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おかえりマイユーフォリア(ジョングク編2)



1.  こんにちはストレンジャー


ジョングクがジミンくんの耳を噛んだ。

…いや正確には、それはあまりよくない画質と角度の創り出した錯覚で、ただ唇が当たっただけなのかもしれない。普通に考えて、私のとんだ勘違いだろう。
ただグクは、スタジアムという広大な会場を埋め尽くすアミボムの光の中で涙を流したジミンくんを後ろから包み込んでいた。そしてグクの唇はそっと優しく、ジミンくんの耳に触れたように見えた。

だけどおどろくのは、ジミンくんが顔を覆って、また涙を流し始めたことだ。くすぐったくて笑ったり、突然の距離感におどろいたりするそぶりもなく、涙でいっぱいになったかわいい目を、また一段と細めて、ジミンくんは泣いていた。

泣かないでと優しくされるともっと涙が出るのは、そう言ってくれる相手の優しさがうれしいからだ。
泣かないでと言ったグクはジミンくんの耳元で何を囁いたのだろう。囁かれたであろうその言葉にも、まるで子犬がじゃれ合うみたいに、触れた耳や手から感じた温度にも、ジミンくんはとても慣れているかのように、自然と受け止めているように見えた。

どうしてだろう?
突拍子もない突然のグクの行動や距離感は、ジミンくんにとって日常なのだろうか?

分からない……。

だけどグクがくれる愛の深さとずっしりとした重たさは、とてもとてもよく分かる。
70億人の人々が溢れるこの世界で、こんなにまっすぐに愛をくれる人がどのくらいいるんだろう。こんなに特別な男の子に愛されたら、とてもとても幸せだ。
とっても優しくて少し危険で、予測不能な彼の愛は、どんな言葉でも測れない。


ジョングクのパーソナルスペースはバグっていると思う。
突然、前ぶれもなくぐっと顔を近づけてきて何かを耳打ちしている時、近づいて来られたメンバーはとても長い付き合いのはずなのに、たいていの場合とてもおどろいている。
ジミンくんだって年始の歌謡祭ではふっと顔を仰け反らせてた。あまりにも急だから…というのもあるかもしれないけど、距離感が圧倒的に近い。
親しい間柄であっても少しためらってしまうほど頬と頬がぶつかってしまいそうなほどに近い。
メンバーや家族にだけそうするのだろうか…?
昔ひとりで弘大の街をプライベートで訪れ、その場に居合わせたファンと複数枚の写真を撮っていた…というちょっとした事件があったけど、その距離感もでろでろに甘かった。元カノと噂される子とのプリクラに写った彼もまた、まるで初めての恋じゃないみたいに、その2人の距離はとてもとても近くてチャラかった。
憧れのIUちゃんと目も合わせられず、一定の距離を保ち続けるシャイな男の子とはまるで別人みたいだ。
この甘さは、彼のどこから振りまかれているのだろう?
グクがひとりでVliveをする時、私は画面の中の彼にあの写真やプリクラの中の男の子を見つける。いたずらに笑う大きくて丸い目は、とても潤っていてきれいで、画面の向こう側にいる星の数ほどいる私たちへ向けられた眼差しはとてもとてもでろでろに甘い。



2  愛にあふれたBIG BABY


「僕は赤ちゃんじゃないです。」

Vliveでファンからのコメントに対してこんなことを言っていた。
ジョングクは赤ちゃんだ。とARMYたちは総出で突っ込んでいたけれど……ジョングクは赤ちゃんだ。
習っていたピアノはどうなったの?と聞かれ、つい練習を怠けてしまうのか『僕を掻き立てて叱って宿題を出して…僕を気遣ってくれる人はいないかな?』と話していたけれど、(同じ日のVliveで2回も言っていた。)その甘えたようなかわいさったらなかった。
「なんで体に良いものはまずいのに、体に良くないものはおいしいんだろう?」と聞いてきたのも抜群にかわいかった。
最新のVliveでは「本当にお風呂に入るの面倒だな。」とも言い放った。
気を抜いたら本当に恋をしてしまいそうなほどかっこいい大人になったジョングクは、そんな時、私の目のフィルター越しにコナンくんのように小学3年生ぐらいの男の子に縮む。

