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なぜ診療録をかかなければいけないのか?

今日は診療録(いわゆるカルテ)をなぜ書く必要があるのか?についてのお話です。

「また医療提供者向けのお話か~」

申し訳ございません。

まあ、興味を持ってくださる読者の皆様は引き続きお読みください。

筆者がすぐに思いつく診療録を書く3大理由をあげますね。

①医療法に基づく診療録の記載・保存の義務

②医療関連の紛争・訴訟の資料

③患者の皆様の診療内容の記録

まあ上記①~③については、医療提供者の皆様であれば「まあ、そうだよね」と納得していただける診療録記載理由となっているのではないでしょうか?

ここでちょっと診療録の話題から離れます。

一般的になんらかの記録・文章は書きて「イイタイコト」「ツタエタイコト」を読者に伝えるために記載するものです。

ですから、診療録も記録・文章であるからには、必ず想定されている「読者」があるはずです。

では、診療録で想定される「読者」はいったい誰なんでしょうか?

「診療録・カルテ」なんて主治医しかみないんだから、読者は「自分」なんじゃないの?

う~ん、まあそういう場合もあるかもしれませんね。

でも②の理由では診療録は医療訴訟や紛争の際の資料にもなりうるものですから、自分以外の第三者(法律家等)も読者となる可能性はあるかと思います。
ただし、②の理由での読者は非常に稀なものではあるかと。

本ノート筆者は、診療録は読者として、「自分以外の医療提供者すべて」を想定して記載する必要があるものである~と考えております。

もし、あなたがある患者さんを診療されていたとして、あなたが全集中で診療中ず~っと担当患者さんの傍にいて、すべての診療内容を把握・継続されているのであれば、診療録は書かなくても、その患者さんの診療は計画的に継続できるかもしれません。

でも、あなたも人間です。

「全集中常駐でず~っと担当患者さんの傍にいること」はおそらく非常に困難でしょう。

お腹もすきますし、眠気も来ます。

担当患者さんの傍を離れざる負えない時間は必ずやってくるものです。

その際に、他の医療提供者があなたの計画した診療内容を継続するにはどうすればよいでしょうか?

「そんなの簡単ですよ~適切に会話で『引継ぎ』すればいいじゃないですか?」

そうですね。あなたが引継ぎ相手と『会話』が可能な状況であれば・・・

でも、予期せぬ悲劇は突然やってくるものです・・・

たとえば大震災。

突然の大きな地震が発生すれば、通信が不可能となることは想像に難くありません。

また、あなたが突然診療不能となることもあるかもしれません。

病気、事故、事件・・・診療を担当しているあなた自身が、予想だにしていない厄災にあってしまう~なんてことも未来にはあり得ることではありますね(もちろんそんなことはない方がよいのですが)。

そのような事態も予想・想定して、③患者の皆様の診療内容の記録を中心に診療録・カルテを記載する。

そして、診療録の記載内容は、緊急時に必要と想定される読者=他の医療提供者~に正確にイイタイコト・ツタエタイコトが伝わる文章・記載内容であることが重要なのですね。

まとめ

本ノート執筆者の考える「診療録を記載する本質的な理由」

突然、自分が診療に参画できない事態が訪れても、計画的に患者の皆様の診療を継続するため

では、診療録の記載内容はどのようなものが望ましいでしょうか?

次回は、診療録・カルテの記載内容の望ましい姿をお話させていただきます。

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