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言語交換と、宇宙人と出会う前に読む本

Google翻訳カップル

言語交換で通話した際の話。

彼女が、"なぜあなたは英語を学習するんですか?"と聞いてきたので、 ”英語を話すことを夢見ることに飽きたからさ”と答えた。(私はこのセリフはかっこいいと思っている)

彼女に日本語を勉強する尋ね返したら、 ”日本人の彼がいるんだけど、お互いに相手の言語が話せないから、Google翻訳を使って話しているの。”と答えた。

何をどうしたらそういう状態になるんだかわからないが、とにかく彼女の理由の方が切実だった。そして、私はセリフは空振りに終わった。

宇宙人と会うその前に

彼女により身近で、共感することはできるがなぜそういうことになるのかわからないような、問題をシェアされて、宇宙という壮大なスケールを扱うこの本について読んでいた私は、目の前の身近な問題に集中するべきだという警告を受けた気分になった。

しかし、彼女のシチュエーションも、この本のシチュエーションも、設定としては私の今の現実からは遠くにあるので、意外と問題としての距離は同じようなものかもしれない。

この本では、宇宙ステーションのカフェで宇宙人と初めて会う男が、”あなたはどこからきたの”と聞かれる。”地球”という言葉は地球人以外はわからないものだからして、銀河系の立体図やら、天文やら物理やら自然科学やらの知識を駆使しつつ、宇宙人に助けられながらなんとかかんとか説明を進めていくという内容だ。宇宙人からの質問に答えることで、普段自分たちが知らない地球やそこで生きる地球人について新しい側面を知ることができる。

私が思うに、この宇宙ステーションのカフェの設定については、未来が来てその時がくれば、誰もが陥る状況だと想像できる。それに、日本の文化や独特なものについて外国の人に説明する状況と似ていると感じた。

何かを説明するときに、私たちは別の言葉でその対象を表現する。新しい角度や視点からの情報を増やすことで、そのコミュニケーションを成功させようとする。このとき使用する言葉や概念はお互いが理解できることが前提になる。だから、お互いに持ち合わせた情報で何が共通しているのか不明なとき、さらにその言葉や概念を説明をするという行為や、また別な言葉や概念を使用した説明が必要になる。

やはり、今自分が持ち合わせている言葉を使って、不格好ながらコミュニケーションを取ろうとする点や、お互いに対する興味や、助け合うという点で言語交換における営みと共通点が多い。

つまり、私たちは、宇宙人と会う前にできることがいくつかあるということだ。この本を読むことはもちろんだが、言語交換や異文化の人と関わりを持つことで、自分たちの持っているものについて新しい光をあてることも必要だ。

相手の文化を理解することで、自身の文化やアイデンティティへの理解が進むという点で、昨年読んだ文化人類学が思い出された。また近いうちに読んでシェアしたい。


Plott Hound Mix

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