ミヤモトカナnote7

「本当に“何でも屋”でした。」女子力∞インターン、宮本果南がIDENTITYを通して見た世界

宮本果南(ミヤモトカナ)が卒業を控えた、2019年2月末。
私はIDENTITYを去る彼女に、インタビューをすることになった。

「インターンの中でも人一倍、率先して行動するしっかり者」

ライターから美濃加茂プロジェクト(後述)まで幅広く活躍する彼女に対し、以前からこのような印象を抱いていた。

しかし、彼女がどのような経緯でIDENTITYの一員となったのか、どんな想いを胸に秘めているのか……意外と知らないことが多かったように感じる。

今回のインタビューで、その素顔が明らかになった。
様々な場所で活躍したのちIDENTITYの門をたたき、約9か月間インターンとして活動してきた彼女の経歴は、まるで全てが一本の線で繋がっているかのようだった。

PROFILEー宮本果南(ミヤモト カナ)
1996年岐阜県岐阜市生まれ。同志社大学入学を機に京都へ移り住むが、3年次は早稲田大学との国内交換留学制度を利用し、1年間東京で過ごす。東京ではゼミ活動などの傍ら、大学入学当初から関わっていたフリーペーパーの活動の延長で、フリーペーパーイベントの運営団体で代表を務める。大学4年次、就職活動終了後にIDENTITY名古屋のインターンに応募、卒業まで活動を続けた。現在新卒1年目として東京で奮闘中。(本インタビューは卒業間際に行ったもの)


フリーペーパーの活動で首都圏と地方の情報格差を実感。だからこそ東京に行ってみたいと思った

今回は、名古屋市中村区則武にある「喫茶ゾウメシ」さんでランチをいただきながらインタビューを行いました。人気メニューの一つ、「肉みそのりたまプレート」を注文。


ーかなちゃんとはずっとごはんに行こうと話していたけどなかなか実現に至らず……。気づいたらもうすぐ卒業しちゃうんだね。今日のインタビューをすごく楽しみにしてました!よろしくお願いします!

宮本果南(以下 宮本):よろしくお願いします!


ー早速かなちゃんについて掘り下げていきます!IDENTITYの本拠地は名古屋だけど、京都の大学に通っているんだよね?

宮本:そうそう。岐阜市の出身だけど、大学進学をきっかけに京都に住むようになったんだ。でも就活が終わってからは授業も少ないし、京都で一人暮らしを続けるのはもったいないなと思って。今は岐阜の実家から週1回、2時間半かけて京都まで通ってる。


ーすごい!大変だ……。大学ではフリーペーパーの活動をしていたとか。

宮本:大学1,2年の頃はフリーペーパーを作るサークルに入っていたんだけど、途中から並行して、年に1回東京で開催するフリーペーパーのイベントの運営にも関わるようになって。3年生になるときに、そのイベントの運営団体の代表を私が引き継ぐという話が出たんだけど、関西にいながら代表を務めるのは難しかった。

そんなときに私が通っている同志社大学と早稲田大学が国内交換留学の提携を結んでいることを知って。もともとフリーペーパーの活動を通して東京とそれ以外の地域との情報格差を感じていて、だからこそ東京でチャレンジしたいという気持ちもあった。それで3年生の1年間を、団体の代表もやりながら早稲田で過ごすことに決めたんだ。


ーなるほど!やっぱりIDENTITYに入る前にも色んな経験をしてきたんだね。今までのインターン生の中にも、長期インターンなどで東京に行っていた先輩は何人かいたね。かなちゃんにとって東京での生活はどうだった?

宮本:すごく刺激的な環境だった。早稲田でゼミにも所属していたんだけど、岐阜で生まれ育った私から見るとすごくアグレッシブに自ら経験を掴みにいくような人が多くて。その環境を求めて、就職も東京ですることに決めたんだ。


ーその後就活を終えて、岐阜に戻ったのがきっかけでインターンに応募したんだよね。もともとIDENTITYのことは知っていたの?

