アイマス鬼談百景「ダンスルーム」

こんにちは!島村卯月です


え?体験した不思議な話をすればいいんですか?

うぅ私怖いのは苦手で



怖くなくても大丈夫?

そ、それなら

島村卯月、怖くない話頑張ります!






えっと、これはまだ私がアイドルになる前の話なんですけれど

私がまだ養成所に通うアイドル志望のただの女の子だった頃のことです

当時通っていた養成所は〇〇駅から歩いて10分位のところにある2階建てで地下室もある少し古くて大きな建物でした

部屋のほとんどはレッスンのためのスタジオになっていて、ダンスルームや防音室で毎日のように生徒達がレッスンと自主連に取り組んでいました



私は当時ライブパフォームコースのCクラスというグループに所属していて、15人のクラスメイトと一緒に頑張っていました

だけどその日はレッスンでステップを間違えてしまって…

終わった後、失敗したステップを復習しようと、一人残って練習していたんです

でも結局その日は形にならなくて、だけど外はすっかり暗くなっていたので、仕方なく掃除をしてもう帰ることにしました



私は掃除用具を取りに地下の倉庫に向かいました

階段で地下に下りて、突き当たりの倉庫に向かう途中





スタン     ズタン






って音が聞こえました



地下には倉庫の他に一つ広いスタジオがあったので

あれ、誰かが残っているのかなと思いました

だけど地下のスタジオはクラス内発表会の時ぐらいしか使わない所で、そもそも個人の練習では使用禁止だったんです


だから、もしルールを知らなかったのなら教えてあげなくちゃ、と思ったのと

ダンスの音がなんとなく気になって


私はスタジオのドアを開けました






だけど、中は真っ暗で誰もいませんでした




そしたら私、音が気になった理由に気づいてしまって

すごく怖くなってその場から逃げるように事務室に走り込みました

だって

アイドルのダンスにはあんなに大きな音がするほど高くジャンプする振り付けなんて無いんですから






逃げ込んだ事務室にはまだ書類仕事をしていた先生がいて、その顔を見たら私安心して

緊張がとけたのか、その場で座り込んでわんわん泣いちゃいました


先生も慌てて駆け寄ってくれて

背中をさすったり、優しく声をかけてくれました

落ち着くまでしばらくしてから私は聞こえた音の事を話しました

先生も最初は半信半疑な様子でしたけれど、ふいに顔をあげて事務室の棚から一つのアルバムを取り出しました


そこには、〇〇バレエスタジオと書かれた白黒の写真がありました

なんと、その養成所は昔はアイドルの為ではなくてバレエダンサーの為のレッスンを行っていたんだそうです

先生は微笑みながら、もしかしたらその時のバレエダンサー達の居残り練習の音が今も染み付いているのかも、とつぶやいていました






というのが私のお話です

えっと、ごめんなさい

やっぱりちょっと怖い話でした、えへへ


でも私はその話を聞いてからちょっと励まされた気持ちになったんです

だってそんなに昔の人も私みたいに失敗して落ち込んで、それでも頑張っていたのかなって思うと


なんだか私1人じゃないような気がして

おかげで私は諦めずに頑張り続けて、憧れのアイドルになれました

あのステップのダンサーさんも大きく羽ばたけていたらいいなぁ

                                     〜ダンスルーム  了 〜






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