ありがとうからごめんね
どこかの町の路地裏
昼間なのに暗い
なんとなく
ノラねこが集まりそうな
ちょっと変な雰囲気
ふと近くを通ったときに
興味を持ってしまった
たまに吹く風?
それとも香り?
何かが鳴る音?
この日
ついにやられた
完全に五感を麻痺させられた
と錯覚した
心は逃げたかっているのに
身体がその路地裏へ向かっていく
あるところまで行くと足が止まった
そこには
何もなくただ広くなっているだけ
足元に何かがある
地面に黒いバラが一本
ここにいた
涙と嗚咽が止まらない
この暗闇にあの子を見つけた
もう離さない
血まみれの手で誓う
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