宮本:うん、以前からnoteプロデューサーの最所あさみさんやフリーライターの塩谷舞さんをTwitterでフォローしていて、スレッドを見る中でIDENTITYや代表の碇さんのことを知ったんだ。それでIDENTITYの記事を見てみたらインターンを募集していて、岐阜から名古屋なら通えるな~と思って応募した。


ーそうだったんだね。就活終わった後なのに、そこから新しいことに挑戦しようとする姿勢が素晴らしい・・・!

宮本:いや、終わった直後は「遊んでやるぞ~!」みたいな時期もちょっとあった。(笑)
でも内定先の社員さんと話してたら、また何かやりたいって気持ちがでてきて。

最初は実家の近くでバイトを探していたんだけど、言われたことだけやるのは面白くないし……正直、岐阜の時給が安すぎた。(苦笑)同じ時間を使うなら、学びも得られる長期インターンがいいなと思ったんだよね。

だから、インターンに応募した表向きの理由は「たくさん刺激を受けた東京と同じような環境を求めていたから」だけど、実際は「どうせ稼ぐなら経験も得たい!」っていうのもあった。(笑)


ー正直な理由に、逆に好感度が上がった。(笑)そんなこんなでIDENTITYに入ってみて、どうだった?美濃加茂関連のプロジェクトで頑張っていた印象があります。

宮本:最初はライターとして、IDENTITY名古屋のメディアやプロバスケットボールクラブの公式ブログの記事を執筆していた。

あるとき取材の帰りに、先輩インターン生の太田さんから「どんなことしたいの?」みたいなことを聞かれて。
「東京でできなくて、地方だからこそできることをやってみたいです」って話して、当時太田さんたちがオープンに向けて動いていたMINGLE美濃加茂茶舗(※1)のプロジェクトに関わるようになったんだよね。

岐阜出身ということもあってIDENTITYの中でも美濃加茂のプロジェクトには興味があったけど、入ってみたら目まぐるしい量のタスクが降ってきてびっくり。(笑)

※1:IDENTITYが美濃太田駅近くの空きビルをコミュニティビル「MINGLE」としてオープン。日本茶ブランド「美濃加茂茶舗」も同時期に立ち上げ、一階部分は美濃加茂茶舗の店舗となっている。

ー美濃加茂のプロジェクトに関わるようになったのには、そういう背景があったんだね。知らなかった。

宮本:太田さんを通じてだったから、社長の碇さんには「やります!」って後から報告したかたちになった。

美濃加茂プロジェクト中心メンバーの一人に

(写真:美濃太田駅徒歩5分の場所にあるコミュニティビル「MINGLE」と1階にオープンした「美濃加茂茶舗」)

ーその後は美濃加茂のことを中心に動いていたと思うけど、具体的にどんなことをしていたの?

宮本:MINGLEと美濃加茂茶舗がほぼ同時期のオープンだったから、並行して動いていた。

MINGLEに関しては行政関連の手続きから備品の買い出しのような作業的なこともやったし、地域の人たちと方向性を話合ったりアイディアを出し合うイベントも開いた。美濃加茂茶舗では店舗のオペレーションや、食器類などどういうものを使うか考えたり、ブランドイメージを作っていったり。

決まった仕事や係があった訳じゃ無くて、本当に文字通り「何でも屋」だったなと思う。(笑)


ー私は美濃加茂プロジェクトには関わってなくて1月末にあったオープンイベントのとき初めてMINGLEに行ったんだけど、それまでにそういう努力があったんだね。特に大変だったことは?

