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1日の終わりに8冊の本を隠す / アウシュヴィッツの図書係

hontoのリンク貼り付け時の画像がが少し変更になって表紙+書名+著者情報が含まれるようになったようですね。

A girl with a book at Auschwitz by Stable Diffusion

アウシュヴィッツの図書係

30節からなるこの小説を少しずつ読んでいます。1日1節とすると30日というのも具合がいいです。アレント 「全体主義の起源」に触れるにつけて、いくつかユダヤ人に関連する書籍があったことを思い出し、並行して読んでいくことにしました。

本を隠すことが仕事の図書係

絶滅収容所にあった子供ブロックで、子供たちに教育を施すために学校を開くヒルシュと、彼に見出されて、8冊だけの図書館の図書係に任命されるディタ。

当然学校は認められておらず、本は別の収容された人物が倉庫からくすねてきたものをヒルシュが食料と交換して手に入れたもので、これも所持しているところを見られれば、殺されてしまう。

ディタは本を開くと旅ができるくらいに、本が好きで、そして勇敢で聡明な少女でした。

8冊の本

図書館の本の内容と状態を一冊一冊確認していく描写がとても印象的でした。

  • 地図帳

  • 『幾何学の基礎』

  • 『世界史概観』 H・G・ウェルズ

  • 『ロシア語文法』

  • フランス語の小説

  • 『精神分析入門』フロイト

  • ロシア語の小説

  • 『兵士シュヴェイクの冒険』

宝物を見つけたように地図帳のページをめくっては、国々を、海を川を飛び越えてる空の旅に想いを馳せるディタとその姿を見て、ヒルシュは彼女と本の特別なつながりを感じ、彼女なら図書係を務めることができると確信します。

厳しい状況下での本の存在

本が知識や教養だけではなく、明日につながる希望や意欲もあたえてくれるということが心にしみます。
今年2月に読んだ『プリズン・ブック・クラブ』を思い出しました。

うーん。先が気になる。どうなっていくんだ。
がんばれディタ。がんばれヒルシュ。

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