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小学生といえば、『Run BTS!』Ep.69からのナイアガラ編のジョングクは本当に本当に末っ子感に満ち溢れていた。
昼食に訪れた店で余ったピザを食べる人をじゃんけんで決めていたシーンで、ジョングクは全力だった。最下位から逃れた時、メンバーたちの後ろでひとりでポーズをとって大きな声でよろこんでいたし、朝起きてくるのも最後のほうで、ぼやぼやと現れたその姿はビッグベイビーそのものだ。

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ナイアガラ編といえば、ゲームに負けて朝食係りになったグクが、その日ジミンくんが罰ゲームをするからと一番大きなパンケーキを焼いていたのがとてもかわいかった。はじめは「なんで?」と普通のテンションで聞いていたジミンくんがその理由を聞いた後「ちんちゃ?」と言った言葉の明るい響きもとても喜んでいるみたいに聞こえて、この子たちのお互いを喜ばせる方法の知り尽くしかたを、とてもうらやましく感じた。


チョンジョングクはとてもかわいい。
“ARMYも知らない、僕たちだけに見せる特別なかわいさがある”とメンバーが話していた、謎に包まれたかわいらしさのかけらを「Euphoria (DJ Swivel Forever Mix) - JK memories」で見れたような気がしたのだけれど、お兄ちゃんたちのスマホを中心に撮影されたであろう映像の中のジョングクは、とてもとてもかわいかった。以前G.C.Fについて書いた時にも話したけれど、イヒョリがどんな腕の良いカメラマンよりも夫が撮ってくれた写真が一番きれいだと話していたように、撮影する人の愛情は、被写体をそのまま輝かせるのだと思う。
グクがたくさんたくさん兄たちを愛した分、お兄ちゃんたちからもたくさんの愛情を注がれて、お互いを思い遣る心の詰まった映像を観た私たちにも、きっとその愛おしさが伝染するのだ。

誰かを愛するから、世界から争いが消えないのだと私の大好きなエンターテイナーが言っていたけれど、その一方で、誰かを愛おしいと思う気持ちは、とても人を救ってくれるのではないだろうか?
少なくとも私たちは、このEuphoriaを観る4:04秒の間とても穏やかですべての人たちに優しい気持ちでいられるのではないだろうか。



3  ジョングクくんのマイルール


グクは幼い頃、書き取りでカンニングをしたのがバレて、お母さんにぶたれたことがあるそうだ。
その時、お母さんに言われた言葉は正直覚えていないけれど、お母さんならきっとこう言っただろうとグクが話してくれたのは、
『あなたが100点をとっても0点をとっても、そんなことは気にしない。カンニングをしたことがいけないことなんだ。』…という話だった。
幼い頃から彼のご両親は、やりたいことをやれるように放っておいてくれたそうだけど、本当に誰が見ても間違っていることにだけ怒ったという。
高校の卒業式に、たまたまなのか、あえてそれを選んだのか、制服とよく似た黄色い服を着て現れた彼のお母さんや、クリスマスの夜サンタに扮し、目を閉じたジョングク少年の頬にサンタのマスクのヒゲをサーっとあてたという、遊び心に溢れたお父さんのイメージはとても明るく、やりたいことを自由にやらせてくれたというグクの話から感じた雰囲気とも一致する。
大きな悲しみや挫折を味わうことなく、幼い頃からたくさんの愛を一身に受けて育って来たことが、表現をする上で、時に高い壁になっていたのではないかと思うことがあったけれど、海のように広く深い愛や光が、彼の中に満ちて、時々溢れているように見えるのは、きっとまっすぐな愛を注いでくれたご両親の影響が大きいのではないかと思う。

