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日本語教育史から見た2024年①

はじめに

 日本語教育史から2024年以降の日本語教育を概観してみる。
 私見ではあるが、日本語教育認定法の制定は、将来的に国が外国人を受け入れるときの日本語訓練必須化としての公設または準公設語学教育機関設置を考えてのことではいかと、うがった見方をしてしまう。登録日本語教員制度もその教育機関で教える人材の用意、公認日本語教育施設は、今後の展開では語学サービスを提供する機関として、留学ビザの告示機関であっても併設を認めておく先行投資であろう。
以下仮説的に論じてみたい。

 第一に「日本語教育の参照枠」の採用である。

 第二に認定日本語教育機関の教員は全員登録日本語教員であることが認定法に明記されていること。認定法「第七条 認定日本語教育機関において日本語教育課程を担当する教員は、第十七条第一項の登録を受けた者でなければならない。」「第十七条 日本語教員試験(日本語教育を行うために必要な知識及び技能を有するかどうかを判定するために行う試験をいう。以下この章において同じ。)に合格し、かつ、実践研修(認定日本語教育機関において日本語教育を行うために必要な実践的な技術を習得するための研修をいう。以下この章において同じ。)を修了した者は、文部科学大臣の登録を受けることができる。」

 第三に登録日本語教員の試験が大卒以上になっていなことである。

 第四に(国の責務)第四条国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、日本語教育の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)第五条地方公共団体は、基本理念にのっとり、日本語教育の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
の項から、この責務が何を意味しているかである。

  これらの四つの仮説から考えられることは、将来的に日本の移民政策として、語学の必須化とサービスの提供化が十分考えられることである。

 第一の問題は参照枠がすでに実施されているCEFRと軌をを一にしようということである。これは戦前は日本語を主導的にアジアのリンガフランカに使用としたことの反省もあり、国際協調の意味合いからもCEFRに準拠したものと思われる。

 第二の問題は政府主導の語学機関は教員が国家資格であることを前提としていること。基本政府が主導することから政府承認の資格者が教壇に立つということ。

 第三の問題は認定日本語教育機関は必ずしも法務省の告示機関である必要がないため、大卒以上を必要としないことである。

 第四に国の責務とは地方公共団体の責務とは国および地方公共団体が主導する教育機関の設置であることが十分予想されることである。
 したがって、法務省告示機関は留学ビザを前提とし、そのままであるが、生活者としての外国人の受け入れは、留学ビザ以外を対象とするため、法務省告示機関への規則にとらわれる必要がない。今までの地方での日本語教室の他に教育機関を設置しなければ、道理が通らない。地方の日本語教室は今度は公設の日本語教育機関を補完か補習する機関として位置づけられる。

以上のことから将来的に公設の日本語教育機関を設置する布石である。 



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