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PI値って何? その1

 

PI値って何?シリーズ、その1からその7までの7本を集約したマガジンです。その1のみのレポートとデータは下記からご購入できますが、7本すべてが購入できる、こちらのお得なマガジンもご検討ください。


これまで約300本(2021年3月1日現在)の動画をアップしてきましたが、はじめて、PI値の用語解説を試みました。PI値は約30年ぐらい前に2冊本を出版し、それ以来、実践活用してきた指標ですが、意外ですが、真正面から取り上げたことはあまりなく、その後、平均単価を加えた金額PI値に関心が移り、ID-POS分析のユニーク客数を活用したID客数PI値、すなわち、頻度に関心が移り、最近ではAIを活用し、併売、リフト値へと関心が移っているため、その原点のPI値を基本から取り上げることはなかったといえます。
 今回、改めてPI値を取り上げてみると、やはりここがPOS分析の原点であり、ここをしっかり押さえておくことが重要であると再認識しました。あまり欲張らず、ひとつひとつ、時間をかけて、PI値を解説してゆこうと思います。
 今回はその1として、まずは、PI値の実例をバナナで示し、それをもとに、改めてPI値のポイントをまとめたところで、留めました。恐らく、解説が十分でないところが多々あると思いますので、そこは追って、さらに解説動画を追加したいと思います。また、その2以降も、現時点で、その7までテーマは用意していますので、順次、急がずに、じっくり構想を練り、的確な事例を選定し、わかりやすい解説を試みたいと思います。
 PI値はこの30年でほぼ小売業界に定着し、POS分析、ID-POS分析の基本指標のひとつとして実践活用が進み、自動発注等にも応用が進んでいます。小売業の方はほぼ毎日目に触れる指標のひとつかと思いますが、その本質、応用、活用等が十分にできていないケースも多々あります。
 PI値は誰でもオリジナルなPI値を作ることが可能ですし、その活用も工夫次第で、用途は無限といえます。今回、この動画を通じて、PI値の本質を理解し、オリジナルなPI値の実践的な活用につなげていただければと思います。

(動画の字幕)
ブログ、食品スーパーマーケット最新情報です。IDプラスアイの鈴木です。今回は基礎用語解説シリーズで、PI値を取り上げます。PI値って何?っていうテーマです。POS分析、ID-POS分析の基本指標の1つとなります。PI値の略は、Purchase IndexのPとIを取ってPI値となっています。
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では、実際のPI値を見てみたいと思いますが、こちら側が、バナナのPI値を集計したものです。このスーパーの客数が353,368とあります。これは、約5店舗の、店舗の集計になります。それからバナナの分類の客数が29,220人となります。そして、バナナ全部で7品ありますが、それぞれの客数が、こちらになります。No.1のバナナ、これPI値順に並んでいますが、11,399人という客数です。この時2カ月間の集計ですが、12,599本のバナナが売れています。7番目までフィリピンバナナ、それからバナナの2番目ですね、それからプレシャスバナナ、フィリピンバナナ、タイガースバナナ、それからタイワンバナナという形で、7品目です。
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で、PI値は、いくつも作ることが可能です。例えば、ここでは3つのPI値を作ってるんですが、店舗全体の客数で割ったPI値。それから、分類の客数で割ったPI値。それから単品の客数で割ったPI値ということで3つ作っています。これ以外にもPI値を作ることは可能です。基本的には、数量を客数で割ってPI値となりますので、客数が色々取れればですね。その客数に応じたPI値を作ることが可能となります。一般的によく使われているのは、店舗全体の客数を分母としたPI値です。ここになりますが、このバナナ、No.1のバナナを見ていますけれども、12,599個のバナナが店舗全体の客数353,368人で割ってPI値 0.036、小数点以下3位、第3位までを出力してますけども、0.036となります。で、このまま使う場合もありますが、これを100倍して3.6%という形で、パーセントで使う場合もあります。それから更にこの数字を1000倍して35.7個という形で使う場合もあります。小売業では100倍を使うケースがかなり多いですが、一般的にメーカーと卸等では1000倍を使うケースが多いといえます。どう使うかは、実務に落としやすい方向で、使えばいいというのがポイントになります。で、分類のPI値は、今度は客数が分類になりますので、29,220で割って、PI値が0.431という形で出力されます。それぞれ100倍、1000倍の値です。そして単品のPI値は、この1番目のバナナだけの客数11,399で割ってPI値を算出します。1.105となります。100倍は110.5%、1000倍すれば1105.3個という形になります。こういう形でPI値は色々算出が可能です。
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まとめますと、PI値は、数量÷客数で算出されますので、客数が今回の場合のように単品の場合、分類の場合、それから店舗全体の場合の客数によってPI値が、今回のケースでいえば、3つ算出されたということになります。これ以外にも客数がセグメントして作れればですね、PI値はいくつでも作ることが可能です。ただし、ポイントですけども、一般的によく利用されるPI値は店舗全体の客数、これを使ってPI値を算出します。その理由としてはですね、客数が読みやすいという面が1つあります。分類の客数とか、単品の客数は読みにくいんですが、店舗の客数は比較的読みやすいということで、その辺が店舗のPI値が使われる理由の1つです。それから、そこから算出するPI値そのものも読みやすい、ということもいえますので、これは2番目の発注とも関わってくるテーマですが、PI値が読めれば、発注に活用できますので、そういう意味でここもポイントになります。そして3つ目は、比較し易いと。そもそもPI値は比較するために生まれた指標の1つですので、そういう意味では、店舗間比較が容易にできると。その時に店舗の客数を使っていた方が、店舗間比較がし易くなります。それから時間比較。これは昨年とPI値を比較することですね。先週と比較することという形で、この比較がし易いです。で、最後、商品ですけれども、これは例えば、今回、バナナのケースを取り上げていますが、バナナとリンゴとかですね、バナナとイチゴとか、商品間の比較もし易いということから、店舗全体のPI値が使われるケースが多いのが実態です。
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それから2番目ですが、発注で活用できるということで、この数式、数量を基に数式を置き換えるとですね、こういう形でPI値と客数が分かれば、数量に予測ができるということで、数量が読み易くなって、結果的に発注に応用できると。実際、自動発注等には、かなり活用されているのが実体です。
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それから3番目ですが、オリジナルな基準を作ることが可能ということで、いろいろな基準を作っていけることがポイントになります。例えば、20年前位に作った、私の作った基準ですけども、PI値1%という基準があります。これは食品スーパーマーケットの売場で展開されている商品が1万SKU、1万種類を超えるわけですけれども、その内、PI値1%ですね、100人に1個、売れる商品ですね。この商品は、どんなスーパーマーケットでも200から300品位しかないというのが実態で、これが基準化されるとですね、重点商品をPI値1%で判断することができるということで、商品管理とか、売場管理に活用が可能ということで、こういうオリジナルなPI値の基準を作ることが可能になります。
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以上、PI値って何?という、基礎用語の解説となります。

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バナナのPI値の事例

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