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トップガン(1986)Tommy(1975)

TSUTAYAでトップガンを借りました。

ジャンルはドラマだと思ったけどありません。アクション、SF、ホラーの「ト」欄を一通り探しました。

まさかトップガンは邦画!?

トップガンは特設コーナーにありました。たくさん入荷したけど借りられて最後の一本。

店の透明ケースにはジャンル「アクション」とありました。

「ト」で探していたので「Tommy」を見つけました。

ザ・フーのTommyです。ロックオペラのTommyを先日、聴いたのでそれの映画版でした。これかなりよかった。

トップガン(1986)は正直、普通でした。

この作品を観たのは、今やってる新作を観るためなので、こっちはものすごく期待しています。

例のトップガンの服。家だから着ながら見始めて「暑いよバカ」ってすぐに脱いだよ。笑

Tommyの方がずっとおもしろかった。

ミュージカル映画というのはセリフのシーンと、唐突に歌い始めるシーンの繰り返しですが、Tommyではセリフシーンがありませんでした。

Tommyのアルバムが80分くらいあるので、100分くらいの映画ですが、ずっと音楽です。

映画にセリフって別に必要ないんだなと思った。

映画で重要なのはカットだということがわかります。

トミーは父が殺されるのを目撃してショックから聴力を失い、やがて視力も失います。

Tommyは実はSFです。僕はなんでもSFに結びつけて、これはSFだと認定するクセがあります。

60年代以降のSFの傾向として、地球から宇宙に飛び出すよりも、内的な宇宙をテーマにしたものが多いです。

自閉する少年が外界に何の反応も示さず、自分の殻に閉じこもって見る世界。トミーの内宇宙の表現は没入感がありました。

トミーは治療にアシッド・クイーンから麻薬を注射されますが、鉄の処女みたいな装置が出てきます。鉄の処女とは、棺⚰️の中にトゲがいっぱい植えてあって蓋を閉めると串刺しになるやつ。

鉄の女がサッチャーで、鉄の処女は拷問具。笑

西洋の鎧に注射器がいっぱい刺さっていて電気式で麻薬を射つ仕組み。これふつうに考えたら死にますよね。

ミュージカル映画の特徴に、細部にこだわらず、誇張するというのがあります。

ビリケンみたいにマリリンモンロー像をさわってご利益を得ようとする奇妙な宗教もおもしろかった。教団の人たちがマリリンモンローのお面をかぶってる。モンロー像は粉々に砕け散ります。

トミーが残酷な従兄弟にいじめられる場面でも釘が逆さに大量に打たれた便座とか、服を着たままアイロンがけをされるとか、螺旋階段から突き落とされるとか、大げさにしています。

僕はより映画らしい映画とは、いい一瞬を切り取ったり、いい画をつくるためなら、リアリズムを犠牲にすることを厭わない作品だと考えます。

服装も原色を使うと、誇張したりデフォルメの効果があると思います。

そういう意味でいい映画だと思った。

目も耳もきかないトミーはピンボールの才能を開花させて、いつしか教祖として祭り上げられます。

ピンボールというアイテムがどこか60年代、70年代っぽいです。

ピンボールの銀の玉は、トミーがピンボールに出会う前から象徴的に出てきます。世界大戦時の兵器工場。女工が鉄球のたくさんつまった榴弾を作っていたり、トミーの内宇宙にも銀の球体が浮遊しています。

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