カンニングの話をしたのは、学校を憂鬱に思うARMYからのコメントに対しての話の中のほんの一部だ。勉強はしないといけないものだけど『勉強ばかりして苦しまないで』と話していたのは、私たちに自分がしたいことを考えて欲しいからだそうだ。(Vliveより
グク自身、歌手というやりたいことをして、たくさんの人に愛されている。とてもかっこいい会場でコンサートをして、本当に恵まれた、とても幸せな人間なのだと言っていた。
そしてその幸せを作ってくれたのはARMYだから、私たちが幸せだったらうれしいのだと話してくれたジョングクは、かざり気のない小学3年生の時みたいな、とても素直でやさしい話し方だった。


グクはあっけらかんとして、いつでも自分のしたいことをして他人を気にすることなくしているように見えるけれど、彼は人のことをとてもとてもよく見ているのではないかと思う。
サマパケでゆんぎへのメッセージを話すとき、一つ一つの言葉をじっくりと選んでいるように見えたのも、初のソロ曲の作詞をナムくんに頼んだ時、ヒョンたちが辛いのが一番辛いと言い泣き出したことも、さっぱりしているように見えてとても繊細に相手の心の動きをキャッチしているからではないのだろうか。
「防弾屋根裏」でテテくんが『(昔と比べて)ジョングギがいちばん心が広くなったようです』と言っていた時、器が大きくなったという言葉を聞いたゆんぎは『器が大きくなったのではなく、もともと器が大きかったけれど自分たちに注ぐ水がなかったんだ』と言っていた。

グクはその時『ぜ〜んぶヒョンたちが作ってくれた器です!』と言っていたけれど、大きかった器をピカピカに磨き上げたのはきっと6人のお兄ちゃんたちで、その6人の兄たちを大きな器で、人知れず支えているのは、もしかしたらグクなのだろう。
LYSツアーのインタビューで何人かのメンバーが、これからやりたいことについて、家具を作りたいとか、新しい才能を発掘したいとか、また他のメンバーは小さくてもいいから個展を…など最近の楽しみや趣味の話をしていたけれど、メンバーへのメッセージを尋ねられたグクはとても落ち着いた口調で、“僕たちの芯にあるのは音楽だから、これからも音楽をやっていこう”と話していた。いつのまにそんなしっかりとした考えを持つようになったのだろう。守られているようで守っているのだろうか?
7人は7人で、そんな風にお互いを支え合い、刺激をし合いながら、たくさんの困難を乗り越えて来たのだろう。



4  夢のはじまりと6人の兄たち


グクにとってお兄ちゃんたちはどんな存在なのだろうか?

インタビューで一番がんばっている人やかっこいいと思うメンバーを問われた時、グクは必ず“RM”の名前を挙げる。
5TH MUSTER・釜山での公演で、グクはナムくんのことを“夢の始まり”だと話していた。幼い頃に出たオーディション番組をきっかけにたくさんの芸能事務所からのスカウトが来たと別の番組でも話していたけれど、その頃無名の小さな事務所だったBighitに入ろうと思ったのは、キムナムジュンのRapを聴いて感動を覚えたからだそうだ。

だからだろうか?そもそもナムくん自体、あまりみんなとベタベタしている様子はないけれど、グクがナムくんに甘えているシーンはあまり見受けられないように感じる。グクにとって“レプモンヒョン”はいつまでも変わらず、初めて観たモノクロの映像の中のかっこいいスターなのかもしれない。

