生活保護って?

中学生に公民を教えていると、必ず話が出てくる社会保障の4つの柱。
特に年金保険と生活保護は、いろいろなところで話が出てくるためか、公民分野にしては食いつきがよい話題です。
年金保険は 将来もらえないんじゃないの?とかぼくらのときは何歳になったらもらえるんだろう?みたいな話が専らです。
年金保険には、いわゆる老齢年金の部分がクローズアップされがちだけど、障害年金という、障害を負って働くことが困難になってしまったときに支給されるものもあるから、老齢年金部分にだけ注目して支払猶予とか支払免除とかをせずに、漫然と支払わないという選択肢を採ると、いざ事故に遭って障がい者になってしまったなどというときに、年金保険の受給資格がなくなるってこともあるから、きちんと知識持っておけよ~と話しています。

生活保護に関しては、もらうとずるいなんていう話が出てきますが、人生は何が起こるか分からないし、何とかしようと思っていても、都合よく助け船が現れるとは限らないので、そういう制度は必ず必要なんだよって話になります。

生活保護の受給額に関しても、やっぱり中学生としては気になるところらしいので、一応お話だけはしています。
鈴鹿市の場合は、級地制度によって3級地-1に該当するので、東京都の支給金額の82.0%が支給されます。(概算です)物価などが高く、家賃が高いのが基本的な理由ですが、
「健康で文化的な最低限度の生活」に注目すれば、交通網が整備され移動に困難を生じない都会の方が、お金はかからないのではないか。
2割も多くもらえて、生活が便利な都会で暮らせるって・・・という話が出てくることは悪いことではありません。
どのような状況下で、どのような待遇が適切なのかを、生徒自身が考えるきっかけになることは大変喜ばしいことです。

お金を働かなくてももらえることが「得」と考えるかどうかは、考える人間の想像力や知識の多さ、感受性などによって大きく左右される問題です。
たくさんもらえるから「得」なのか、少ないから「損」なのか。

いろいろな考え方を、いろいろな立場から考えられるような、そんな人間が育っていけば良いなと思います。

個人的には法学者として、社会福祉士として、一納税者として、それぞれの立場でそれぞれの考え方を持ってはいますが、生徒にはどの立ち位置の意見も押しつけることはしません。社会制度としては是であっても、納税者として考えれば非であるなんてこと、またその逆もしょっちゅうあることです。
いろんな立場での知識を提供して、それぞれの生徒が人間として様々な意見が考えられるようになれば良いな。

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