15本目:高速バスを愉しめる個性

帰省する際には、名古屋から東京の移動に高速バスを利用している。
夫も私の家族も「むろん新幹線 なぜに高速バス」という考え方なので、私の移動は交通手段の選択から面白がられているわけだが、このバス移動、なかなかいいんだよ。

私が使うのはJR高速バスで、東京に着くまでだいたい4時間から5時間の移動である。途中、遠州森町PAと足柄SAでトイレ休憩をはさんで、都内に入ると用賀、霞ヶ関と(降りる人があれば)停まりながら東京駅につく。
遠州森町PAは山に囲まれた中にあって、人里離れた感じが旅の趣を感じる。
オヤツを買って、伸びをして深呼吸するのが心地よい。
しばらくすると左側に大きく富士山が現れる。やはり富士山は日本一の山だなぁ、と感心して眺めていると2度目の休憩、そこからはあっという間だが、霞ヶ関あたりからはまた各省庁の建物や大きな商業施設に釘付けになって、東京駅である。

東京に向かうのに2回も休憩を挟んでゆっくりアプローチするのが、東京に着かれるタイプの私にはプレッシャーを感じなくていい。しかも遠州森町周辺の山奥っぽい雰囲気もやすらぐ。

もともと4年くらい、アグアスカリエンテスからメキシコシティまで約500kmの距離を6時間かけてバスで月2回往復していた身からすればこの移動時間は屁でもない。ましてやトイレ休憩がある。そしてそのトイレが清潔でおしりがあったかくて快適であることが約束されているのである。
いい、すごくいい。すごく日本の良さを体感している感覚ある。

なんて言いながら、今回は時間の都合で新幹線を使っているのだが、
ぜひ、時間がかかる方をあえて選択する贅沢もお薦めしたい。
物思いに耽る時間もたっぷりとれる。

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