一方グクにとって、ジンくんはきっととびきり楽しい遊び相手だ。
ルームメイトだった時の雑誌のインタビューで、一緒にホラー映画を観て遊んでいると言っていたのがすごくかわいかった。
そしてゆんぎもまた気軽に小言を言える仲なのだろう。
2nd MUTHTERだっただろうか?ゆんぎのクローゼットの服のしまい方や、使用済みのコットンを捨てないことに文句を言ったり、ゆんぎがダイエットをしていた時には、食べないと言ったくせに食べていた酢豚のことで文句を言ったり、気兼ねなく接しているように見える。グクとゆんぎは、おじいさんになったらヤンコチ(羊肉串)の店を開く約束をしているらしい。
『もう名前も決めてあります。』と得意気に話すグクはとてもとてもかわいかったし、「RUN BTS!」でゆんぎの焼いたステーキを食べたグクは『ヒョン、ステーキ屋さんしましょう。』と、また新たな店の開店に誘っていた。
ボンボヤ 1stシーズンで、宿舎の部屋のペアを決めるとき、同室になった瞬間、わーーー!と言って強く抱き合った2人のかわいさはもはや伝説級だし、マルタ編で交わした“アイリッシュボム”という友情の合言葉も、静かに黙っていたから、ヒョンのうんちくを内心めんどくさそうに聞いていたのか…と思いきや、つい先日も話題に出すほど、気に入っているようだったし、ゆんぎがマルタを去る前にも、みんなの前でなんの説明もなく“2人だけの合言葉感”たっぷりにアイリッシュボムをくり出し、何それ?と聞いてくれたホソクくんに得意げに解説していた。


ホソクくんにはどうだろう?
グクに限らず他のみんなも、肯定して欲しい時にはホソクくんに話しかけているような気がするけれど、同じくマルタ編で髪の毛を染めたあと、ホソクくんの部屋に行き、この髪型どう?と聞いていたジョングクは、態度のでかい黄金マンネではなく、お兄ちゃんに甘えるかわいいかわいい弟だった。

そして95Lineの2人はグクにとって一番歳の近い兄たちだけど、時々その立場は逆転する。
デビューしてしばらくは、3人でかくれんぼをしたり、お兄ちゃんたちにいたずらをしたり、パワーがあり余っているみたいに仲睦まじく遊んでいる様子をたくさんたくさん見せてくれたけれど、最近は3人とも少し大人になってしまったせいか、あの頃のようにじゃれ合う様子は少ない…。
だけど一緒に過ごしたたくさんの時間のせいなのか、個性豊かでバラバラに見える3人には不思議な共通点がたくさんある。
Twitterで度々、グクの声のピッチを下げるとテヒョンの声になる…という動画が流れてくるけれど、実際に試してみると、限られた曲の限られたパートだけではなくそのほとんどの曲でグクの声はテテになる。……そしてその逆もそうだ。

グクミンシッパーやグテシッパーのアカウントだったと思うけど、それぞれのほくろの位置が同じだということをまとめたものを目にしたことがある。頬や首だけではなく、身体のあらゆる部分のほくろが一致する。
そしてふと思い出してみると、テテくんがゾウさんだと言って皮膚をつねって見せてくれる2つ並んだほくろは、グクにもある。
魂がひとつだったものたちはそうした印を残してこの世に生まれてくるのだという話があるようだけれど、3人のかわいいマンネたちは、本人たちも知ってか知らずか、心よりもずっとずっと深いところでつながっているのかもしれない。


ジョングクは時々テテくんのヒョンになる。
2018年MAMAでのジンくんのスピーチ中、泣き出したテテを包み込んだグクのたくましい腕はとてもとても頼もしかった。
そしてみんなが涙を流している時、グクは目に溜まった涙を首を振って飛ばす仕草を見せた。おもしろい。
ジンくんの声の震えもテテの泣き方も堪えきれず涙を流していたみんなの表情も、何があったのか分からない私たちにとって、とてもとても重たかった。どんな辛いことがあったのだろう?そんな気持ちにさせたのは他ならぬ私たちではないのか?

