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ワクチン筋注の方法

コミナティ(新型コロナウイルスワクチン)に限らず,不活化ワクチンでは原則筋注のほうが望ましいとされますが,なかなか一般診療では接種機会が少なかったのも事実かもしれません。

通常,成人の筋肉注射では,三角筋中央部に接種することになりますが,一時期,「新しい方法」が話題になりました。主な解説動画としては以下があります。

サムネイルにもあるように,「肩峰から下ろした線と,前腋窩線の頂点と後腋窩線の頂点を結ぶ線とが交わる点」に接種する方法です。

一方,従来のやり方は,肩峰から3横指下に接種する方法です。

コミナティのサイトのワクチンの取り扱いページにある動画は,リンク先が厚労省の下記動画となっており,メインで紹介されているのは,従来の肩峰の3横指下の方法です。

そもそも「新しい方法」は腋窩神経の誤穿刺(やSIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration))を避けるためとされていますが,本当にその頻度が多いのであれば,従来のやり方はとっくに否定されているはずですし,「新しい方法」が本当にその他の合併症も含めて従来の方法より優れているかどうかは,もう少し議論が必要な印象です。

新薬に飛びつくな,と同様に,一定の評価が得られるまでは,従来のやり方でよいのではないかと思います。現に,ワクチン会社が案内している動画では,従来のやり方がメインで紹介されているわけですし。



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