宮本:美濃加茂のプロジェクトはIDENTITYだけじゃなくて地域の人たちと一緒に進めていたから、途中から加わった私は、最初の頃はオフラインの部分で難しさを感じていた。

太田さんは資金集めのクラウドファンディング(※2)からプロジェクトに関わっていたし、私より先に加わっていた和田さんも店舗のDIYなど皆さんと一緒に動いていて、地域の方と信頼関係ができていた。そんなコミュニティが出来上がっている中に後から入っていくのは不安があったけど、その分認めてもらえるように頑張ろうと思えたかな。

※2:ビルの改修や設備、備品購入などに必要な資金をクラウドファンディングで募った。

ーそこから中心メンバーの一人として奮闘して……。オープンイベントでのかなちゃんのスピーチ、感動したよ。碇さんにも「いいこと言った!」と褒められていたね。

宮本:恥ずかしい……!!それに正直、何を言ったか全然覚えてない(笑)

ー「ここまでも色々ありましたがオープンが新たなスタートです。皆さんと一緒にここを良くしていきたいので、これからもよろしくお願いします!」みたいに言ってたよ(拍手)


(写真:MINGLEのオープン記念イベントで挨拶をする宮本)


IDENTITYは「色んな価値観に触れられる場所」


ーちょっと話題を変えて、ここからはIDENTITYに関わる人について。まず、社長の碇さんについて印象を聞かせてもらえるかな?

宮本:私、碇さん大好きなんですよ。(笑)私たちインターン生にも分け隔てなく接してくれるし、すごい人なのに親しみやすい。でも尊敬できる部分がたくさんある。そんな人なかなかいないと思う。


ーそれを聞いたらきっと喜ぶね。(笑)私たちの前では、良い意味で社長っぽくないよね。

宮本:うんうん。あと、どんな時でも「前のめりなミス」では絶対に怒らない。自分で考えて行動した結果なら、上手くいかなくても評価してくれる寛容さがすごい。

逆に、自分で考えず人に丸投げするような行動を取ったときは厳しい。だから何かを決めるとき、ただ「どう思いますか?」じゃなくて、まずは必ず自分で考えた上で助言を求めるように気を付けていた。「~と考えたんですが、どうでしょうか?」とか「○○と××、それぞれ~という理由で選んだので意見を聞かせてください」みたいな感じで。

こうやって自分で考える癖がついたのは、今後社会に出てもすごく役に立つと思う。

ー確かに。他のインターン生についてはどう?

宮本:芯がしっかりしていてやりたい事がある人が多いなと思う。それぞれ今まで経験してきたことも様々で考え方も違うけど、色んなタイプの人がいるから日々発見があるよね。自分では気づかない部分が見えている人が多くて、「そんな気遣いができるんだ!」って感動することもしばしば。

ーIDENTITYでよく関わる機会があった人は?

宮本:やっぱり美濃加茂チームの人かな。私はどちらかと言うと思いついたことはどんどん進めちゃうタイプなんだけど、一緒にやっていた和田さんは論理的に考えるタイプだから私のストッパー役になってくれて。(笑)真逆の考え方だからこそプロジェクトを進めるうえでバランスを取れたと思う。

あと、あすかさんとはミーティングからの帰り道に色んな話をしたな~


ー例えばどんな話?

宮本:インターンを始めてすぐの頃、いっぱいいっぱいなのにタスクをたくさん引き受けてしまって。試されてる気がしてたんだよね。(笑)でも結果的に手が回らなくなって自己嫌悪になるっていう負のループに陥りがちだった。そんな相談をしたりしたかな。
普段友達とはそんな話しないから、インターンの仕事について共有できる人たちの存在は大きかったと思う。

IDENTITYの人たちって、誰と誰が特別仲がいいっていうのがあまり無いよね。良い意味でなれ合いが無くて、でも交流会とかイベント事をやれば、ちゃんと人が集まって盛り上がる。冷めてないし、冷めてなくもない、この距離感が私は心地良いなと思う。(笑)


ー距離感が心地良いという点、すごくよく分かる。そんなIDENTITYで1年弱活動してみて卒業を控えた今、ここでインターンをやって良かったと思うことは?