そんな心配事で、胸が苦しくなる時、涙を飛ばしたジョングクのかわいいかわいいおもしろさは、それを発見したARMYにとって、とても救いになっただろう。



5  不思議の国のジョングクくん pt2


グクのおもしろさって、果たしてARMY以外にも通用するのだろうか?
テテの自作曲『風景』が公開された時、TwitterにUPされた動画はハチャメチャにおもしろかった。

ジミンくんの『約束』の最後でマイクを倒してしまった時の慌て方まで完璧におもしろいし、ジョングクだな!と思うのは、同じシリーズを連投するところだ。このエアボイス選手権は3つ連続でツイートされていたし、ただ何かを食べているだけの動画やボクシングや水泳をしている動画も何度かツイートされた。
シリーズ化するのが好きなのだろうか…?シリーズ化されるとじわじわとおもしろさが増してくる。
最新のシリーズでは、ライブのリハーサルの時のホソクくんを撮っていた動画が連投された。ホソクくんもおもしろすぎるけどカメラを向けながら目をくしゃっとさせて笑っているグクの笑顔が思い浮かんで、その動画を撮っているという事実そのものがかわいい。


シカゴでの公演の後だっただろうか…
“Thank you :)”というシンプルなメッセージと共にこんな動画を投稿してくれた。

この動画の中で流れている曲はBefore You Exitの「Clouds」という曲だ。

Please just tell me you're alright
Are you way up in the sky...

そんな詩から始まる動画の部分はこんな意味の言葉が歌われている。

“大丈夫だと言ってよ
君は空へと昇って
笑って、微笑んで、僕を見下ろす
いつか僕たちは 雲の中で会うだろう
夢みたいなことばかり言って”  

(※意訳を含みます)


“Are you way up the sky”という言葉の時に窓の外を写したのは偶然だろうか?
窓の外の街にはArmyたちがいる。
この原曲にはとても悲しいストーリーがあるけれど、グクがここで伝えたかったのは、VliveでArmyのみなさんが幸せだったらいいと言ってくれていたみたいな、そういうメッセージがあるんじゃないかと思っている。
数日後にテテが同じような構図で動画をツイートしてくれたけれど、その動画のBGMもまた“君が僕の最高を引き出してくれる”というArmyへのメッセージともとれる選曲と共に分かりやすく“Armyへ”という言葉が添えられていた。
テテがそうしてくれたように、グクの選んでくれた曲の歌詞もまた、私たちへのメッセージなのだ。
まるであかちゃんみたいだった男の子は、いつの間にか世界的なアーティストになってしまった。私たちのかわいい秘密のアイドルだったのに、誰もが知っている雲の上の存在のように大きくなってしまった…それでもきっと彼が思うのは、自分は遠い存在ではないということなんじゃないだろうか?見下ろしているのは自分ではなく私たちの方で、自分を輝かせているのはArmyの存在なのだと。
そしてそんな優しい歌を口ずさみながら少しおどけてみせるグクはとってもとってもキュートだ。


6  Bad Guy


その数日後、TLが騒々しくなっていた。
スタジアムでの公演中、グクは突然客席に突っ込んでいき、揉みくちゃになりながらも1人の女の子の元へ走って行った。
その女性は車椅子だった。混乱している時の映像しかみていないので想像でしかないけれど、彼女の位置からおそらくステージの風景は一切見えなかっただろう。もしかしたら、スクリーンさえも見えてなかったかもしれない。
その女の子本人のツイートを読んだところ、グクは『来てくれてありがとう』と英語で一言伝え、ステージに戻っていったそうだ。
彼女は自分も周りの人にガードされていて危険はなかったことや、彼が来てくれたことへの想いを綴っていた。

さて、それでこの一件が感動的なエピソードで終わるわけがない。
こういった事が起きると必ずといっていいほどたくさんの人たちがたくさんの意見を言う。その女性やSPたちを危険に晒すことや駆け寄っていったArmyのこと、フタを開けてみると、事前に許可をとっていての行動だったようだけど、そもそもこんな行動をとったジョングク本人のことでさえバッシングがあったようだ。

