怒っている

あなたは大丈夫?しつけと洗脳の違いを考える。

テレビやネットなどで時々、悲しいニュースを耳にします。三十代くらいの父親が子供に暴力をふるい、死亡させてしまうというものです。

この場合大抵はしつけのつもりだった、と話ます。けれど、果たして本当にそうでしょうか?僕はこの手にニュースを目にするたびに、親とは何か、子供を育てるとは何かを考えます。

これから話す事は全て僕個人の意見ですので、そのあたりをよくご承知ください。

まず初めに、子供に対して暴力や恐喝まがいの恐怖政治的なやり方は間違っています。これは精神論的な話ではなく、脳科学的に、心理学的に、という意味においてもです。

恐怖という感情は非常にやっかいなものです。人間は恐怖や不安を感じると脳が委縮して視野が狭まります。ノルアドレナリンというホルモンが分泌され、鼓動が早くなったり息があらくなったりします。

これは短期的に、そして時々起こる程度なら問題はなく、それどころか集中力や身体的な能力を一時的にブーストしてくれる機能ですので、うまく使いこなせれば僕達の強い味方になります。

けれど、家庭内暴力の現場においてはこうした身体的反応は慢性化しやすいものです。

父親であれ母親であれ、親という存在は子供にとって大きなものです。特に生まれて間もない頃から、幼稚園や保育園に通う年齢になるまでは、両親以外との接触はほとんどありませんから、必然的に親への依存度が高くなります。

ハリー・ハーロウの実験で、生まれたばかりの子ザルを母ザルから引き離し、針金でできた冷たい代理母と布でできた柔らかい代理母のふたつを用意して、そこで一緒に飼育します。

針金の母親の方にはミルクの出る哺乳瓶を取り付けました。果たして子ザルはどちらの代理母とのより多くの時間を過ごしたのでしょうか?

詳しい内容は割愛しますが、布でできた代理母の方とより多くの時間を過ごしました。

この結果から、サルにも母親と絆を結びたいという欲求が存在する事が証明されたのです。なら、人間も両親と絆を結びたいという欲求が存在するのは当然です。褒めて欲しい、話をして欲しい、愛して欲しいと考えるのは何もおかしな事ではありません。

この研究結果は今日はで様々な事に利用されていますが、もちろん子育てにおいても重要な意味合いがあると僕は考えています。

DVの悲惨なところは暴力だけでなく、愛情を感じられなくなる事です。何度も暴力を受け、体中があざだらけになった子供が両親を庇うという話はよく聞く話ですが、これはやはり両親の愛を勝ち取りたいという欲求が子供達にそうした行動を起こさせるのでしょうか。

こうした子供の行動や心理を理解せず、ただ暴力的な言動や押し付けがましい教育を施そうとするのははなはだ間違った子育てだと言わざるを得ません。

それらは洗脳、マインドコントロールと何ら変わりはないのです。親の理想を押し付けたり、恐怖で従わせるのではなく、きちんと話をし、コミュニケーションを取る事が大切だと僕は考えます。

子供は親の所有物ではなく、一個の独立した人間です。その事をよく考え、子育てとは何かを考える必要があります。

ご拝読、ありがとうございました。また次回、お会いしましょう。

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