宮本:色んな価値観に触れられたことが良かった。IDENTITYでは学生インターンだけじゃなくて、フリーランスの社会人メンバーの方や外部の方と関わる機会も多いから、人生に幅広い選択肢を持つことができたと思う。

それから、自分をよく知ることができた。
「自分ってこれが苦手なんだ。克服するにはどうしたらいい?」みたいに考えて行動する場面が多かったな。これって社会人になったら多くの人が経験することだと思うけど、それを学生のうちからできるのはすごく良いなと思う。

あとは単純に、名古屋でインターンを募集している会社ってあまり無いんだよね。さっきも「何でも屋」って言ったけど、こんなに自由に何でもやらせてもらえる環境はなかなか無いと思うし、IDENTITYには東京の拠点もあるから、名古屋にいながら首都圏の情報も得られるというのも大きなメリットだと感じています。

ー最後に、応募を迷っている未来のインターン生に向けてメッセージをどうぞ!

宮本:IDENTITYインターンの採用基準は「変わった人」とよく言われるんですが(笑)、一方で私のように、海外留学や休学をせず普通の大学生をしている人もいます。変わった経歴を持ったメンバーが多いのは事実ですが、個人的には、これまでをふり返って「自分は普通だからダメだ」と思わず、これからやりたいことがある人、わくわくできる環境を求める人にはぜひ挑戦して欲しいと思っています。

IDENTITYの目指す「情報の不均等を無くし、住んでいる街を理由に夢をあきらめない」という価値観に共感できる人、地方の目線で何かやってみたい人は、ぜひインターンに応募してみてください!


ーおお~なんかかっこいい。いい感じにまとまって良かった。ありがとうございました!
最後に、もうすぐ卒業……できるはず(※3)のかなちゃんに、プレゼントがあります!ジャーン!(ドヤ)

宮本:え?わーーー!!・・・ “かまちゃん”!?(笑)

ーええええ!!??


感動のサプライズのはずが、電話でお店の方にお祝いプレートをお願いする際に筆者の活舌が悪かったばかりに、「かなちゃん」ではなく「かまちゃん」になっていました……!

かわいいプレートを準備していただいた喫茶ゾウメシのスタッフさん、ありがとうございました!(滑舌悪くてすみません……)

※3:取材時点では大学の単位が取れるか確証がなく、卒業できるか心配していた。無事卒業できてしてしまってIDENTITY一同残念がっていた。おめでとう。

岐阜から大学進学で京都へ出て、フリーペーパーの活動をきっかけに東京へ。そして地方にも興味を持ち、名古屋へ。
その経歴を辿ってみると、彼女は出会うべくしてIDENTITYと出会ったのかもしれないと思うような、運命的な何かを感じた。どんな場所でも現状に満足せず、行動し続ける彼女だからこそ、次のステップへ踏み出すきっかけを作り続けられるのだろう。

インタビュー内で「IDENTITYには気遣いができる人が多い」という話があったが、私から見ると彼女こそがその代表格である。

MINGLEのオープンイベントでは、当日のみスタッフとして参加した私たち他のインターン生がお客さんの質問に応えられるよう、マニュアルを用意してくれていた。もちろん誰かに言われた訳ではなく、彼女自身で考え準備してくれたものだ。

今回のインタビュー中も、インタビューを受ける側にも関わらず記事の構成まで気にしてくれる気遣いぶりである。(笑)この日の夜に行われた彼女ら卒業するインターン生の送別会には、なんと全員分の手書きメッセージ付き焼き菓子を用意してくるのだから、その心遣いと “無限大の女子力”(※4)には脱帽だ。

そんな彼女は今春、東京で社会人生活をスタートさせた。
ここで得た経験と持ち前のガッツで、日々奮闘しているに違いない。

私たちも彼女に負けず、彼女が残してくれたものをしっかりと受け継ぎながら、前に進んでいかなければと思わされた。

※4:IDENTITYでは、卒業するインターン生に手作りの通知表を渡すことが恒例となりつつある。評価項目もその人に合わせたオリジナルのもの。宮本は「女子力」の項目で、碇さんから100点満点中∞(無限大)の評価をもらった。


文:石川春花

取材時点:2019年2月25日


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