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アイドルと日々(この世界にジャムを塗って)


昨夜、私の大好きなアイドルは体調不良を隠していつもと変わらない、もしかしたらいつも以上のステージを私たちに見せてくれた。
忙しくて自分の時間がないと嘆きながら遅い食事をとり、私がだらだらとツイッターを開く時間、彼らはステージを終え、また新しいアルバムの作業に戻るのだと言う。

その日のステージのスクリーンには「IDOL」という曲の頭文字に隠されていた“I’d do it all”という言葉が映し出されていた。


彼らの一日はその言葉にぴったりだ。


そんな人たちが必死に生きる日々と平行する、私の生きる今日はどうだっただろう?
この世の中には、人の気持ちの分からないクズがいる。自分さえ良ければそれでいいと周りに迷惑をかけたり、或いは人を傷つける輩がいる。
そして、多くの人たちはそうではない。隣に困っている人がいれば親切にするし、迷惑がかかるような行為を避けるし、人を傷つけても何とも思わないクズを嫌う。
だけど相手がそのクズならば、その人が嫌がる行為をしたって問題ないらしい。誰だって、自分が一番正しいのだから。多くの人が同じ意見だから、私は間違ってないのだとそれぞれの正義を振りかざす。

みんなやってるから。

みんながやってるからそれでいい。
だけど、みんながやっているから正解だと思う感覚をとても恐ろしく思うのは、私がおかしいからだろうか。

私の大好きなアイドルたちも、同じことを言うのだろうか。


明け方、メンバーの一人がファンたちのチャットルームに現れたそうだ。
写真で会話をするというルールのチャットルームだったのだろうか。
眠れなくて訪れた“孤独の部屋”というチャットルームで、ルールが分からず、ファンたちに注意を受けた彼は、「孤独…できなくて怒られました。」とファンカフェにかわいいコメントを残していた。
彼が作った「네시」という曲のタイトルと同じ明け方の4時のできごとだ。

翌日も早く起きなくてはいけないだろうに、そんな時間まで何をしていたのだろう?
何を考えて眠れない夜を過ごしていたのだろう?

孤独について勉強してきますねとかわいい冗談を言った彼も、孤独を感じることがあるだろうか。
世の中とのズレや、どうせ誰にも分からないだろうと心にしまってしまう思いが、彼の心の中にもあるのだろうか?
眠れないその夜に考えたことが、孤独なんかじゃなかったらいいのにと私は思う。
そんなことはありえないと分かっていても、私たちの大好きなててくんが、そんな気持ちを一生知ることなく生きていけたらいいのにと思う。



今日、昔好きだったロックスターの曲を聴いた。

ふと思い出して久しぶりに聴いた音楽の中で
“僕はずっと一人かい?”と歌う伸びやかな声と独特のセンスの光る歌詞を聴いていると、歌の中の世界では、どこにいてもいつでも、永遠にひとりぼっちでいるみたいなその人の、さみしさのことを思った。

幼い頃からみんなと違っていて、女の子たちがほおっておけない、ドラマみたいなエピソードの詰まった人生を歩んできたであろう、とても美しくて、宇宙で一番孤独みたいだった彼は今、心の底から誰かに愛されているのだろうか?

今そばにいる女の人が、その誰にも分からないはずの心を、そっと受けとめてくれるだけの賢さと温かさと大きな愛を持っている人だといい。

“孤独”がちゃんとできなくて、「勉強してきますね」と得意のチャーミングな冗談を言えたらいい。

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