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きみはぼくのともだち(テヒョン編4)


テヒョンくんは私の友達だと思っていた。
私たちの友達だったはずだ。
街ですれ違ってもきっと向こうからは気付かれないし、今どこで何をしているのかも知らないし、トランペットを習っていて‘ドレミファソ’まで吹けることも知らなかったし、トランペットをやりたいとずっと昔から思っていたのになぜサックスやバイオリンを習っていたのか…その理由もきっと一生分からないままで、だけど周囲の人には話さない心の奥の話をときどき共有していたりして、そういうちょっぴり不思議な友達だったはずなのだ。


私たちは勘違いしていたんじゃないだろうか…?
私の中のキムテヒョンは、スマホの画面がバッキバキに割れていて何を言い出すか分からなくて、真冬でも素足でサンダルを履いてかっこつけていて、知らない音楽をどんどん流しては大きな声で歌ったり踊ったりしていたあのやんちゃなキムテヒョンのままだから、うっかり親近感なんて持ってしまっていたけど、実際彼の友人は大財閥かもしれなくて、みんなが知ってるテヒョンくんの友達はマーベル作品に出演するために遥か海の向こうにいる大スターだ。


彼のことをとても良く知っていると勘違いしていたけど、本当は何も知らなかったのだ。


テヒョンくんが大人になった理由の一つに花郎のヒョンたちと友達になったことがあるのは確かだ。だけど、とあるリアリティ番組を見ていて気づいてしまった。ウシク氏とテヒョンくんの言葉や仕草は、とてもよく似ているのだ。
私たちの知ってるあの頃のテヒョンくんとは違う話し方や独特の表情をするとき、それは全部ウシクのそれによく似ている。
彼の出ているドラマを観ていて、役作りのモデルをテヒョンにしたんじゃないか…?と思うほど、絶妙にお互いのエッセンスを感じる。
仲の良い友達同士の口癖や行動が似てくるようにお互いに似てきただけなのかもしれないけど、ユーモアに溢れていて英語も堪能でお洒落な音楽をたくさん知っている彼にテヒョンくんがあこがれを感じて似ていってしまっているとしたら、影響されやすいテヒョンくんはやっぱりまっすぐな素直さを持っていそうで、とてもとてもかわいい。


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(イチゴだけを一生食べたら、イチゴおばけになるからダメです、と話しているテヒョンくん)



最近、テヒョンくんはよく怒っている。
怒っている…というのは少し語弊があるのかもしれないけど、ゴシップや根も葉もない噂に苦言を呈したり、苦言を投げたかと思えばすぐにそれを消したりする。

汚いものを見ないでほしい。
意味不明な誰かの声なんて聞かないで、おしいものをたくさん食べて優しい人たちに囲まれて楽しく暮らしていてほしい。
どこかの国のアーミーがweverseに「嫌なものを見て傷付かないでね、たくさん寝ておいしいものをいっぱい食べて」というような内容のメッセージを残した。
テヒョンくんは
「もちろんです!僕は思ったよりSUGAのメンタルぐらいだよㅋㅋㅋㅋ」と返事をしていて、いつかぼんやりと思ったことはあながち私の妄想ではなかったのかもしれない…と思った。

“美しいものはあまりにも儚くて、かたちあるものはどんどん変わっていってしまう。 心ない人たちに傷つけられて、世の中の悲しい仕組みを目の当たりにして、純粋なテヒョンくんが変わってしまったらどうしよう。(略)
たぶん彼は、みんなが思っているよりずっと大人で、世の中の悲しさもずるさも、汚しさも知っていて、それでいてとても強い”

テヒョンくんは私たちが思うよりずっと大人で、ずっとちゃんとしている。


Vliveで言ってはいけない商品名を連呼したり、
「最近コーラを飲んでいません(キリッ)」と言ったのに昨日ファンタオレンジを飲んでいたことを秒でバラされたり、はちゃめちゃなかわいさを放つから、うっかり「汚れなきキムテヒョンを私たちが守らなきゃ!」と謎スイッチをオンにしてしまうけど、テヒョンくんはとても冷静に世の中を見ているし、きっと傷つくことのやり過ごし方を知っているんだと思う。