私はこれからとんでもない事を言うけれど、個人的には、こんなことは出来る事なら2度としないでほしい。私にとって見ず知らずのARMYよりもグクの方が大切だからだ。知らないARMYがハッピーになるのは、それはそれで嬉しいけれど、大切な人が傷ついたらと思うと、とてもとても怖いからだ。色々ともっともな理論で語っていた人たちも根底にあるのはそういった気持ちなんじゃないだろうか。
大切な人にはいつも安全な場所にいてほしい。怪我をせず健やかに楽しい毎日を送ってほしい。そしてそんな私たちの願いがほんの一瞬でも脅かされたような気がして、私はとても恐怖を感じた。
だけどそれと同時にSPのおじさんたちのどこか和やかな表情や一点を目指して突き進むグクの姿になぜだかとても胸を打たれたのも確かだ。

グクがしたかった事が何だったのかは分からない。
ただその女の子だけに気持ちを伝えたかっただけかもしれない。色々な事情を抱える人たちが楽しめる公演の形について問題提起をしたのかもしれない。
何を考えていたのか、それは謎に包まれたままだけど、そんな中、グクのUPした動画のBGMはビリーアイリッシュの「bad guy」という曲だった。
私たちの混乱や心配を知ってか知らずか、“bad guy”で踊る彼のツイートには『Duh』と書かれていた。
“Duh”とは“当たり前でしょ?”という相手を少しバカにしているような皮肉めいた意味があるらしい。
以前私はジョングクの“ヤバいやつ”感が好きだと書いたことがあるのだけれど、この偶然なのか計算なのか分からない行動には不謹慎にも少しそそられてしまった。
これは妄想だけど、正しさを謳う私たちに、どうせ俺はbad guyだよ!と舌を出すようにおどけてみせたのだとしたら、なんていうか…とてもとても男の子なのだ。

“転んでもまた起き上がる 未熟なれど男です”
「さようなら、おかえり」という歌にこんな歌詞があるけれど
彼はきっと何度となく、転んでは起き上がる。 
未熟という言葉はふさわしくないかもしれないけれど、歌の歌詞を借りるなら“未熟なれど男”なのだ。



7  わたしたちのEuphoria


グクって本当によく分からない。
さっぱりしていて考え方がシンプルで明るくおもしろい黄金マンネと見せかけて、どろどろに愛が深くて、夜の暗闇みたいにどこまでも果てが見えないほど深い優しさを持っていて、何にも考えていないようですごく繊細に物事を考えているのかもしれなくて、自分にとても厳しくて、どんな行動をとるのか分からないスリルに溢れていて、目が離せなくなる魅力をとてもとても放っている。
そしてある時からグクの歌声がとてもやさしく、深く耳に染み込むようになったのは、そのよく分からない魅力のすべてがその声につまっているからだろう。


ジョングクくんは泣き虫だ。
本人が言うにはあまり泣くことはないらしい。Armyのことになるといつも泣かされてしまうけど、普段は全然泣かないと言っていた。
それならその、大きな目からこぼれ落ちるきれいな涙の理由はなんだろう?
スタジアムを埋め尽くすアミボムの光の数だけ広がる、小宇宙のことを想うのだろうか?良い人も意地悪な人もずるい人も嘘つきも、誰かを想う時、きっと心は透明だから、彼の目に映る私たちの作るその景色は、とてもとても特別に輝いて見えるのだろうか?

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今がとても楽しい時期だから、今を楽しみたい

そう言った彼の目の前に広がる景色たちは、毎分毎秒、一瞬一瞬が、過ぎたらもう二度と戻ることのない、かけがえのない今なのかもしれない。
あるいはデジャヴを見ると言っていたように、正体不明の懐かしさに胸がいっぱいになるのだろうか?

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人の気持ちを計り知ることなんてできないけれど、
ただ一つ確かなのは、彼の流す涙はとてもとても透きとおっていてきれいだということだ。

こうしてたくさんの人たちから注がれてきたであろう無限の愛情が、その大きくてきれいな目からこぼれ落ちて、彼が泣いたり無邪気に笑ったりするたびに、それを見た私たちはきっと、あふれてこぼれ落ちそうな多幸感に包まれるんだ。


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※おわりに
最後まで読んでくださりありがとうございます。
このnoteは人物の考察ではありません。だれかの中の“好き”という気持ちがいっぱいになりますように。


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