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iPhone SE (第2世代) 発表

日本に帰国できるか怪しくなってきて悲しみの僕です。どうも。
※もう日本にいます。noteサボりすぎでは🤔
先日前々より噂されていたiPhone SE の更新が為されたのでまとめます。
※実はこの記事、発表後数時間でほとんど書き終えていたのですが、最後まで書ききれず投稿し損ねた為に、完全にタイムリーではなくなってしまいました。まあいっか。

§ SE とは
iPhone SE は他のiPhoneと比べて異端な存在です。モデル名に数字が採用されていないことや発表時期がiPhoneでは唯一春であることからも見て取れるでしょう。因みにSEは”Special Edition”の略です。
スマートフォンが携帯電話としての新しい地位を確立し消費者に広く受け入れられるようになってから凡そ10年ほど経ちました。この間に様々な変化を遂げてきましたがその中で顕著に見られたのが端末サイズの大型化です。より多くのコンテンツをスマートフォン上で消費するために、大きなディスプレイを持つことはなにかと都合が良かったのです、最近では大型化の傾向は飽和し、折り畳み可能なものが発表されるなどしています。他方、大きなサイズの製品群よりも取り回しの良いコンパクトなサイズを求める消費者も一定数おり、他企業は端末を数多く展開し、消費者に求めるニーズに対処してきました。そのような背景から生まれたのが iPhone SE です。後述する第1世代 SE の成功による誤解として、この機種の位置付けが挙げられます。確かに他のものと比べて小ささが売りになってはいるものの、Appleの意図するSEの持つ特性は飽く迄筐体流用によるストックマネジメントとコストパフォーマンスの両立であって、小型のスマートフォンを提供することではないのです。

§ 第1世代の成功
2015年9月に発表されたメインストリームである iPhone 6s シリーズの半年後の2016年3月に廉価版の位置付けとして、第1世代の iPhone SE はお披露目されました。iPhone5s の筐体を流用し低価格を実現しつつも、ハイエンドの系譜である6sと同じSoC“A9”を搭載するといった、内部パーツの更新をすることによってコストパフォーマンスの優れたものに仕上がっています。一方でカメラやディスプレイ解像度等の性能を据え置きにすることで、iPhone製品群の中で差別化が図れていました。そして本流の2年前の筐体を使用したことで大型化以前のコンパクトサイズを求めていたユーザのニーズと合致し、結果として成功を収めました。

§ 第2世代の性能
前世代の成功から4年、更新されることはないとも言われていましたが、第2世代SEがホームページ上で発表されました。コロナ禍の影響により、例年開催されているイベントではなくひっそりとそのベールを脱ぎました。筐体は2年前のiPhone8を流用し、SoCやその他諸々の内部性能を向上させるという、前項で言及した通りの特徴を持ちます。

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ディスプレイについては概ねがベースとなっているiPhone8に準拠した性能となっています。画素密度は変わらないものの、前世代と比較して対応する色域がsRGBからP3、標準コントラスト比が800:1から1400:1へ、輝度は500nitから625nitに向上した一方で、触覚フィードバックに用いられる技術がTapticEngineからHapticEngineへ変更されています。これは物理的稼働部品を排除する近年のAppleの姿勢ですが、僕はTapticのものが好きですね

カメラは単眼で8と同じ絞り値や撮影性能(解像度・fps等)ですが
前述の通り内部パーツは現ハイエンド機種にあたる11シリーズと同じものを採用している為、ポートレート撮影などのCPUのニューラルエンジン処理能に依存する部分は8のそれを大きく上回ります。抑も、8にポートレート撮影機能はありませんが。
というのも、同じiPhoneのポートレート撮影でも仕組みを2つに分けることができます。一方は、複眼カメラにおいて広角と望遠の夫々のレンズで被写体と背景を認識し、背景側の画像をぼかすことで、ポートレートレンズでの撮影を再現しているものです。しかし他方、単眼カメラにおいてはこの仕組みは成り立ちません。被写界深度差を認識するために必要な物理的構成部品がない分、アルゴリズムで被写体を背景と分離し背景側を機械的にぼかしています。つまりこの“アルゴリズム”の部分の性能差はSoCに内包されるニューラルエンジンに依存することになります。ニューラルエンジンとは機械学習処理を行うプロセッサのことで、これが画像処理プロセッサと連係することでより精緻なポートレート表現を再現しているのです。これはiPhoneXRに初めて搭載され、Appleはこれを “new era of photography” とアピールしました。少し話が逸れましたが、新SEは最上位機種に引けを取らないカメラ性能を有しています。

iPhone8の筐体を流用している故、ホームボタンが残っています。その為、セキュリティオプションは指紋認証であるTouchIDです。昨今は、フェイスマスクをする状況が続いていることや、FaceIDへいまいち乗り気でない人にとっては嬉しいニュースなのかもしれません。

SoCはA13、WiFi 6 (IEEE802.11ax)、予備電力付きFelicaエクスプレスカード、DSDS(デュアルシム-デュアルスタンバイ)等々、上位機種と足並みを揃えた構成となっているので、iPhoneの中で(((ココ大事)))最もコストパフォーマンスが良いと言えます。
特にSoCが優秀で、Android端末のハイエンドモデルと比べても遜色なく、寧ろ上位存在です。一概に比較はできませんし、発表時期にズレがあるのであてにはならないですが。例えば、A13 と Snapdragon 865 をベンチマークスコアで比較した場合、シングルコア・マルチコアともに競り勝っていて、グラフィックスコアは倍以上を叩き出しています(MetalとOpenCLというレンダラーの違いはある)。一方でAI処理は倍以上の差をつけられており、このように一長一短の性能です。但し、比較対象として挙げた Snapdragon 865 を搭載するものは、iPhone 11 Pro などのハイエンド端末と同じ価格帯(10万円以上)が多く、それを半値程の第2世代SEで体験できるというコストパフォーマンスの高さは特筆すべき点と言えます。

§ 買いなのか?
Yes. 先述のSoCにしろ高い内部性能を有していることは、より長期的使用を可能にしており、コストパフォーマンスに大変優れているからです。個人的にFaceIDは欠かせないので購入候補にはなりませんが、殆どの人はこの端末で十分でしょう。

それではまた。

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