最近偶然耳にした、とある人の言葉がとても心に残っている。
“人の心は傷つかない。傷ついているのはプライド”“傷ついたならそのプライドは不要というサイン”らしい。
この話を聞きながら、私は彼のことを思い出していた。
(私のnoteをいつも読んでくれている人たちにとっては小学生の頃の同じ話を一生するけれど)
テヒョンくんが小学生の頃、友達にいじわるをされて誕生日会に招かれなかった日、テヒョンくんは友達になんとかプレゼントを渡し、帰る時間になったからとその場を去り、泣きながら帰った…というエピソードがある。
無理をしないで、自分とよく合う人とだけ仲良くしていたらいいと考える彼もまた、傷つけられたときの受け流し方がとても上手い気がする。


私はよくキムナムジュンのコミュ力のすごさを目の当たりにするたびに、この人は人生何回目なんだろう?と思うけど、テヒョンくんもそうだ。まだ20代の男の子なのに、彼の考え方はとても穏やかで正しく優しい。


テヒョンくんが私たちの前で怒っているように見えるとき、それはたいてい自分の為ではない。
ネガティブな話題には触れない方が“賢い人”扱いされる世の中で、何もなかったように振る舞う人が素晴らしい人扱いされる世の中で、おかしいことはおかしいのだと言えるテヒョンくんの正直さを私はとても素敵だと思う。
ネガティブなものを見たとき、声をあげることも出来ず、ただ黙って傷ついている人たちの盾になるように、そっと寄り添えるテヒョンくんをすごくすごく素敵だと思う。



私のスマートフォンの中にいっぱいの、無邪気でかわいかったあの頃のテヒョンくんはもういないんだな、と時々思う。
そしてそう思った矢先、最新のコンテンツの中で楽しく遊ぶテヒョンくんの姿はまるでタイムスリップしたみたいに何一つ変わらないままだったりもする。
勝手にすっかり落ち着いた話し方になった気がするけど、案外おしとやかに話すのは昔からなのだ。


日本のリリイベで、最近お気に入りのファッションアイテムを教えてくれたテヒョンくんは、何色ですか?!とメンバーたちに聞かれて黒です!と言ったあと人差し指を口に当てて、とびきりかわいい、いつかみかんがすっぱかった時みたいな顔をして「しゅッしーッしッッ!ひみつですっ!!!」と言っていた。
「火曜日はハグの日」と言いたくてしょうがなかったあの日のかわいさで、空にアンパンの雲を見つけて喜んでいたときと同じ無邪気さで、大人になったと思っていたテヒョンくんはきっと擦れてない汚れのないキムテヒョンのままだ。



テヒョンくんは初めてドームという大舞台に立った日のことをまだ覚えてくれているだろうか?
あの日、のちに『風景』という自作曲のヒントにもなったと話していた『ラブレター』という映画のセリフを、気球に乗ってファンたちに叫んでいたテヒョンくんを私はとてもよく覚えている。
物語のクライマックスで主人公が叫ぶ、
“愛してる”という言葉では語り尽くせない想いの詰まったあのセリフを、あのときどんな想いで口にしたのだろう。ただのノリだったのか、それともあれがテヒョンくんにとって最大級の感謝の表現だったのか、テヒョンくんの本当の気持ちはきっと誰にも分からない。


「お元気ですか?」「僕は元気です!」


とびきりかわいくて、汚れない真心のこもったその言葉を今、そっくりそのまま彼に投げ返したい。


お元気ですか?
今日もどうか穏やかな日を

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※おわりに
最後まで読んでくださりありがとうございます。
このnoteは人物の考察ではありません。だれかの中の“好き”という気持ちがいっぱいになりますように。






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