動で暗くなる(ディスプレイON/OFFが不要)

の4点。

そして、試行錯誤の末、最終的に出来上がったモノがこちらです。

アナログ時計付き 卓上カレンダー by Kindle

常時表示で「今日の日付」も「現在の時刻」も確認でき、電子ペーパーなので無駄に光ったりしません。ばっちり要件をクリアしてます。

そして、よく見ると気づくのですが、実はこれ、Amazonが製造・販売している「Kindle端末」を流用しています。

あまったKindle端末を流用する

今回、デジタルな卓上カレンダーを実装するにあたって、色々な技術での試行錯誤を繰り返しました。
Arduino や Raspberry Pi 等の IoT デバイスを使って電子ペーパーにカレンダーを表示させてみたり、高価な電子ペーパー端末や、余ったタブレット端末を利用してアプリで実現する方法も検討しました。

そして、最終的に落ち着いたのは「Kindle端末」での実現でした。

Kindle端末に落ち着いた理由はいくつかあるのですが、ディスプレイが「電子ペーパー」である点、消費電力含め「きわめて低コスト」である点、そして何よりも大きいのが「誰でも簡単に手に入る(あるいは既に持っている)」という点が大きいです。

電子ペーパーのメリット

電子ペーパーのメリットは、「紙」と同様、環境光を利用するのでバックライドが不要な分「低消費電力」であり「バックライトを消す手間がない」という点が挙げられます。
真夜中の真っ暗なオフィスで自席の卓上カレンダーだけがポツンと光ってると「アイツ、また電気つけっぱなし…」と評価が下がりそう?ですし、自宅だったとしても就寝前にいちいち卓上カレンダーの電源を切って部屋を暗くするのも面倒です。
なので「卓上カレンダー自体は光ってない」か「自動で暗くなる」のどちらかであって欲しいと考えます。
タブレットを使えば「環境光の変化を検知して暗くする」ことは可能でしたが、iPadのSafariなどは対応していないので、Webアプリとして実現しようと考えていた関係上、タブレット案は捨てました。
その点、電子ペーパーは前述の通り「環境光」を使うので、周りが暗くなれば自動的に暗くなります。

低コストであるという事

コストの観点でいうと、今回利用した「kindle paperwhite 第6世代」であれば、ヤフオクで相場がだいたい3,000円前後、運が良ければ2,000円程度で手に入ります。

「kindle paperwhite 第6世代」ヤフオクでの落札履歴 (~3,999円)

この価格で、Webブラウザが動く電子ペーパー端末は他にはそうそうありません。
同じコンセプト・費用感のプロダクトに「楽天Kobo」もありますが、何種類か入手して比較・検証してみた結果、今回はKindleに軍配が上がりました。
※Koboの方が良い点もありましたが、それはまた別のところで書こうかと

ちなみに、電子ペーパーは、パーツ単体で買うと結構なお値段がするのと、電子ペーパーに文字や絵を表示するための仕組み(マイコン・バッテリー・ケース・その他)に別途費用がかかり、なにより、組み上げるのにそこそこ専門知識が必要になります。
オールインワンのプロダクトとして完成されていて3,000円弱で入手可能なKindleのコストメリットとお手軽さが際立ちます。

またコストと言えば、iPadなどは特にですが、タブレット等は「卓上カレンダー専用の端末」とするには、いささか高価すぎるという点も候補から外す理由のひとつでした。
※他の用途に使ってしまうと「常に表示」ではなくなってしまう

誰でも簡単に入手できるという点

また、みなさんにオススメしたい最大の理由が「誰でも簡単に入手できる」という点です。
前述の通り、Kindleの古い端末を再利用するだけなので、ヤフオクやフリマで安く簡単に入手できますし、もしかしたら以前使っていたけど今は使っていない「あまったKindle」がお手元にあったりするかもしれません。

高価なタブレットを購入する必要はないですし、「ディスプレイやマイコンなどのパーツを組み上げてパソコンからプログラムを書き込む」などの専門知識も必もありません。
手元のKindle端末でブラウザを開き、URLを入力するだけで、卓上カレンダーが完成します。

そのための「Kindle端末を卓上カレンダーにするWebサービス」を数年前に作って、ずーっと使い続けているのですが、自分一人で使ってるのも勿体ないので、せっかくなので公開してみようかなと考え、今回このようにして記事化するに至った感じです。

Kindle向け卓上カレンダーサービス

今回ご紹介する「Kindle端末を卓上カレンダーにするWebサービス」がこちらのサイトです。

日々使っているので、わりと改良を重ねています。
色んな機能を追加したり、思ったほど使わないという理由で削除した機能なんかもあります。また、見た目を整えたりも時々しています。
使い方は、サイトの方にも記載してありますので、ここでは割愛します。

あと、これは割と重要なことなのですが「昔のKindle端末でないと、常時表示はできない可能性が高い」という点は要注意です。
具体的には、Kindle端末のスクリーンセーバー(Sleep Mode機能)をOFFにできる「~dsコマンド」を使えるのが旧端末だけなので、~dsコマンドが使える端末を決め打ちで準備する必要があります。この1点だけ、注意が必要です。

とはいえ、「kindle paperwhite (第6世代)」以前の端末は問題なく使えるので、低価格で入手できる旧端末であれば、基本大丈夫だと思います。

以上、「Kindleで卓上カレンダーを作る方法」でした。

個人開発で仕事の合間に作ったWebサービスなので、色々と作りが荒かったり、改修中で動作が不安定な場所があっりもしますが、その前提でよかったら是非使ってみてください。

そして、ご意見・ご感想等頂けたら嬉しいです。


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