日韓大学生オンライン交流プログラムに参加したお話

noteを始めるにあたってきっかけとなったこの交流会について書いてみる。

JENESYS(対日理解促進交流プログラム)の一環として、日韓文化交流基金と韓国国立国際教育院の主催で行われた「日韓大学生オンライン交流プログラム」に参加した。
5/28、6/4、6/25の全3回の日程で開催され、各回で講義やグループワークなどが行われた。

本格的なプログラムが始まる前、日本側参加者向けの説明会があった。
その際に教えていただいたこの交流の目的は、
①韓国を知ること
②日本を伝えること
このステップを通じて日韓相互理解の促進に寄与することである。
「知ること」と「伝えること」はこのような異文化交流の際だけではなく、人と人が交流する時に必要不可欠なものであろう。
(事前説明の際はこのことを"恋愛"に例えて教えてもらった。)
知ってばかりでも伝えてばかりでもダメ。
事前に説明していただいたおかげで、「相互理解」という目的を心に留めて参加できていたと思う。

このように万全のサポート体制を整えていただき、約1ヶ月間に渡るプログラムで実りのある経験をすることができた。
書きたいことはたくさんあるのだが、印象に残っていることを2つほど書き留めておきたい。

一つ目は、
政治や経済に関する講義を通して、日韓両国の大学生と日韓関係について考えたことだ。
この交流会には日本側42名、韓国側42名、総勢84名の大学生が参加していた。
まず、こんなに大人数の同世代と一緒に政治や経済について議論する経験が初めてだった。
政治や経済、普段の生活ではなんとなく敬遠してしまう分野について、堂々と話していい場所が設けられていることが嬉しかった。

特に日韓関係は良くも悪くも政治や経済の影響を受けやすい。
また、日本と韓国の間には歴史問題も存在する。
プログラム参加前は日韓の政治や経済について韓国の学生の前で話すことに恐怖があった。

だが、講義を担当された韓国の大学教授のお話の中に、
「日韓の歴史問題について解決よりも記憶することが大切」
「解決も記憶もできないのが1番だめ」
というものがあった。
これを聞いて、政治や経済の話をタブー視したままでは解決も記憶もできなくなるのだと思った。

今回のプログラムで出会えた素敵な仲間たちと今後も仲良くしたいと思う。
だからこそ、お互いの間にある問題について知りたいし、それをしっかり記憶しながら両国の未来についても考えていきたい。
それが出来るのが私たちなのではないかと、ここまで確信を持って実感できたのも初めてだった。
講義を通して貴重なお話を聞くことができたが、同時に自分の知識不足も実感した。
今後はもっとニュースを見よう、知っているつもりをなくそう、そう思った。

印象に残っていること2つ目は、
グループワークで日韓の地方都市について調べたことだ。

参加者84名が日韓6名ずつの14チームに分かれ、テーマを決めてグループワークを行った。
私が選んだのは「小都市・高齢化」がトピックに指定されたチームであった。
グループでの話し合いの末、日韓の地方都市の現状とこれからを考えることになった。

日本と韓国はどちらも高齢化が進んでおり、大都市に人口が集中しているという現状がある。
ちなみに私は地方出身で、田舎loverである。
田舎に存在するあったかさが大好きで、都会にはない魅力があると信じている。
地方の現状をどうにか良くしていきたい。地方の良さを伝えたい。
そのような思いから、迷わずこのチームを選択した。

そして、この選択は正解だった。
約1ヶ月間、全体での開催日以外にもカカオトークを使って議論を重ね、最終日の成果発表では全員が納得するものが出来上がった。
日本についても、政府が主導している地方都市活性化に向けた政策やふるさと納税の使い道など、この活動を通して知ったことがたくさんあった。
また、全く知らなかった韓国の小都市事情についても知ることができた。
興味のある分野について調べまくれた幸せな1ヶ月間だったと思う。
チームのメンバーにも、ファシリテーター兼通訳として毎回話し合いに参加していただいた方にも感謝でいっぱいだ。

今回の活動で、私はやっぱり田舎が好きだし、田舎にはすごい魅力が溢れていることを改めて実感した。
まだ明確ではないけど、なんらかのかたちで地方の良さを広めていきたいという気持ちが一段と強くなった。

だいぶん長くなってきたのだが、この交流を通して自分に現れた変化を2つほど書いて締めようと思う。

まず1つ目、韓国語を使うことへの躊躇がなくなった。
私は昨年からちょっとずつ韓国語を勉強し始め、韓国語レベルは完全初級だ。
先生の前以外で韓国語を発したこともなかったし、韓国語で同世代にチャットを送るなんて想像したこともなかった。
だが韓国語を使うことの必要に迫られたこの交流を通して、間違ってもいい、とりあえず使ってみようのマインドが生まれた。
チャットの文章を考える際には、絶対に翻訳機を使わないというミッションを自分に課した。
そのためひとつの文章を送るのにめちゃくちゃ時間がかかったのだが、いい思い出になったし、何よりも韓国語の勉強になった。
韓国の学生の中には日本語を勉強している方も多く、言語を学び合いながらコミュニケーションをとることができたのもこのプログラムならではだったと思う。
今後も、今回培ったマインドを忘れずに勉強を続けていきたい。

そして2つ目、自分の気持ちをアウトプットしようという気持ちになった。
この交流会参加者には、交流の様子や感じたことなどをSNSで発信することが求められた。
正直、最初はインスタのストーリーを使って少し投稿すればいいかな、などと思っていたのだが、実際に投稿を作り始めると止まらないのだ。
今まで頭の中で外に出たくて暴れていた感情を、いざ外に出すとこんなにもスッキリするのかと驚いた。
私は頭の中のアウトプットを求めていたみたいだ。
そして気づけばずっと気になっていたnoteまで始めちゃっている。
私の重い腰を上げるきっかけを与えてくれたこの機会に心からお礼を言いたい。

ただ書きながら思うことだが、自分の気持ちや考えを外に出すのって、だいぶ怖い。
周りにどう思われるのか。こんなことしてるの、私らしくないのではないか。
そんな思いもよぎる。
でも話は冒頭に戻るが、今回の交流の目的に含まれていた「知ること」と「伝えること」、この2つのステップは相手が人であれ情報であれ社会であれ、生きていく上で必要なことなのではないか。
この数年間、いろんなものをたくさんインプットさせていただいたので、これからは少しずつアウトプットもしていけたらいいなと思う。

最後に、このプログラムにご尽力いただいた皆様に感謝を申し上げます。
学びのある1ヶ月間をありがとうございました!!

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